TBS金曜ドラマ『フェルマーの料理』。原作は「月刊少年マガジン」（講談社）で連載中の小林有吾の同名漫画。高橋文哉が演じるのは、夢破れた天才数学少年・北田岳。志尊 淳演じる謎に包まれた料理界のカリスマ・朝倉海や海が経営する超一流レストラン「K」で働く若きプロフェッショナルたちと、切磋琢磨し、料理の腕を高め合っていく青春ストーリー。
今回は、前回に引き続き、クランクイン前に行われた高橋と志尊のダブル主演対談の後編をお届け。料理を扱うドラマならではのエピソードや意気込みを聞いた。

初めての食事会の開催場所は…！？

――本作の見どころのひとつ「リアルな厨房」を表現するため、俳優の皆さんは料理の練習中と伺いました。

高橋：何度か料理練習に行きました！ 毎回、切ったり炒めたりしますよね。

志尊：しているね。劇中に出てくる料理を実際につくって、こういうふうな見せ方をしよう、という話をしています。ちなみにレストラン「K」には、スープ、前菜、メイン…と、部門ごとにシェフがいるので皆さん、その担当分野について集中的に習っている感じですね。ただ岳は結局、成長していく過程で、全部やっていかなきゃいけない感じだから練習量が多いんじゃない？

高橋：そうなんですよ。最近の料理練習の中で思いました。“あれ、全部やってるな”って（笑）。なので最近は、週6くらいの頻度で包丁を握っています。

志尊：逆に僕は、オーナーシェフという立場。ある程度の地位までいっていると、撮影中にすることも限られているんです。なので、その部分を集中的に教えていただいています。たださすがに、包丁を握る機会はつくろうと思って週3くらい料理をしています。

――印象に残っている食事について教えてください。

高橋：ちょうど先日、志尊さんに食事に連れて行っていただいたのですが、あの食事会はとても印象に残っています。

志尊：本当？ すごくおいしかったよね。

高橋：はい。食事はもちろんすごくおいしかったですし、カウンターに座ったので、至近距離でたくさんお話しができました。楽しかったですし、すごくうれしかったです。

志尊：そう言ってもらえてよかった！ 文哉くんが寿司好きだと聞いて、一緒に行ったんです。

高橋：一番好きな食べ物なんです！

志尊：そうしたらもう1軒、文哉くんを連れていきたいお店あるから、ぜひ行こう！ クランクイン前…は難しいから、クランクインしたら行こうね。

高橋：お願いします！ わ～。また新しい思い出が増えそうで、すごく楽しみです。

――さて、本ドラマは漫画原作です。原作を意識した部分、こだわりはありますか？

高橋：ヘアスタイルは、原作に寄せていこうという話になりました。原作ではスパーっと外に伸びている髪を、くせ毛ふうに外ハネにします。

志尊：原作では岳よりも海のほうがビジュアルのインパクトが強いキャラクター。まだ（取材時は）黒髪なのでイメージしづらいと思いますが、僕も原作のビジュアルに近づけたいなと思っています。

高橋：そしてレストランが舞台の中心になるので、衣装は基本コックコート。料理とお芝居を結び付けたいとずっと思っていた僕にとって、コックコートを着てお芝居ができることは、なによりもうれしいです。ポスター撮影のとき、久しぶりに袖を通して、すごくわくわくしました。

志尊：やっぱり原作があるドラマなので、料理はもちろん、ビジュアル面も原作を意識しています。監督から「ビジュアルからも異質さを放ってほしい」と言われているので、細部にまでこだわりたいと思っています。

――本作の見どころや視聴者へのメッセージをお願いします。

高橋：今、キャストの皆さんやスタッフさんと一緒に、いかに料理というものをすてきに描くかを考えているところです。若い料理人たちがかっこよく料理をするシーンや圧巻の料理をたくさんつくって、皆さんに届けられたらと思います。
原作や台本を読んで、挫折した岳が新たな光を見出して、その道を海と目指していくというストーリーから、背中を押してもらえた気分になりました。
もがきながらも、目指すものと向き合い、没頭し、その真理を追究していく。
岳を演じる僕としては、挫折から立ち直る姿、そして志尊さん演じる海と新たなことに没頭していく姿を届けることで、何かに挑戦したいと思っている方の背中を押すことができたらうれしいです。

志尊：連載中の漫画が原作なので、実写化するにあたって原作にはない要素もプラスされています。ドラマとして物語がどのように動いていくかは、見どころのひとつになると思います。僕個人としては、レストランで働く個性豊かなキャラクターを演じる皆さんとの群像劇は楽しみにしています。魅力的な登場人物たちがどのような決断をするのか、どんなぶつかり合いをするのか。そしてどのように歩んでいくのか――楽しんでいただけたらと思います。

料理練習を経たキャストたちの腕前やコックコートを着た姿はもちろん、視覚や聴覚を刺激する演出など、多角度から料理のおいしさ、すばらしさを表現。金曜ドラマ『フェルマーの料理』でそのこだわりを楽しんで！