TBSでは金曜ドラマ『フェルマーの料理』を放送中。天才数学少年・北田 岳(高橋文哉)は、謎に包まれた料理界のカリスマ・朝倉 海(志尊 淳)とともに、二つ星レストラン「K」で、数学的思考を用いて難題に立ち向かっていく。若きプロフェッショナルたちが本気で料理に挑む青春ストーリーだ。今回は、天才数学少年を熱演中の高橋文哉に自身が演じる役柄や役への思いについて、話を聞いた。
ドラマ出演が決定した高橋が自分へのご褒美に購入したものとは?

――TBSドラマ初主演。お気持ちはいかがですか?
TBSのドラマに3年連続で出演させていただいていて、今回ついに主演を務めることになりました。しかも題材は料理。僕は常々、料理とお芝居を結びつけたいと思っていたので、お話をいただいたときは本当にうれしかったです。どれくらいうれしいかというと、10年後、「人生でいちばん喜んだことはなんですか?」と質問されたら、迷わず「『フェルマーの料理』に出演できたこと」と答えると確信しているくらい! 自分がコックコートを着て、カメラの前に立つ姿を、高校生の自分に見せてあげたいです。
今回、出演が決まった自分へご褒美として、ずっと欲しかった包丁を購入しました、4本! すでに同じ型の包丁を6本ぐらい持っていたのですが、同じ型なのにそれぞれ握り心地も切り心地も少しずつ違うんです。切っているときに僕が見る景色も違うというか。

――高橋さんは、“挫折した天才数学少年・北田 岳”をどんなキャラクターだと捉えていますか?
岳にはほんわかした独特の空気感を持っている少年。でも自分が興味を持ったものに対しては別で、真っすぐに突き詰めていく性格です。演じるにあたって、楽しいときは“狂気的に”楽しそうにするなど、ハッキリと表情に出すことは意識しています。
また、ふだんの岳の話し方は決してハキハキしているとは言えませんが、自分が興味のあること、自信があることに関しては早口になる傾向があります。岳の頭の中で計算式ができたときなどに、“早くこれを伝えたい”となるんです…監督曰く、天才は早口になる傾向があるそうです。
「岳の頑張りや自分の道を貫く強さに、僕も背中を押されています」

――志尊さん演じる朝倉 海とはどんなバディになっていきそうですか?
数学の天才である岳と料理の天才である海。2人は「より高みを目指したい」と思う、肝の部分には近しいものがありますが、性格やそこへのアプローチ法は全く違います。たとえば岳はニコニコしているけれど、海は真顔で岳をにらむ、とか。ただ全く違う2人の人間がバディとなり交わることで、料理の新境地へと向かっていくんだと思います。
岳にとって海は、とてもカッコいい存在。外見だけじゃなくて、自分の考えを素直に口にできる内面も含めて、カッコいい。…ただ役を離れると、「お前は主人公だ」などの格言めいた海のセリフはおもしろくて。志尊さんがセリフを言い終わった直後、志尊さん相手に同じセリフを真似しています(笑)。
ふだんの志尊さんは、 “優しいお兄ちゃん”。たくさんコミュニケーションをとってくださる方です。でもお芝居が始まると一変。一瞬で空気感が変わるんです。岳は海に引っ張られ続けられる役ですが、僕も志尊さんに引っ張っていただいています。

――そんな海がオーナーシェフを務めるレストラン「K」で働くシェフたちは、実力者だけれど曲者ぞろいの様子ですね。
数学者になる夢を諦めて絶望する岳が、どん底から這いあがっていく場所になるのがレストラン「K」です。けれど世界中から集められた才能あふれるプロフェッショナルが腕を磨いているだけあって、岳にとってはかなりアウェイな場所。今後も苦しい瞬間がたくさんありそうです。逆境の中で頑張る岳を「なんでコイツめげないんだ?」と「K」のメンバーには感じてほしいですし、ドラマを観てくださる方々にも応援していただきたいと思います。
――ちょうどレストラン「K」の話題が出ましたが、第1話では、戦場のようなスピード感で動きまわる「K」のシェフたちには圧倒されました。
本編同様、撮影現場はつねに元気で明るく、活気があふれています。じつは第1話のシーンが撮影されたのは厨房のセットでの撮影が始まって数日後。阿吽の呼吸で動くシェフたちを描くために、初日から積極的にコミュニケーションを取って、撮影に挑みました。

――視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
僕自身台本を読んで岳の頑張りに勇気をもらいました。
きっと、「自分がやりたいこと」と「自分がやるべきこと」の違いというのは、誰しも感じたことがあるはず。自分の道を貫く岳の強さを、ぜひ感じとってほしいですし、頑張る岳を応援してほしいです。そしてできることなら、岳を応援した気持ちをそのまま、ご自身に返してほしいと思います。
登場人物の人間ドラマを楽しんでいただきたいのはもちろんですが、料理シーンの緊張感や疾走感、そして何より“数学的でおいしい料理”を見て、ぜひお腹を空かせてほしいです。観てくださった皆さんが、金曜の夜、ドラマの後に実際にその料理をつくって食べていただけたら、うれしいです!
高校で料理を専攻し調理師免許を取得しているほど、料理が得意な高橋。岳のストーリーとともにその包丁やフライパンさばきにも注目していきたい。
■番組概要
[タイトル]
金曜ドラマ『フェルマーの料理』
[放送日時]
毎週金曜よる10:00~10:54