日本でただ一人のハイダイビング選手『クレイジージャーニー』荒田恭兵インタビュー

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ハイダイバーの荒田恭兵さんが9月18日放送の『クレイジージャーニー』(月曜よる9時)に出演。7月10日の放送に続き2度目の出演となった荒田さんにお話を伺いました。

ハイダイバーの荒田恭兵さんハイダイバーの荒田恭兵さん

オーストリアの強化合宿を振り返っていかがですか?

やっぱり「一人じゃないっていいなぁ」と思いました。『クレイジージャーニー』のスタッフの方たちと本当に合宿みたいに一つ屋根の下で過ごせて楽しかったし、練習場に行けば競技のことを話せる人たちもいたので。練習がたくさんできたことはもちろん、みんなと一緒に過ごせたことがすごく良かったです。

合宿中のエピソードはありますか?

いろいろあります。到着してすぐ「(27mから飛ぶのは)ちょっと今日じゃないな」と感じたこともそうだし、天候が突然荒れたり、チャリを飛ばし過ぎてチェーンが切れたり・・・。でも、そういう不測の事態ってハイダイビングでは非常に大事なんです。予期せぬことへの対処は、大会でのプレッシャーをいかに乗り越えられるかにかにもつながりますから。一つ一つ貴重な経験になりました。

ハイダイバーの荒田恭兵さんハイダイバーの荒田恭兵さん

休養日にサイクリングを楽しんでいたのに、崖を見つけて飛んでいましたね。

いい崖があると、つい飛びたくなっちゃう(笑)。やっぱりあれくらい楽しんでやれるのが一番ですよね。ハイダイビングはリスクが伴う競技なので、ずっとシリアスに考えているとしんどくなってしまうんです。海外の選手を見ていても、オフの日は趣味の山登りをしたり、完全に休息に当てたりとメリハリをつけています。だから僕も体を動かしつつリフレッシュしようと自転車に乗ったんですが、つい飛び込んでしまいました(笑)。

ハイダイビングを始めた5年前と今とで、競技に対する気持ちの変化はありますか?

ちゃんと自信がついてきましたね。始めた当初は恐怖心がメンタルの大きな部分を占めていました。1~2年間は「27mは特別に高くて怖い場所」という感覚で、心の負担がものすごくあったんです。でも、その恐怖心を少しずつコントロールできるようになり、同時に少しずつ自信もついてきたという感じです。

ハイダイバーの荒田恭兵さんハイダイバーの荒田恭兵さん

相談相手もいない中で、恐怖心から競技を辞めようとは思わなかった?

もし僕が辞めたら競技が途絶えちゃいますから(笑)。やっぱりトレーニングや経験を重ねることで、ちょっとずつでも恐怖心が減り、精神的な変化を感じられたからでしょうね。

周囲の応援の力も大きいですか?

すごく大きいです。いつも勇気づけられています。それを特に感じたのが、7月に福岡で行われた世界水泳(世界水泳選手権)。その直前に僕が出演した『クレイジージャーニー』が放送されて、見た方からたくさん声をかけていただきました。競技者は自分一人でも、周りにこんなにいっぱいの人がいてくれるということを実感できて、とても得難い経験でした。

世界水泳を終えての感想は?

この5年間、一筋縄ではいかないこともありましたが、ハイダイビングという競技を日本の皆さんにお見せできたことは一つの成果だったと思います。これを機に、競技をさらに認知してもらえるよう僕もいろいろ提案していきたいです。

ハイダイバーの荒田恭兵さんハイダイバーの荒田恭兵さん

ハイダイビングをやりたいという志願者は出てきましたか?

出てこないです。出てこられても今の自分だと持て余しちゃう(笑)。まだまだ僕自身が発展途上なので、知識や経験をもっと積んで成績を残すことができたら、それを見て「挑戦してみたい」という人が現れるかもしれませんね。そうなったら一緒に高め合える環境を作っていきたいです。でも今は自分のこともままならない状態なので・・・。

「きれいに着水できると気持ちいい」そうですね。ハイダイビングは無理でも、その感覚は味わってみたいです!

段階を踏んで体を少しずつ慣らしていけば、5mくらいまでならできると思いますよ。ハイダイビングとかスポーツじゃなくても、何かにチャレンジして、頑張ってできた時の「やったー!楽しい!」という気持ちって、すごく大事だと思うんです。僕のこの挑戦が誰かの勇気やポジティブな気持ちにつながったら、本当にうれしいですね。

番組情報

クレイジージャーニー
毎週月曜よる9時から放送中

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