『100万回 言えばよかった』温もり溢れるセットのこだわりを紹介

公開: 更新: TBS Topics


TBSで放送中の井上真央主演、金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』。
互いに運命を感じた幼馴染の相馬悠依(井上真央)と鳥野直木(佐藤健)。だが、直木は不可解な事件に巻き込まれ、自分が死んだのか分からないまま魂となり現世をさまようことになってしまう。唯一直木の存在を認識できる刑事・魚住譲(松山ケンイチ)の手を借りながら、悠依に自分の言葉を伝える“切なくて温かい”オリジナルファンタジーラブストーリーだ。

本作の世界観を作り上げているのは、美術デザインを担当する安藤帆南氏。今回は、安藤氏のインタビューとともに、直木の部屋、洋食店「ハチドリ」、そして悠依と直木が出会った広田家のセットを紹介する。

キッチンスペースにこだわった直木の部屋

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直木を演じる佐藤がセットを見た瞬間、「オシャレ…直木ってこんなイメージだったんだ」と思わずつぶやいたという直木の部屋。横浜にある1LDKのマンションという設定で、料理人という職業柄、キッチン設備が充実した作りに。「キッチン周りは力を入れています。調味料なども把握できないくらいの種類の調味料を置いています。キッチンとリビングはひと続きになっていますが、直木の思い入れの違いが出るように作っています」という。

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ほかにも「キッチンフレームは業務用のものを使っています。直木はリノベーションされた中古マンションを購入しているのですが、リノベ前からあったであろうほうろうの吊り戸棚や、後付けした棚など、新旧入り混じった部分をしっかり見せられたらとこだわりました」とこだわりを教えてくれた。

また、直木の性格が分かる部分として「キッチンの横でハーブなど、食材に使えそうな物を育てています。その結果グリーンが点在する部屋になっているのですが、直木の持っている優しさがその辺から伝わったらいいなと。植物を愛でられる人は内に優しさを秘めているという、私の中の解釈です(笑)」と教えてくれた。

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ハチドリで出すメニューを自宅で考えることもあるという設定から、「アイデアボードがあり、直木はメニューのアイデアを自宅で考え、このボードにまとめているんです」と教えてくれた。「元々、台本のト書きに“殺風景な部屋”という描写があったんです。それもあって監督とプロデューサーから、雑多な感じにはしたくないというオーダーをいただきました。物自体はとても少ないのですが、直木が一つひとつちゃんと選んで買っているという裏設定を作って、ビンテージ物のユーズドでインテリアを揃えたのかなとか、想像を膨らませながらデザインしました」。

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悠依も訪れるこの部屋には、安藤氏のちょっとした遊びが入っているという。
「ブラインドやアイデアボードのところにハチドリがいるのですが、それは悠依が直木に内緒でコッソリ飾っているという裏設定を作っています。ちょこちょこいるので、ドラマを観ながら探してみてください(笑)」

子ども好きする雰囲気と個人経営店らしい仕上がりの鍵は“寄せ集め”!

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子ども食堂としての役割も兼ねている洋食屋「ハチドリ」は緑をキーカラーにした、木の温もり溢れるお店だ。「老舗の洋食店というよりは、開業5年目くらいのお店という設定がありました。監督からは、子どもが入れるような温かい色合いの店内にしたいという要望がありました」。

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カウンター越しに見えるオープンキッチン、ポップなアイテムが点在しながらも落ち着ける雰囲気が特徴だ。セットを作る上で一番苦労したのは、全体の色味だという。
「色味は非常に試行錯誤した部分です。明るすぎず暗すぎずを目指しました。中でもこだわったのは、テーブルや椅子など、木目の感じを全部微妙に変えたところです。全景を映すと少しガチャガチャした雰囲気になるのですが、個人経営のお店なので、物を寄せ集めて作った感を出したかったんです。テーブルや椅子などを全て統一してしまうと、どこかチェーン店っぽい印象が出てきてしまうので。直木がオーナーの池澤英介(荒川良々)と一緒に“子どもも入りやすいように”と内装業者にオーダーしたのではないかなと、想像を膨らませながら作り上げました」。

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さらに、気になるのが随所に散りばめられた色鮮やかなタイルだ。
「直木の部屋のキッチン部分にもタイルを入れているのですが、ハチドリはその比じゃないくらいのタイルを貼っています。柱一面や、カウンターのちょっとした隙間、梁のレンガ風に見える部分も凸凹のタイルを貼ってアクセントにしています」とタイルへの熱い思いを語ってくれた。直木がいなくなり、休業を余儀なくされてしまったハチドリが、今後どうなるかも気になるところだ。

悠依と直木の大事な思い出の場所は優しい記憶に溢れた仕上がりに

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最後に紹介するのは、悠依と直木が出会った広田家。20年前の回想シーンから現在に至るまで、物語の中で一番変化を見せるセットでもある。
「広田家は、外観が先に決まったので、内装はリフォーム建築という設定にしました。和風のものを改造しているので年季の入った部分も多いですが、そこに洋間の要素を取り入れることで温かさを演出しています。広田家は悠依と直木が里親の元で過ごした“優しい記憶”を紡ぐのに重要な場所になるので」。

インテリアなどは、基本的に広田美貴子(桜一花)の趣味をイメージしているという。「布系を多めに使い、実家っぽいイメージを意識しています」とのこと。

そして、どのセットにも共通して言えることがあるという。
「監督やプロデューサーから、どのセットにも“温かみ”をオーダーされました。なるべく木を使うことで、そういう雰囲気が出せたらいいなと思いデザインしています。さらに、直木の部屋は赤みの強い暗めのもの、ハチドリは明るい色味、広田家はその中間と、それぞれのセット毎に使う木の素材や色味を変え、既視感が出ないよう工夫しました」。
そんなセットの内に秘められた温もりを感じながら、ドラマの今後の展開にご期待いただきたい。

■番組概要
[タイトル]

金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』
[放送日時]
毎週金曜よる10時~10時54分

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