TBSでは、毎週火曜よる10時から橋本環奈主演の火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』を放送中。原作はわたなべ志穂による同名漫画で、大好きな家族を守るべく結婚を選んだ“ド貧乏シンデレラ” 羽田綾華（橋本）と、業績不振の結婚式場を立て直すため、好きでもない女との結婚を選んだ“ツンデレ御曹司”の新田東郷（山田涼介）が繰り広げる胸キュンラブコメディだ。

今回は綾華の高校の同級生であり、初恋の相手である神山絢斗を演じる坂東龍汰に話を聞いた。

火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』坂東龍汰インタビュー

橋本さん、山田さんの胸を借りてお芝居をしていけたら

――坂東さんが演じる神山は、回を追うごとに印象が変わっています。

神山は海外でプロジェクションマッピングのプログラミングを学び、その技術を生かして綾華と東郷が働く「ラ・ブランシュ」にも出入りしています。第４話中盤までは、「ラ・ブランシュ」のウエディングプランナーの女性たちからも「彼女がいるかどうか賭けよう」なんて言われるくらい、神山＝好青年イメージを持たれていました。
でも、いろいろと闇を抱えていることが少しずつ浮彫りになってきました（笑）。第4話の最後で、高校時代に綾華と一緒に写った写真を捨てたときの神山は、怖かったですよね。このあたりから、“この人は好青年なのか違うのか、どっちなんだ”みたいな印象を、皆さんに与えられたと思います。
今後、神山が抱える苦悩がひも解かれていくシーンもあるので、彼の裏の部分も見せていけたらなと思っています。そのとき、単なる嫌な奴には見えないように、彼の苦悩を共感してもらえるように、心がけて演じていきたいなと思っています。

――神山を演じるうえでこだわっている部分は？ 

このドラマにおいて、神山にどんな役回りがあるのか、視聴者の方にどう見えるべきなのか、ということは常に考えながら演じています。
綾華の高校時代の同級生で、お互いが初恋の相手。再会して仲良く話している姿を見た夫が、2人の関係を気にしている――。綾華と東郷の2人の関係を邪魔する“当て馬”としての役割を果たせるのか。僕自身、今まで、ここまで恋のライバル役を演じたことがないので、新しい挑戦だと思っています。しかもその相手が、山田涼介さん演じる東郷という強敵。王者の風格を持つ“キング”に、どう食らいついていけるのかは、僕の中で大きな戦いです。

――第5話のラストで東郷の母・静（松嶋菜々子）と対峙して以降、神山の動きが大きく変化します。

どのシーンも、神山の気持ちに寄り添って演じていけたらと考えています。神山がハチャメチャな人物になってしまわないように、このシーンでの神山は何を感じているのか、綾華に対しての思い、東郷に対しての思い、そして静とのことなど、しっかり区別して、シーンごとに心情をつくることを心がけています。第１話から5話くらいまでは同じ感情で演じられたのですが、第6話以降は監督と毎シーンのように「ここはこういう気持ちですよね」と確認をしながら演じています。
僕なりにしっかり練ってからお芝居をしていますが、ドラマの撮影はシーンごとにバラバラに行われているので、ドラマとして１本に繋がったときに、どう神山が映っているのかがまだ想像できません。映画館という空間で楽しむ映画と違って、テレビドラマは、“ながら見”をしている方も多いはず。それでも、視聴者の方に気にしていただけるようなおもしろいお芝居をして、皆さんを画面に惹きつけられたらと思っています。

火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』坂東龍汰インタビュー

――主演の橋本環奈さんとは共演回数が多いですが、初恋相手役に決まったときはいかがでしたか？ 

橋本さんとは以前からいろいろな作品で共演している俳優仲間。相手役は気恥ずかしかったですね（笑）。
実際の年齢は、橋本さんより僕の方が上ですが、芸歴は橋本さんのほうが長くて。しかも、しっかりした性格で引っ張ってくれる姉御肌タイプの方。でも今回は、神山が綾華をリードするシーンが多いので、力関係が逆転していて（笑）、すごく新鮮な気持ちです。でも、橋本さんのお芝居に助けられながら演じている部分が多いですね。

――初共演の山田涼介さんはいかがでしょう？

クランクイン前、山田さんと共演したことがある知り合いの俳優に「どんな方なの？」と聞いたら、みんな口をそろえて「素晴らしい人だよ」と言われていました。なので、お芝居をご一緒する前から、すごく楽しみにしていたんです。
実際も本当にその通りの方で、食事に行くなどとても良くしてもらっています。山田さんを一言でいうと、「本当にいい人」。僕のプライベートで起きた他愛もない話から現場の話、そしてお芝居の話までたくさん聞いてくれるし、いろいろな話をしてくれます。山田さんと意見交換をする時間はとても楽しいです。
橋本さん、山田さん、お2人の胸を借りる気持ちで、僕はのびのびと最後までお芝居をしていけたらと思っています。

火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』坂東龍汰インタビュー

――ドラマもいよいよ中盤です。神山としての今後の見どころを教えてください。

第5話で綾華と2人で会っていた神山。カップルの多い場所に、黙って2人きりで行っていたことから、東郷を心配させます。そして静の指示で綾華に近づいていたことも判明しました。ここから神山は、さらに２人の関係をかき乱す存在になっていくはず。もしかしたら視聴者の方たちにも嫌われていくかもしれません（苦笑）。
でもそこには、神山なりの理由や正義、思いがあることは知っていてほしいです。果たして、神山は何を背負っているのか、そんな部分も楽しみに見ていただけたらと思います。
そして今まで以上に人間味をもって神山を演じていくことで、単に綾華と東郷を引き離そうとする嫌な奴ではなく、「神山くんの気持ちも分かるな」と視聴者の皆さんに感じてもらえるキャラクターにしていきたいです。かなり気合を入れて演じていますので、ぜひ第6話以降も楽しみにご覧ください。