目黒蓮演じるハルの名シーンが生まれた場所『トリリオンゲーム』セット大解剖

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TBSでは、毎週金曜よる10時から、目黒蓮主演の金曜ドラマ『トリリオンゲーム』を放送中。“世界一のワガママ男”のハル(目黒蓮)と“気弱なパソコンオタク”のガク(佐野勇斗)という正反対の2人がゼロから起業し成り上がっていく、前代未聞のノンストップ・エンターテインメントだ。

今回は、トリリオンゲーム社の原点でもあるガクの部屋にフォーカス。第4話で高層ビルのオフィスに引っ越すまで、トリリオンゲーム社としても使われていた部屋だ。原作をリスペクトしながらもドラマオリジナルの空間を考えたという、デザイナーの雨宮里美氏に話を聞いた。

ロケ地の外観をヒントに、廊下や部屋、ベランダをデザイン

ガクが住むアパートの外観は、実際のアパートをお借りして撮影。経年劣化した白壁がすごくよかったので、この雰囲気を美術セットのデザインにも取り込みました。ちなみに第2話でリンリン(福本莉子)がガクのアパートに訪れた際、アパートを見上げているカットや外階段を上がるカットはロケ地で、直角に曲がり中廊下を歩くシーンや玄関でインターフォンを押すシーンはセットで、それぞれ撮影。大道具さんたちが、中廊下の壁が、アパートの外壁と同じように経年劣化して見えるような“汚し”をかけてくれたおかげで、ロケ地とセットの境目に違和感のないシーンとなったのだと思います。
部屋自体はコンパクトな1LDK。“パソコンオタク”というガクらしく、パソコンを置いたデスクとベッド、趣味のパソコン関連のもの以外にはほぼ物がありません。ガクの性格を考えても、インテリアや家具を多くそろえるタイプではないだろうと想像し、ごちゃごちゃした空間というよりも、暮らしやすさや居心地のよさを重視した空間になるように、コーディネートしました。
今回、原作のガクの部屋を忠実に再現したいと思ってデザインしましたが、いくつかあえて変更している点もあります。たとえば床。原作の部屋は畳ですが、セットはフローリング&バリアフリーにしています。というのも、第1話でハルが玄関からベランダまで、ガクのために購入した20万円のパソコンチェアに乗って滑るという原作でも印象的なシーンが描かれることが決まっていたからです。安全性と滑りやすさを重視して、変更しました。そしてこのチェアは、新オフィスのガクのデスクにも置かれています。ぜひ確認してみてください。

さまざまな角度から撮影できるよう、窓の外側までこだわりを

ガクの部屋は、大きな窓ガラスとベランダがあるのも特徴。ベランダの外にLEDパネルを設置し、そのシーンの時間帯に合わせた映像を映すことで、カーテンを閉めたり映像をぼかしたりしなくても、自然な映像をつくりだすことに成功しています。とくに夕暮れや夜のシーンでは、フローリングや窓ガラスに反射した映像は、従来の連続ドラマではなかなか表現しきれなかった部分。ぜひそんな部分にも注目してドラマを楽しんでいただけたらと思います。
さらに、ベランダ方向から撮影したときには、キッチンや玄関も含めた部屋全体を見渡せるようにデザインしました。第2話でハルがキッチンでチャーハンをつくる姿を、リビングで話をしているガクとリンリンが見つめる…というという構図の映像は、まさに撮影してもらいたいなと思っていた映像でした。

『トリリオンゲーム』セット大解剖『トリリオンゲーム』セット大解剖

随所にちりばめられた、原作をリスペクトしたアイテムやインテリア

劇中に登場する小物は、原作の漫画と似たデザインのアイテムがちらほら。
たとえば、第1話でハルが部屋に来る直前、ガクがテーブル代わりに使おうと触っていた段ボール。これは漫画と同じ“信州みかん”のダンボールを、小道具さんがつくってくれました。またガクが“100均で買った”とつぶやいたり、第4話でリンリンが抱きしめたりしていた星柄の座布団も小道具さんの手づくり。これも漫画を読みこんだ小道具さんが、漫画に出てくる座布団と同じように星モチーフを配置してくれたんです。
また漫画でも登場する、ハルがチャーハンをつくる場面に登場する使い込まれた中華鍋。ドラマでも、ガクの部屋のシンプルなキッチンには不釣り合いな、大きな中華鍋を使って料理をしていますが、実はこの中華鍋は、ハルがガクの部屋に持参したという設定です。だからハルは、手慣れた様子で調理をしているんですね。

『トリリオンゲーム』セット大解剖『トリリオンゲーム』セット大解剖

このように原作での表現を再現するため、スタッフとキャストは試行錯誤しながら撮影をしている。漫画と照らしあわせていくと、ドラマをよりいっそう楽しめそうだ。

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