TBSでは、毎週火曜よる10時から福原遥&深田恭子のW主演ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』を放送中。福原が演じるのは、キュレーターになるという夢に向かって歩き始めた直後に予期せぬ妊娠が分かった18歳・仲川有栖。そして深田が演じるのはアラフォーで仕事に生きて恋を後回しにしてきたアートスペシャリスト・成瀬瞳子。
今回は、2人の主治医となる産婦人科医・柴崎薫を演じる松本若菜にインタビュー。名言を連発する薫を演じるうえで心がけていることなどを聞いた。

名言を連発する薫。「1人の人間としての言葉で伝えています」
――台本を読んだときの感想を教えてください。
お話をいただいたとき主人公2人の主治医役だと伺いました。私自身、薫や瞳子と同世代で仕事がいちばん楽しい時期だと思っているので、瞳子が置かれた状況にはとても共感できました。実際、年齢にかかわらず夢を取るか、恋や結婚を取るかなど、大きな決断を迫られる人は多いと思います。もちろん悩まずすべてを手に入れている人もいらっしゃいます。台本を読んで、そんな女性たちの悩みがすごく丁寧に描かれているなと思いましたね。

――ドラマ放送開始後、どんな感想が寄せられましたか。
第1話で有栖に対して「産む、産まないを決められるのは、あなただけです。あなたの身体はあなたのものだから」と伝えるセリフには、多くの声をいただきました。台本をいただいたときから、丁寧にお芝居をしたいと思っていたセリフだったので、見ていただいた方に何かしら感じてもらえたことはうれしかったですね。
寄り添いすぎるのも、突き放してしまうのも違う。でも有栖にとても大きな決断を投じなくてはいけない。セリフですが、1人の人間としての言葉で伝えたいと思っていました。医師として、人生の先輩として、そして同じ女性として、1人の命を授かっているのは誰でもない有栖自身であること、そしてその命をどうするかを決めることができるのも有栖だけなんだということを心に留めて演じていました。

――それ以外にも、薫には名言が多いですね。
そうですね。第6話で、加瀬に対して消極的な瞳子に、「加瀬さんに会う、その日の瞳子が、人生で一番若い瞳子なんだよ!」とはっぱをかけるセリフは私自身にも響きました。恭子さんとも、“台本を読んでいるときから納得していたけれど、実際言葉にするとすごく響くセリフだね“と話しましたね。

――第7話で、有栖が「子どもに父親って必要なんでしょうか?」と投げかけたときの薫の言葉もすごく素敵でした。
あのシーンで旦那さんがいて子どもを産んだ経験があるのは、貴美子(片平なぎさ)さんだけ。その貴美子さんでも、有栖が一番信頼している瞳子でもなく、薫から話し始めることの意味を考えました。薫は医師として多くの患者さんを診てきていて、いろいろな家族のあり方を知っている。薫が伝えた「お母さんに、お父さんの分までたっぷりに育てられて、幸せに暮らしている子どもたちはたくさんいるよ」という言葉は、有栖が求めていた“正解”ではないかもしれないけれど、意味のある言葉だと思いました。
この場面に限らず、監督やプロデューサーから「薫さんの言葉に言い変えてもらって大丈夫です」と言っていただけているので、言葉のニュアンスや順番を相談しながら撮影しています。

――お話を伺っていると、松本さんご自身の思いもセリフに乗っていると感じました。どんなことを心がけてお芝居をされていますか?
医療監修の野間桃先生には、技術面はもちろんのこと、心の面の助言を多くいただきました。実際に医師として多くの患者さんと向き合ってきた野間先生の言葉には気付きが多く、薫を演じるうえで役に立っています。特に相談したのは、医師として瞳子に接するときのテンションについてです。
先生ご自身も、友人の診断をすることがあるそうです。意外だったのが、仲が良い人ほど、婦人科検診などのパーソナルな相談には来ないということ。第1話で薫が瞳子に対して“なんでもうちょっと早く言ってくれなかったの?”と言う場面がありますが、野間先生もふだんから感じていることだとか。だからこそ勇気を出して相談に来てくれた親友に、どんなふうに接するべきか。落ち着き過ぎていると冷たく見えてしまうので、親友として心配をしつつ医師として病状を説明するテンションを模索しました。
一方で瞳子と親友として接する場面のテンションは、私自身の実体験がベース。医療用スクラブや白衣を脱いで、外食やホームパーティをするときは、少しテンションを上げることを心がけています。
――撮影も終盤ですが、現場の様子はいかがですか。
私が出演するシーンは女性が多いので、カメラが回っていないところでもずっとにぎやか。第7話、瞳子の家で金沢おでんを食べるシーンでは、カメラが止まっても食べていたら「また食べたでしょ」「おいしいよね」などと話したりして。
ドラマのサブタイトル“2人なら夢も恋も”そのままに、夢と恋を追いかけるお芝居をしている、遥ちゃんと恭子さんはいつお会いしてもキラキラ輝いています。わたしも負けずに輝きたいなと思っています! …ビールを飲むシーンが多いですが(笑)。

――今後の見どころを教えてください。
第9話では、薫のパーソナルな部分が描かれます。それを知った親友・瞳子との絆にはぜひ注目していただきたいですね。薫を通して改めて、幸せの形は一人ひとり違うということ、だからこそ自分自身が幸せだと思える人生を歩んでいくべきだと感じていただけると思います。そして有栖と瞳子には、幸せになってもらいたいです。薫的にも、松本若菜的にも!

――薫先生にも幸せになってもらいたいです。
この作品に登場する人物は幸せになってもらいたいと思えるキャラクターばかり。私も、薫として精一杯、この作品で生き抜けたらと思っています。
■番組概要
[タイトル]
火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』
[放送日時]
毎週火曜よる10時~10時57分