空白の地層から導き出された、“地球が凍った”仮説
アメリカの世界遺産「グランドキャニオン国立公園」では、約20億年分の積み重なった地層を見ることができるといいます。しかしこの地層ですが、“謎の10億年分の空白がある”そうです。

実はこの空白、地球上のさまざまな地層から見つかっているとのこと。
その原因について、近年唱えられているのが、地球全体が凍る「スノーボールアース」です。

この仮説は、“およそ7億円年前、氷が地球全体を完全に覆った”…というもの。
当時グランドキャニオンは、海から隆起して地上にあったとされています。そのため、スノーボールアースでできた氷河が大地を削り、10億年分の地層が消失。

その後、グランドキャニオンは再び海に沈み、海底で新たな地層が堆積したのち、また隆起をした…と考えられています。
地層の空白の謎については、未だ解明されておらず、現在も検証が続いているそうです。
歴史や進化を知るヒントが地層に
グランドキャニオンの断崖には、地球の歴史や生物の進化を知るヒントがあります。
たとえば近年では、3億年前頃の地層から初期の爬虫類の足跡が見つかっています。これは当時のグランドキャニオン一帯が砂丘だったとき、爬虫類がナナメに登った跡だといいます。

この発見によって、初期の爬虫類の出現は、従来の定説より800万年ほど早いことが判明しました。
そのほか、さまざまな年代の地層から、海の中にあった時代が存在していたことなども分かっています。

そんな「グランドキャニオン国立公園」ですが、『約20億年の地球史が残る』といった理由から、1979年 世界遺産に登録されました。
今後、調査や検証が進むにつれて、地球の歴史の新たな真実が明らかになる日が来るかもしれませんね。
TBSで毎週日曜よる6時から放送中の『世界遺産』では、このほかにも世界に登録されている文化遺産、自然遺産などの貴重な映像が見られます。
世界遺産
日曜よる6:00~