TBSでは毎週日曜よる9時から日曜劇場『VIVANT』を放送中。堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李、役所広司ら豪華俳優陣が集結した、限界突破のアドベンチャードラマだ。
第6話のラストでは、乃木(堺雅人)や黒須(松坂桃李)以外の別班員たちが顔を揃えた。今回は、そのメンバーの一人を演じる珠城りょうに役作りや撮影秘話などを聞いた。
堺さんは素晴らしい方

――『VIVANT』への出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。
前回の『マイファミリー』に続き、また日曜劇場に出演させていただけるということを、とても嬉しく思いました。7月期で豪華な俳優さんたちの出演する大きなプロジェクトがあるということは噂で耳にしていたのですが、まさかそこに自分が関われるとは思ってもいませんでした。貴重な機会をいただけたことに、とても感謝しています。

――役を演じるにあたり、意識されたことはどんなところですか?
“別班”は自衛隊の精鋭部隊なので、まずはきちんと訓練されているように見えなくてはと思い自衛隊の訓練映像をネットで調べ、“10度の敬礼”などの所作を事前に勉強しました。
実際に動く別班員で、女性は私だけでしたので、他の方々にひけを取らないような動きが求められるのだろうと、あれこれイメージトレーニングしつつ、撮影に挑みました。

――撮影現場で印象に残っていることはありますか?
現場には自衛隊の動きを指導する専門家の方もいらっしゃって、敬礼、立ち方から足の揃え方まで、すべて教えてくださったので、とにかくそれを何度も練習しました。
第6話の最後に別班員が集まるシーンでは、福澤(克雄)監督から、「スッと立つ動きにスピード感がほしい」と要望をいただいたので、撮影の合間に立つ練習と敬礼の練習をずっと1人でやっていました(笑)。
撮影では、乃木さんの空気を感じつつ、みんなで動きを合わせるというのを意識しました。顔の角度、どのタイミングで司令の櫻井さん(キムラ緑子)を見るのか、立ち上がるタイミング、座るタイミングなどを合間に相談しながら撮影を進めていきましたね。
第7話の予告映像で私が銃を構えるシーンがありますが、モンゴルでも銃を持つ場面がありました。自衛隊の精鋭部隊という設定なので、銃を使い慣れているというリアルが伝わらなければならないし、男性の中に私が並んだときに、俊敏さに違和感が出ないようにしなければなりません。小道具で使用する銃も、思っていたよりも重量があって。ガンコーディネーターの方に構え方などを教わりながら、リハーサルと本番の間で猛練習しました。
モンゴル人のキャストの方々も皆さんで緊迫感を作ってくださっていて、現場の雰囲気がとにかくリアルでした。私が想像していたものとはまったく違う、現地ならではの感覚。あの土地独特の匂いや砂っぽさも、現地に行かなければ感じられないことだったので、とてもよい経験をさせていただきました。

――主演の堺雅人さんとはどんな話をされましたか?
堺さんはセリフも多くて誰よりも大変なはずなのですが、いつも周りに気を配っていらっしゃいました。撮影の合間に、「宝塚にいたんですよね?」「今はどういう舞台をされているんですか?」と私にまで気さくに話しかけてくださったので、一気に緊張がほぐれました。
また、細かいお芝居やセリフのトーン、舞台と映像のお芝居の違いなど、いろいろと相談に乗っていただき、私にだけではなく他のキャストの方とも積極的にコミュニケーションを取っていらして座長としてもなんて素晴らしい方なのだろうと感激しました。

――原作と演出を務めている福澤監督の印象をお聞かせください。
現場での福澤さんの振る舞いを見ていて、“俳優のことを育てよう”と、強く思ってくださっている方だという印象を受けました。映像作品の経験が少なかった私に、「最初はうまくいかないこともあると思うけど、慣れだと思うし舞台を基礎にやってる人は絶対に強いから、とにかくこの仕事を続けなさい」と、演じ方を含め、今後どういう役者になりたいのか、私には何が足りないのか、アドバイスをくださり、とても励みになりました。
今回、福澤さん含めスタッフさんや共演者の方々と密度濃くやっていけたらと思っていたので、監督が勉強の為に現場に見学に来ていいよと言ってくださって感謝しています。何度も足を運びましたし、そこでは実際に見ていないと感じられない空気がたくさんあり、舞台を作る過程と、映像を作る過程がこんなにも違うのだということを肌で感じられたので、本当に貴重な経験でした。

――毎週楽しみに観ている視聴者にメッセージをお願いします。
これだけのキャストの方々が熱を注いで、スタッフさんも沢山支えてくださって、そのチームの一員として撮影に参加できたことが本当に幸せでした。
私も毎週、楽しく拝見していますが、多くの方々が注目して、いろいろな考察をしてくださっているのを見ると改めて視聴者の皆さんに支えられていることを感じます。私の顔と名前も覚えていただけたら嬉しいです(笑)。
最終回に向けて、さらに目が離せない展開が待っていますので、引き続きいろいろな想像、考察をしながら『VIVANT』を楽しんでいただけたらと思います。
■番組概要
[タイトル]
日曜劇場『VIVANT』
[放送日時]
毎週日曜よる9:00~9:54