日向亘&片岡凜インタビュー「変化していく2人の距離感に注目してほしい」『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』

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TBSで放送中の金曜ドラマ『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(毎週金曜よる10時)。同じ電車の一両に乗り合わせた見ず知らずの乗客たちが、未来の荒廃した世界へワープし、生き抜くためにサバイバル生活を繰り広げる予測不能のヒューマンエンターテインメントだ。

今回は主人公・萱島直哉(山田裕貴)らとともにペンディングされた世界で共同生活を送る高校生カップル、江口和真役の日向亘、佐藤小春役の片岡凜に見どころや現場秘話を聞いた。

『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』日向亘と片岡凜インタビューペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』日向亘と片岡凜インタビュー

お互いを補いながら生きる和真と小春

――ドラマ放送後、周囲からの反響はいかがですか?

日向:すごくあります。リアルタイムで観てくれている友達も多く、放送後にすぐ感想をくれる人もいます(笑)。自分が意識した演技が、視聴者の方々にうまく伝わっていると、すごくうれしいですね。皆さんからいただく感想を毎週楽しみにしています。

片岡:家族や知り合い、たくさんの方々が観てくれていて、「感動した!」という感想をもらいました。ものすごくエネルギーを持った作品に出演しているということを実感しています。

――演じるにあたってどんなところを意識していますか?

日向:和真は大人を軽蔑しているキャラクター。周りとの年齢差もあって、溶け込むのが難しかった中で、直哉の気遣いに触れて、だんだんみんなに心を開いていきます。その様子が単に「反抗期の子ども」とは見えたくなかったので、「大人を毛嫌いしている明確な理由があってこういう態度をとっている」ということを意識しました。和真の成長が皆さんに伝わっていたらうれしいです。

片岡:小春は信用している人以外は受け入れない性格に見えますが、実はすごく優しくて愛嬌のある女の子です。過酷な世界にペンディングされて、小春なりにこの人たちと生きていくしかないと受け入れ、だんだん明るさや優しさを周りへ向けていきます。誰にも打ち明けられないまま、小春の中の不安要素がどんどん大きくなってしまうので、それが限界を迎えるときの演技にも注目していただきたいです。

日向:また僕たちはカップル役なので、「和真が気を許せるのは小春だけ」という部分も大切に演じています。そんな彼の信条を表現するため、たとえ小さな出来事でも何かあった直後は、小春を意識するように、2人で話し合いながらお芝居をつくっています。

片岡: そうですね。お互いのキャラクターを認識したうえで、どう尊重していくか意識しながら演じています。小春が不安そうな場面では、あえて和真に寄り添うよう演じることを意識しています。たとえば1話で、5号車に戻る途中に和真が拾った缶を「なんだろう?」と見入る場面があるんですが、ここで頑張っていこうと決めた2人の団結力を見せられたらと、意識的に小春と和真の距離を近くしてみました。

日向:監督とも「和真は率先して大人を嫌うキャラ、小春は和真の意思を尊重するキャラ」というお話をしました。小春の方が大人に馴染みやすい性格をしていますが、和真の決断力には頼っている、といったように、お互いがお互いを補いながら生きているという部分を意識して演じています。

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――主演の山田裕貴さんと共演された感想をお聞かせください。

日向:第1話で和真と小春が大人に物申すシーンがあったんですが、撮影で山田さんから「和真がクールなのは前半で描けているから、後半は感情的になってもいいんじゃないかな」とアドバイスをいただきました。僕も迷いながら演じていたのですが、普段クールな人間が急に感情を露わにしたら、余計に響くだろうなと思いました。僕自身、山田さんの人間味のあるお芝居がとても好きなので、日々、間近でお芝居を見て勉強になっています。セリフのひと言ひと言が直哉の本心のように聞こえるんです。

片岡:私も山田さんのお芝居を見るたび、内から出る熱いものを感じます。表面には見えないけど、直哉の強さと脆さがあって……。山田さんのお芝居からは、いろいろなものを想像させられるので、学ぶことが多いです。また、山田さんをはじめ、先輩キャストの皆さんが、疑問に思ったことを積極的に監督に相談している姿を現場で多く見かけます。皆さんのやり取りを見て、演じるキャラクターというのは、自分だけで考えるのではなく、周りの方と意見交換をしながら構築していくことがいかに大切かを感じています。

――ドラマの中とはいえ非日常を体験してみていかがですか?

日向:ブルーシートで雨水をためて洗濯するなど、日常の物を使って非日常をしているサバイバルは楽しいですね。自分でも「これを使ってこうしてみようかな」と、自然に頭の中で考えていました。

片岡:撮影を通して、自然の壮大さに改めて驚かされました。「もし自分の家族が本当にここにいたらどうなるんだろう、その時はどうやって動くだろう」と想像しました。貴重な体験をさせていただいています。

――最後に、本作、そして第7話の見どころを教えてください。

日向:携帯電話があって、トイレがあって、ご飯が食べられて、水が飲めて、そういう状況がいかに幸せかということを実感していましたが、撮影の終わりが見えてきた今、ふと「自然っていいな」とも感じています。人間にとって、本当に大切なものを学べる作品です。第6話では、6号車の人たちと誤解もありつつ、ぶつかりました。それを機に5号車の人たちとの関係性、チームワークがより一層強くなったと思います。第7話では、ペンディングされる前の和真と小春の話も出てくるので、楽しみにしていただけたらと思います。

片岡:作品全体を通して「生きることのすごさ」を感じています。現代はSNSがあって周囲の目もあるせいか、「生きていることのありがたみ」をつい忘れてしまいがちです。そういう雑音がなく、大自然に人間がポツンといる環境で、いかに生きていることがすごいことか。どれだけ生きていることが素晴らしいのかというのを改めて感じられる作品だと思っています。第7話は、ターニングポイントとなる回です。小春と和真の関係性も変わってくるので、そうしたところも注目していただきたいです。

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■番組概要
[タイトル]
金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』
[放送日時]
毎週金曜よる10時~10時54分

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