巨大な橋の上で、たった1本のロープを頼りに点検作業を行う特殊高所技術者。入社3年目の海江田さんが、海にかかる巨大な橋の上で点検作業に向かいます。
点検する箇所の高度は、海上から約100mになるところも。「怖さ」と隣り合わせで仕事をおこなう、海江田さんに注目します。
ロープ1本で点検箇所まで降下
今回、点検作業が行われたのは、大阪市此花区にある『此花大橋』。
この橋の定期点検は5年に1度で、異常があれば大事故につながるおそれのある「主塔」と「橋脚」を、10日ほどかけて点検します。

「橋脚」の点検箇所は、足場のない不安定な場所。
欄干にロープをしっかりくくりつけ、少しずつロープを伸ばしながら下りていきます。
「橋脚」に到着後は、異常や損傷がないか、ハンマーで叩いた音を確認して点検を進めていきます。

損傷した箇所を見つけた場合は、状況をカメラで撮影して記録します。時には、より広い範囲を写すために、橋脚をジャンプするように蹴って撮影をすることも!

強風のなか、命の危険と隣り合わせの作業
そして「主塔」の点検へ。

約20kgの装備を身につけ、階段とはしごを使い、50分ほどかけて頂上へと上ります。その高さは…海上から約100m、およそビル23階分です!
「主塔」の点検箇所へ辿りついたら、ケーブルの亀裂などがないか、外に出てチェック。周囲に風を遮るものもないため、強風が吹きつけるなか、ロープ1本での作業となります。

季節は冬。強風によって下がった“体感温度”と“緊張”で、息は自然と荒くなってしまいます。
点検は主塔の最上部でも実施。まさに命の危険と隣り合わせの作業です。

見えない場所から日本の安全を支える
海江田さんは、「怖いと思うことはすごくいいこと」と話します。
それは、「怖さ」は「慎重さ」につながり、一つ一つを安全に行おうという気持ちが強くなるから。
常に命の危険と隣り合わせの特殊高所作業ですが、「橋のたもとや塔の上は、人の目につかない所が大半。だけど陰ながら日本の安全を支えていると思うとやりがいがある」という思いもあるそう。

普段はなかなか目を向けない場所も、命の危険と隣り合わせのなか、安全を支えてくれる人がいることに感謝したいですね。
知られざる舞台裏の物語
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