快適な空の旅に導いてくれる、日本の航空株式会社「JAL」。
「JAL」と聞くと、わたしたちは飛行機を連想しがちですが、安全なフライトのため本社ビルでは特に綿密な業務が行われていました。普段は公開されることのない、JALの“秘密任務”を紐解きます!
「安全かつ最短ルート」を決めるスペシャリスト!
JALの本社にある、国際線・国内線すべての飛行機の司令塔「オペレーション コントロール センター(OCC)」。
ここでは、1日約1,000便の国内線・国際線が「いつ」「どこを」「どのように」飛ぶのかを決めています。

飛行ルートは、運航する飛行機によって異なります。そのため、OCCの中では「ディスパッチャー」と呼ばれるスペシャリストたちが1便ずつ、飛行機の飛行ルート(フライトプラン)を作成。

フライトプランは、飛行機が「安全で最短なルート」で運航できるよう、毎日作られています。
フライトプランは「雲」を避けなければならない
実は、飛行ルートというものはおおまかにしか決められていないそうです。
そのため、ディスパッチャーが飛行エリアの天候や大気の状態を確認しながら「安全かつ最短」のルートを都度決めています。
たとえば、「雲」が多発した場合、できるだけ雲を避けるような飛行ルートを作成しなければなりません。しかし、ただ水平方向に迂回しただけでは、飛行距離や時間が延びてしまいます。

そんなときディスパッチャーは、断面図で天気を確認。

この図の場合、雲は低めの位置にあるとわかるため、迂回するのではなく、雲の上を通過するフライトプランを考えます。
雲が無くても揺れてしまう「乱気流」にも配慮!
飛行ルートを作成するとき「乱気流」にも注意します。乱気流が発生していると、雲がなくても飛行機が揺れてしまうためです。
それぞれの要素も考慮し、最終的なフライトプランでは、雲と乱気流をできる限り回避した飛行ルートを作成します。

このような飛行プランを1日約1,000便分、ときには分刻みのタイトなスケジュールで作成することもあるそうです。
JALの表舞台からは見えないところで、飛行機の安全な運航を支える「ディスパッチャー」のお仕事。
飛行機に乗ったときにキレイな空が見えるのは、ディスパッチャーの方々が安全な飛行ルートを作ってくれているからなのですね。次のフライトで窓から見える景色が、より感慨深いものになりそうです!