堺雅人、阿部寛、二階堂ふみも驚愕!『VIVANT』の世界観を支える美術セット

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TBSで毎週日曜よる9時から放送中の日曜劇場『VIVANT』。堺雅人阿部寛二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李、役所広司ら豪華俳優陣が集結した、限界突破のアドベンチャードラマだ。

今回はそんな壮大な世界観を支え、土台ともいうべき役目を担っている美術セットをクローズアップし、美術プロデューサーのやすもとたかのぶ氏、美術デザインの串岡良太郎氏にセットにまつわる制作秘話などを聞いた。

日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側

――最初に台本を読んだ時どのような印象を持ちましたか?

やすもと:普通のドラマでは考えられないような壮大なシーンばかりで、「これはどうやって撮影するんだろう?」と久々に緊張しました。ただ、ストーリーがとても面白かったので、視聴者の皆さんにも絶対に楽しんでもらえる作品になるという確信がありました。

串岡:打ち合せで福澤克雄監督から「地下トンネルや洞窟をセットにしてほしい」とオーダーがあり、どう作ろうか必死に考えました。監督が「これからのドラマ作りで重要なのは美術セットだ」とおっしゃっていたので、実際の場所で撮影したと思わせるようなセットを目指しました。

日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側

恐竜の谷

――セットを造る際に苦労したのはどんなところですか?

串岡:第2話で薫(二階堂ふみ)がジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)を看病した南ゴビの土地「恐竜の谷」も実はセットで、特に素材選びが大変でした。実際に現地(南ゴビ)を訪ね、日本のような岩でなく砂地形だという発見があり、かつあの土地独特の赤色を出すにはどうしたらいいか悩んでいたときに、野球場で使われるアンツーカー(レンガ色の人工土)を思いついたんです。野球好きが功を奏しました(笑)。
また、このセットの内装には発泡スチロールを多く使っているのですが、加工した後にどうしても表面に発泡スチロール独特の粒と、直線的な部分が残ってしまいます。なので、粒を1つ1つ潰すのと直線をなくす作業をしなければならず、トータルで1ヶ月半ほど費やしました。
削った後は、塗装をし、アンツーカーを発泡スチロールに付着させる作業がありました。接着しづらい素材同士なので苦労しましたが、接着剤をスプレーのように吹きかけて、1つ1つ手作業で付着させました。

やすもと:今回、他のドラマと違うのはセットの数ですね。通常の番組は、メインセットが3つほどで、他はロケなのですが、『VIVANT』はセットが50以上必要だったんです。
従来ですとスケジュール担当から、「この日にスタジオでこのセットを」という流れなのですが、今回は我々から「このセットの順番でこういう撮影スケジュールにしてください」とお願いしました。というのも、1つのセットのパーツや骨組み、壁、柱を複数のセットに流用しているからなんです。大きなセットから撮影を初めて、1話から10話まで一気に撮る。撮り終えたらそのパーツを利用しながら段々小さいセットに作り変えていっています。50以上というのは、延べ数です。例えば公安のオフィスはデータセンターに流用したりしています。それだけセットの構築には厳密な段取りが必要でした。

串岡:今回はとにかく段取り命でした。全体の流れを計算しながら、協力していただく会社の皆さんに指示を出さなければならず、3ヶ月先を見越した、遅れが許されないスケジュール立ては、かなり緊張感がありましたね。

日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側

ジャミーンの家

――こだわったセットを挙げるなら?

串岡:僕はジャミーンの家ですね。モンゴルは手で塗ったようなコンクリートの施工に特徴があるので、それを活かせるように現地の美術さんに質問しつつ、モンゴルの建築を研究しました。ジャミーンの家もコンクリート造りなので、表面を削って、窓際や柱に波打つような表現をしています。また内装に関しても取材をもとに柄ものを多くしたり、壁にカーペットを配置するなど、日本に見えない工夫をしています。

日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側

地下トンネル

――キャストの皆さんはセットを見てどのような反応をされていましたか?

やすもと:ハリボテのセットではなく本物の素材で作り込んだので、あたかも本当に地下にいるかのような雰囲気に皆さん驚かれていましたね(笑)。

串岡:第2話で堺さん演じる乃木たちが逃げる地下トンネルはセットなのですが、とても驚かれていました。堺さん、二階堂さんに褒めていただきました。

日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側

モスク

――その他のセットについてもこだわった点を教えてください。

串岡:第1話で乃木たちが逃げ込んだモスク(イスラム教の礼拝堂)は、セットにすべく昨年末に現地へ取材に行きました。ただ現地のモスク内は写真撮影が禁止と言われたので、目に焼きつけつつ、必死にスケッチしました。その記憶とスケッチをもとにデザインしています。
そのモスクのセットも、実は3回も内装を変えて流用しているんです。最初のモスクを見た監督から「あのシーンもモスクにしよう」というオーダーがあり、当初倉庫やカフェの設定だったシーンがモスクでの撮影に変更され、その都度内装を変えて造りました。

日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側日曜劇場『VIVANT』美術セットの裏側

――作品の中で注目してほしいポイントは?

やすもと:第1話で薫が勤める病院の中は、モンゴルでの撮影が困難なため、茨城の筑西にある閉鎖した病院をフロアごとバルカの病院に飾り変えました。階段付近の壁画は、芸大の学生さんが3日間泊まり込みで描いてもらったものです。モンゴル監修の先生にも「本当にモンゴルの病院みたい」とお墨付きをいただきました。
今回多くのセットを作り、各話の随所に散りばめられていますが、ロケとセットのつなぎが違和感なく物語に溶け込んで、視聴者の方が後になって「あれセットだったの?」と驚いてくれたら嬉しいですね。

『VIVANT』の世界観を支える美術セットは、数多くのスタッフたちの思いが詰まっている。
また少し違った視点でドラマを観るのも、また違ったドラマの楽しみ方だ。

■番組概要
[タイトル]
日曜劇場『VIVANT』
[放送日時]
毎週日曜よる9:00~9:54
※第5話は69分SP

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