目黒蓮らの芝居を引き立てるトリリオンゲーム社『トリリオンゲーム』セット制作秘話

TBSでは、毎週金曜よる10時から、目黒蓮主演の金曜ドラマ『トリリオンゲーム』を放送中。“世界一のワガママ男”のハル（目黒蓮）と“気弱なパソコンオタク”のガク（佐野勇斗）という正反対の2人がゼロから起業し成り上がっていく、前代未聞のノンストップ・エンターテインメントだ。

今回は、ガクの部屋から高層ビルに引っ越しをしたトリリオンゲーム社のオフィスにフォーカス。リアリティを追求したというセットのデザインを担当した、美術デザイナーの雨宮里美氏に話を聞いた。

LEDパネルでオフィスの時間帯を自在に調整

前回紹介した「ガクの部屋」だけでなく、祁答院のオフィスやトリリオンゲーム社のオフィスのシーンも、実は、スタジオ内に建てたセットの中で撮影しています。トリリオンゲーム社のオフィスの特徴は、一面に広がる大きな窓ガラス。ここから見える美しい景色が、このオフィスが高層階にあるということを違和感なく表現しています。
これは窓の外に、LEDパネルを壁のように組み立てて映像を映し出すことでできたビジュアル。LEDパネルを使った撮影の効果は絶大で、ドラマ撮影において最大の懸念点であるはずの天候や時間帯の調整を、自在に調整できるようになりました。日中はもちろん、夕方や夜のシーンなども、いままでにないリアルさで表現することができています。念のため、ブラインドも用意していましたが、ほとんどのシーンを開けたまま撮影できるほど、夕日や夜景の光が床やテーブルに映り込む様子は美しくなっているんです。

ゲーム事業部は固定席、ネットテレビ事業部はフリーアドレスで変化を

ソーシャルゲーム「プチプチアイランド」の大ヒットを機に、ハルたちはネットテレビ事業にも進出。ハルとガクで立ち上げた会社でしたが、従業員が何十倍にも大きくなりました。それに伴い、トリリオンゲーム社のオフィスもガラッと変化。第7話序盤、ゲーム事業部はひとつ上のフロアに引っ越しをし、ネットテレビ事業部が入りました。

同じ空間のまま、ゲーム事業部のときとの違いを出すために、ネットテレビ事業部では固定デスクからフリーアドレスになりました。固定デスクに置かれていた大量の資料やデスクトップ型のパソコンから、持ち運びできるノートパソコン中心のデスク周りに。また壁面に何台かテレビをはめ込むなどして雰囲気を変えています。

小道具チームの遊び心が爆発したのが、ソシャゲ編のセットに置かれていたグッズたち。特にゲーム会社「SAKUSAKULAB」から持ち込まれたアクリルスタンドやポップなどに描かれているキャラクターは、小道具チームの皆さん自身がモチーフになっています。大阪出身の子のキャラクターにたこ焼きを持たせたり、ラグビー好きの人は顔がラグビーボールになっていたり、カラオケ好きの人はマイクを持っていたり…。トリリオンゲーム社に入ってすぐ右側にある壁面の棚に置いています。
ちなみに第1話でハルが2人で10万円ずつ出し合った軍資金で購入したパソコンチェアも、ガクの部屋からトリリオンゲーム社に持ち込まれています。

舞台がネットテレビ事業部に変わってからは、トリリオンＴＶのポスターやキャラクターボードを置き、変化をつけています。このキャラクターは、ソシャゲ編のグッズと同じく、キャラデザインが得意なスタッフに、トリリオンのイメージに合う可愛いキャラクターをデザインしてほしいと依頼。ボードなどの平面なものだけでなく、立体物も作成してもらったところ、さまざまなシーンに登場することに。キャラクターにはそれぞれ、トリリマン（ネクタイをつけている子）とティビー（キャップをかぶっている子）、みるニャ（テレビの形をした子）と名前がついています。可愛いやつらです！

雨宮氏曰く、「大衆的でシンプル。俳優さんたちのお芝居が引き立つよう、LEDパネル以外には色味をおさえて、見やすさを心がけています」というトリリオンゲーム社のオフィス。おかげで、実在する企業の会議室などで撮影しているほかのシーンとも、しっかりなじんでいる。「結果的に成功しているということですが、知人から“どのシーンがセットなの？”と聞かれたときは複雑な気持ちになりました（笑）」
トリリオンゲーム社の挑戦はいよいよ佳境！　このオフィスでどんなストーリーが繰り広げられるのか、お楽しみに！