「古民家」とは、“築50年以上の木造建築”の家のこと。
近年、古民家が大ブームで、古民家への移住希望者はここ10年で約10倍にも増えています。専門誌も次々と刊行されるなど、注目度も急上昇中!でも、「興味はあるけど実際には住みづらいのでは?」と思う方もいらっしゃるはず。
今回は、そんな古民家に秘められた、数々の「昔の人の知恵」や「驚きのメリット」についてご紹介します。
夏も冬もエアコンがいらない!?
まずは、古民家の「縁側」と「ひさし」がもたらすメリット。
「縁側」は、くつろいで過ごせる素敵な場所でもありますが、それだけではありません。縁側の上につけられた「ひさし」とセットになって、エアコンの役割を果たしています。
「ひさし」の長さや角度は太陽の位置を計算して決められています。
例えば、太陽の位置が高くなる夏は、直射日光が遮られて部屋の中が涼しく保たれます。

反対に、太陽の位置が低い冬には、日光が差し込むように設計されているため、屋内はあたたかくなります。

縁側とひさしが室温調整をしてくれるおかげで、古民家に住んでいる人の中には「1年中エアコンいらず」という人も。
古民家は「湿度」も自動調節!?
黒みを帯びた古民家の柱によく映える、真っ白な漆喰の壁。

「漆喰」という素材でできた壁は見た目が美しいだけでなく、すごい機能を備えています。
それは、「部屋の湿度管理をしてくれる」ということ。

漆喰の壁は「呼吸する」ともいわれるように、湿度に応じて空気中の水分コントロールが可能。
湿気の多い夏には漆喰が水分を吸収して部屋の湿度を下げ、乾燥する冬には漆喰が溜め込んだ水分を放出して、部屋を加湿します。
漆喰の壁のお部屋であれば、加湿器も除湿器も使わなくて大丈夫そうですね!
憧れの「囲炉裏」には意外な効果が!
古民家にある設備の中で憧れる人も多い「囲炉裏(いろり)」。

普段は暖をとったり調理に使ったりする場所ですが、夏場になると違った役立ち方をしてくれます。それは「虫よけ」の効果!
囲炉裏で火を焚くときに出る煙の「すす」を嫌って、虫が来にくくなります。

エアコンや除湿・加湿器、虫よけ対策まで不要とは、古民家の持つ力に驚かされます。昔の人の知恵がたくさん詰まった古民家でのスローライフ、ぜひ体験してみたくなりました!