絶滅に瀕した“幻のオオヤマネコ”のイマ
スペインの世界遺産「ドニャーナ国立公園」には、“幻のオオヤマネコ”ともいわれる「スペインオオヤマネコ」が生息しています。
やや胴長の身体と、短めのしっぽを持つ動物で、大きいもので体長は1mほどになるそう。耳の上に立っている毛は、遠くのかすかな物音も聞き取る役割があります。

そんなスペインオオヤマネコですが、かつては狩りの獲物にされたことで、ドニャーナ国立公園では一時その数を40頭まで減らしたといいます。
現在は人々の手によって増やす試みが続けられており、たとえばドニャーナ国立公園に隣接した繁殖センターでは、これまでに128匹の子猫が誕生しました(※2023年1月放送時)。

ここで生まれた子猫たちは、一歳になると野に放たれるとのこと。
また、センターでは公園内に監視カメラを設置しており、常に生息数や生息環境のチェックもしています。

人々の地道な努力によって、ドニャーナ国立公園に生息するスペインオオヤマネコは今、94頭にまで数を増やしています(※2023年1月放送時)。
奇跡的に守られた大地だった
スペインオオヤマネコをはじめ、さまざまな野生動物が暮らす「ドニャーナ国立公園」ですが、“ヨーロッパ最後の野生動物の楽園”ともいわれています。

実はこの場所、昔はスペイン王家の狩猟場だったそうです。皮肉なことですが、狩場として維持するために王たちが富を注いだ結果、広大な自然が現代に残されたといいます。
その後、ドニャーナはスペイン最大の国立公園となり、動物たちは手厚い保護のもと、のびのびと暮らせるようになりました。

やがて「ドニャーナ国立公園」は、多様な自然と生態系が認められ、1994年に世界遺産に登録されました。
奇跡的に守られた大地で、稀有な命がつながっていきます。
TBSで毎週日曜よる6時から放送中の『世界遺産』では、このほかにも世界に登録されている文化遺産、自然遺産などの貴重な映像が見られます。
世界遺産
日曜よる6:00~