経済産業省が管轄する「産業技術総合研究所(=産総研)」は、さまざまな新技術を考えている“国の研究機関”。今回はそんな産総研の、驚きの技術に注目します。
① 木材をプラスチックのようにする?
開発した技術の一つ「木質流動成形」は、木材を柔らかくして溶かしてドロドロにする技術。
たとえばヒノキの木片2つに、“木材をドロドロにするノリ”を染み込ませ、プレス機にセットして押しつぶすと「おちょこ」を作りだすことができます。

できあがったものは表面がスベスベで固く、まるでプラスチックのよう。
これができるポイントが、“木材をドロドロにするノリ”。これを染み込ませるだけで一定以上の高温高圧にしたとき、木の細胞が滑って動くといいます。

それによって型に合わせて木を変形させた後、温度を上げてノリを固めるそうです。
この技術は、家電や車の内装など、さまざまな製品に使われているプラスチックの代替えとして期待されているとのこと。

また、木質流動成形した木材は、プラスチックよりも熱で溶けにくいというメリットもあるので、実用化されることで多くの活用方法が見込まれています。
② 300℃でも触れるレンガ?
産総研では、300℃に加熱しても素手で触れる特殊なレンガも開発しています。実際に通常のレンガと比較をしてみると、その差は一目瞭然です。

話によれば、開発したレンガは90%を超える断熱性を持っているとのこと。
焼却炉やピザ窯など、高温で焼いたり溶かしたりする場所では欠かせないレンガですが、産総研のものを使うことで、少ない燃料でも高温にすることができるそうです。

なんと、約40%燃費が良くなるというデータも出ているとか。
それを実現できる理由が、レンガの中の9割が空気でできているから。実は空気の熱伝導率は、自然界の中でも、特に低いものの一つだといいます。

製作にあたっては、産総研が特許を保有する「ゲル化凍結法」という独特の方法で行っているそう。
こうした技術が、私たちの生活の中で頻繁に見られるようになる日が楽しみですね。
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