広大な砂漠に現れる巨大なクレーター。
なんと現在10個ほど※註の巨大クレーターが確認されており、大きさにして直径1kmを超えるものも存在しています。※註:円形など形がキレイに残っているものについて

「隕石の跡か?」と思う人もいるかもしれませんが…じつは、そうではありません。この巨大クレーターを生み出したものは一体何なのか、真相を解き明かします。
人為的に作られたようには見えない…
巨大クレーターは、メキシコにある世界遺産・ピナカテ火山とアルタル大砂漠に存在しています。

そして、ピナカテ火山の裾野に、直径約50kmにわたって溶岩の大地が広がっています。この大地をしばらく歩いていくと、巨大なクレーターが出現。

あまりの大きさと深さに、とても人が作ったものではないと確信できますね。しかし、上空から見ると、隕石が落ちた跡のようにしか思えませんが…。
巨大クレーターを生み出したものとは
このクレーターの誕生にはピナカテ火山が関係していました。
かつてこの地には豊富な地下水の層があり、そこに高温のマグマが触れると…

水は瞬時に水蒸気に変わり、大地を吹き飛ばすほどの爆発を起こしました。専門家によると、これを「マグマ水蒸気爆発」といい、マグマの量が多すぎても、地下水の量が多すぎても発生しない、両者のバランスが非常に絶妙な場合にのみ見られる現象だそうです。

それを広範囲にわたり、異なった年代で繰り返したため、複数の巨大クレーターが生まれたといわれています。
巨大クレーターを生み出したのは、なんとマグマだったのですね…。
マグマが生み出す不思議な塊
マグマが生み出したのは、巨大クレーターだけではありません。
ひと際大きい、溶岩の塊がその一つ。中が空洞になっており、入ることもできるのです。


これは地中から噴き出した溶岩が、まるで風船のように少しずつ積み重なり、このような形になったそう。時間と共に内部の溶岩は流れ去り、中の空洞ができあがったのだとか。

砂漠に残る巨大クレーター。
見る者を圧倒させるそのスケールに、自然の力のすごさを改めて感じますね。
壮大な遺産の旅へ
世界遺産
(TBS系列:日曜午後6:00~6:30)
▪️次回(5/19)の放送