水族館にある巨大な水槽。『BACKSTAGE』では、飼育員さんたちが”水槽の水を全部抜いて行う”という「落水(らくすい)清掃」に密着しました。
水をまるごと交換!水族館で最も難しい仕事
東京・池袋にある「サンシャイン水族館」。ここでは各水槽で年に3回落水清掃を行っています。大掛かりで魚の命にも関わるため、水族館で最も大変な仕事です。
落水清掃では、すべての魚を別の水槽に移して、水を全て抜いた水槽の中を掃除します。

ちょっと水質が悪くなってしまうだけでも体調を崩して死んでしまう魚もいるため、水槽の掃除は魚の健康を守るためにとても大切です。
魚たちの大移動!落水清掃は時間との勝負
この日、落水清掃を行ったのは、小さな熱帯魚がおよそ1,000匹も入った水槽。
実際の清掃ではまず水槽の水を抜いていき、2割ほど水を残した状態にします。

ここから水槽の中にいる魚たちを全て捕まえて、別の水槽へとバケツリレーで移動させます。
水が減った状態の水槽は魚の密度が高くなり、一時的に酸素濃度が低下するため、魚が苦しまないように捕獲は時間との勝負です。

しかし、魚も逃げるのに必死なため、サンゴの隙間に隠れてしまうこともあります。

いかに時間をかけずに手際よく魚を捕まえられるかが、飼育員さんたちの腕の見せ所です。
掃除は隅々まで綺麗に…仕上げも抜かりなく
魚たちを移動させたら、いよいよ水槽内の掃除です。
水槽の隅々まで清掃することはもちろんですが、例えば熱帯魚の場合、綺麗な環境でしか生きていくことができません。そのため、熱帯魚を入れている水槽では、サンゴの置物にあるわずかな汚れなども丁寧に落として綺麗にします。
水槽内の掃除を終えたら、いよいよ新しい海水を水槽へ。この時、水面の線に沿って海水の塩が付着してしまうため、ガラスに跡が残らないようスポンジで丁寧に掃除を行います。

掃除が完了し、新しい海水が入って綺麗になった水槽ですが、すぐには魚を戻さず、水質を安定させるため、一晩そのままにして翌朝に魚を水槽に戻します。
掃除と一緒に魚たちもチェック!
別の水槽へ移動した魚たちは、数が揃っているかを確認。同時に、病気の魚がいないかどうか健康状態もチェックします。

また、落水清掃中に魚が1匹でもいなくなれば、飼育員さんたちは水槽に取り残された魚を見つかるまで探します。水槽にいるすべての魚たちを把握しているとは…飼育員さんの魚への愛が感じられますね。
水族館の水槽で元気に魚たちが泳ぎ、その姿を見て楽しめる裏側には、飼育員さんの魚への愛と奮闘がありました!
スポット名:サンシャイン水族館
住所:豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル 屋上
知られざる舞台裏の物語
BACKSTAGE
(CBCテレビ:日曜よる11時30分~)
▪次回(7/7)の放送は、家事代行スタッフ