絶壁や高層ビルなど目もくらむ高所から華麗なジャンプを⾒せてくれたベースジャンパーの久保安宏さんが、2月20日放送の『クレイジージャーニー』(月曜よる9時)に6年ぶりに登場する。今回は娘の杏夏(あにか)さんと2人での出演。「あんちゃん」「やっちゃん」と呼び合う仲のいい父娘に話を聞いた。

※ベースジャンプは、BASE(ビル/Building、鉄塔/Antenna、橋/Span、崖/Earthといった⾼所)からパラシュートをつけて飛び降りる競技で、スカイダイビングよりも危険度がはるかに高い。久保安宏さんは日本における第⼀人者。
安宏さんは6年ぶりの出演ですが、収録を終えていかがですか?
安宏:楽しかったですね。娘と⼀緒に出演するなんて前回はまったく想像していませんでしたよ。僕はスカイスポーツの映像制作の仕事もしているので、そういう目線でも今回のVTRを楽しませてもらいました。
杏夏:緊張しましたが、父と⼀緒だったので安心感もありました。
VTRでお父さんを「やっちゃん」と呼んでいましたね?
杏夏:母もそうなんです。子どもの頃は何度も「パパ」にしようと思って、⼀度「パパ」って呼んでみたら、「何か欲しいモノでもあるの?」と言われたので「やっちゃん」呼びに戻しました(笑)。

今回は杏夏さんの「ベースジャンプ初挑戦」に番組が同行取材。安宏さんにとっては娘であり弟子でもある杏夏さんのジャンプ、どのような心境でしたか?
安宏:自分で飛ぶよりはるかに緊張しましたね。僕がこれまで何度も命拾いしてきたベースジャンプに、娘が挑戦する。娘は感性も何もかも僕とはやっぱり違うから不安でしたよ。心配だから飛ぶ時に口うるさく言いたくなるんだけど、それはこらえました。彼女もすごく考えてその場に立つので、僕が何かを言ったらいっぱいいっぱいにさせてしまうから。
杏夏:橋の上に立った時は本当に余裕がなかったですね。スタジオでVTRを見ながら緊張感が蘇りました。飛ぶ前に怖さを強く感じるタイミングは3段階あって、まず欄干を乗り越える時、乗り越えて⼀息ついてから橋に背中を向けて身を乗り出す時、そして飛ぶ覚悟を決める時です。

飛び続けると恐怖は減るものですか?
安宏:減りますね。そのためにはメンタルトレーニングがすごく大事で、それは飛ぶ数をこなして鍛えていくしかありません。その過程で「ああ、できるな」って自分でイメージできることが大事なんです。
杏夏:飛ぶ回数も大事ですが、それは⼀つの指標であって、一番は自分で準備ができているかどうかだと父から教えてもらいました。最近は、高い建物から外を見ると「あの辺に着地できそうだな」なんて自然に考えちゃうんですよ。
安宏さんがベースジャンプを始めた時は、日本のスカイスポーツ界はどんな状況でしたか?
安宏:今もベースジャンプ業界の人口はスカイダイビングに比べたら天と地の差で非常にスモールですが、僕が始めた32年前は日本にベースジャンプはありませんでした。スカイダイビングを始めたのが40年前で、その頃のスカイダイビングが今のベースジャンプぐらいの感覚ですね。当時はベースジャンプのコーチもいないから、海外のパイオニアたちと⼀緒にいろいろ挑戦してきました。事故が起きてしまうことも多く、もっと安全に楽しめるようにとパイオニアたちがスクールを作って教育システムを構築するようになりました。だから、自分自身の成長と共にベースジャンプの歴史もあるという感じです。

スカイダイビングやベースジャンプのパイオニアであるお⽗さんを、杏夏さんはどう感じているんですか?
杏夏:ジャンパーとして本当に本当に尊敬しています。自分にとってすごく大きくて、カッコイイ存在です。ただ、冗談ばかり言っているので、そこは娘としてしっかり突っ込みます(笑)。
安宏:親子で一緒の趣味を持つって楽しいですよ。共通の仲間も大勢いるから、あんちゃんと仲間の話をしていると、話が尽きないよね?
さまざまな高所から飛んできた安宏さんですが、今後飛びたい場所は?
安宏:以前、『クレイジージャーニー』でスイスの名峰アイガーのマッシュルームと呼ばれる崖から飛びましたが、そのうち挑戦してみたいのはアイガーの稜線です。 ベースジャンプでもヘリコプターでも稜線に沿って飛ぶのが今流行っているんです よ。2分以上は飛べるんじゃないかな。

今回の見どころなど、皆さんに一言お願いします。
安宏:うちの娘の決死の挑戦をぜひ! 愛とロマンの物語です!
杏夏:私は娘ですが、生意気な弟子だなとVTRを見て思いました(笑)。今回は本当にいろんな感情が入り混じりながらの、すごい挑戦の旅になりました。スタッフの方たちも大変な思いをした、この愛とロマンの物語を見ていただけたらうれしいです。
番組情報
クレイジージャーニー
毎週月曜よる9時から放送中