赤道直下…という文字を見たとき、“気候の暑さ”や“熱帯”を想像する人は多いのではないでしょうか。しかし世界には、赤道直下であるにも関わらず、山頂に氷河を持つ山もあります。そしてそこには、独自の進化を遂げた動物をはじめ、様々な生物たちが暮らしていました。
3本ツノのカメレオンがいる⁉
その山の名前は、ウガンダにある「ルウェンゾリ」。

「ルウェンゾリ山地国立公園」として、1994年に世界遺産にも登録されています。
標高は5109mと、アフリカ大陸において同じように山頂に氷河を持つキリマンジャロ、ケニア山に次いで3番目の高さです。
この山にはとてもユニークな生き物が数多く生息しています。
そのうちの一つが、標高約2000mの地点に生息する「ジョンストンカメレオン」。

通常のカメレオンとは違って、頭には3本のツノを持っており、体長は30cmほど。
縄張り意識が強く、攻撃的だそうで、自分の縄張りに侵入してきたオスと闘うこともあるとか。


標高約3300mの地点では、鮮やかな赤い羽を持つ鳥を発見。

この鳥は「ルウェンゾリトラコ」といい、ルウェンゾリ固有種の動物です。
山に豊富にある木の実をエサにしており、この周辺でしか姿を見ることができません。

他にも固有種の動物や植物がいくつも。なぜ、ルウェンゾリには固有種が多いのでしょうか?
山ができた背景に関係があった?
それは、山ができた経緯に理由があるとのこと。
ルウェンゾリは、約300万年前に地殻変動で隆起してできたといわれる山。
島のように孤立してしまった環境で生き物は独自に進化を遂げていき、そこから多くの固有種が生まれたそうです。

山には固有種以外の動物も
ルウェンゾリには、他にもさまざまな動物が生息しています。
たとえば、鹿のようにも見える牛の一種「ズグロダイカー」。

ジャングルから標高の高い急斜面まで好物の草を求めて移動します。
また、花を食べるサル「ブルーモンキー」も。

普段は森に住むブルーモンキーも、高地の環境に適応して暮らしています。
地殻変動による隆起によって生まれた「ルウェンゾリ」。
熱帯のジャングルから氷河を持つその山には、それぞれの環境に適応して生きる動物たちの姿がありました。
壮大な遺産の旅へ
世界遺産
(TBS系列:日曜午後6:00~6:30)
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