ナゼ?おびただしい手形が残された、「世界遺産の洞窟」とは

TBS Topics


無数の手を残した人々とは

アルゼンチン・パタゴニア地方にある世界遺産「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」には、おびただしい数の手の壁画が残されています。

「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」に残る、おびただしい数の手の壁画「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」に残る、おびただしい数の手の壁画

こちらにはなんと、9000年以上前に描かれたものもあり、その殆どが左手ばかりだそう。

手形は現在858ほどの数が見つかっており(※2023年6月放送時)、その中には6本指のものも存在しています。

手形は現在858ほどの数が見つかっており、その中には6本指のものも手形は現在858ほどの数が見つかっており、その中には6本指のものも

壁画を描いたのは、“テウェルチェ”といわれる先住民たち。これらが洞窟に多い理由として『強い風や雨を避けることのできる洞窟は、彼らにとって特別な場所だったから』と考えられています。

世界遺産「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」の渓谷近くには、こうした洞窟壁画がいくつも点在しており、合わせると2000以上の手形が残っているそう。

世界遺産「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」の渓谷近くには、こうした洞窟壁画がいくつも点在している世界遺産「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」の渓谷近くには、こうした洞窟壁画がいくつも点在している

これについては、壁画を描いたテウェルチェたちが狩猟採集民だったことに関係があります。狩猟や採集のため、グループごとに移動生活を行った際、滞在した洞窟に手形を描いていたと考えられています。

なぜ作られたか、真相は未だ分からず…

世界遺産「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」に残る手形ですが、その描き方も独特です。

色のついた土や動物の脂から絵具を作ったあと、それらを口に含み、動物の骨をストローのようにして吹き付けることで、手形を描いていたといいます。

動物の骨をストローのようにして吹き付けることで、手形を描いていた動物の骨をストローのようにして吹き付けることで、手形を描いていた

この時、右手に動物の骨を持つことが多かったため、左手の壁画が多くなったのでは?と考えられているとか。

ちなみに洞窟には手形以外にも、動物や、狩りの様子などの壁画が残されています。

手形以外にも、動物や、狩りの様子などの壁画が手形以外にも、動物や、狩りの様子などの壁画が

手形をはじめとした壁画たちが何故描かれたのかは、19世紀に侵略者たちによってテウェルチェたちが虐殺されてしまったこともあって、その真相は分かっていません。

そんな壁画が残る「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」は、『今は失われた人々の文化の証』として、1999年 世界遺産に登録されました。

「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」「リオ・ピントゥラスの手の洞窟」

実は、この場所のほかにも、世界中で手の壁画は発見されています。調べてみたとき、もしかしたらあらたな発見があるかもしれませんね。

TBSで毎週日曜よる6時から放送中の『世界遺産』では、このほかにも世界に登録されている文化遺産、自然遺産などの貴重な映像が見られます。

世界遺産

日曜よる6:00~

 

PICK UP