1923年創業の「渡辺金属工業(株)」は、金属の水汲みバケツを作る会社。一時期は、大量生産ができて値段も安いプラスチックバケツが出てきたことで、廃業のピンチを迎えていました。
しかし。2つのキッカケによって、その危機を脱することに成功したといいます。今回は、そのヒミツを紐解いていきたいと思います。
廃業のピンチを脱出した2つのキッカケとは
キッカケ① アメリカの映画がヒントに?
あるとき、3代目社長の奥様はアメリカの映画を見ていて、トタンのゴミ箱が目についたそう。そこから、バケツを水汲みではなく、オシャレでカワイイ入れ物にすることを思いつき…

会社では、1983年に「オバケツ」を発売。ゴミ箱に使うことはもちろん、植木鉢のほか、クッション付きのフタをすればイスにもなるというスグレモノです。

これによって、1979年には年商約250万円(※当時)まで落ち込んでいた会社でしたが、オバケツのスマッシュヒットで廃業の危機を免れ、1997年には2億5000万円を超える売上げを叩き出します。
キッカケ② 再度の窮地を、“新たな提案”で脱出
オバケツ誕生から約30年後、「渡辺金属工業(株)」はまたもやピンチに追い込まれます。海外から安いオバケツの類似商品がたくさん日本に輸入されるようになったためです。
その窮地を救ったのが、4代目になる現在の社長です。展示会に出るなどした際、お客さんから「何に使えばいいか分からない」といった指摘を受け、“好きなように使ってもらうのではなく、しっかりとした機能をつけた商品”を作ることを考えます。

そうして生まれたのが「ライスストッカー」。プラスチック製のものとは違って、金属であるため密封性があり、温度・湿度の影響を受けにくいという特徴があるアイテムです。

そのほか、フタが二重になっていて防虫剤を入れられたり、お米を取りやすかったりと機能性もバツグン。お客さんからも「使い勝手がいい」と好評です。
爆発的なヒットをしたライスストッカーによって、2022年には年商約2億5000万円を叩き出したという「渡辺金属工業(株)」。今後もさまざまなトタンバケツを作りだし、さらに売上げを伸ばしていきそうです。
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