“消せるボールペン”の誕生を支えたのは、「メルちゃん人形」だった⁉️

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まわり道から生まれた大ヒット商品たち

文具メーカー「パイロットコーポレーション」の「フリクションボール」は、“こすると文字が消える”ことでおなじみのボ-ルペン。

「フリクションボール」は、“こすると文字が消える”ボ-ルペン「フリクションボール」は、“こすると文字が消える”ボ-ルペン

2006年の発売開始以降、こちらを含めた「フリクションシリーズ」は累計で約37億本もの数が売れており、とくに学校でボールペンを使うヨーロッパの学生たちへの需要があるそう。実際、売上の7割以上は海外だといいます。

いまや会社の稼ぎ頭と言っても過言ではないボールペンですが、その始まりは1975年までさかのぼります。実は当時すでに、社内の研究チームは“温度で色が変わるインク”の開発に成功していたそうですが…

1975年には色が変わるインクを開発していた1975年には色が変わるインクを開発していた

“色が変わる温度が不安定”という欠点があったため、ボールペンにすると温度差の大きい日本では使えないという判断に。しかし『この技術で商品ができる。何かできる商品を先に探そう』と考えたところ、おもちゃや人形に使ってみることになったそう。

その結果、1992年に誕生したのが、お湯の温度によって髪の色が変わる「メルちゃん人形」です。

お湯の温度によって髪の色が変わる「メルちゃん人形」お湯の温度によって髪の色が変わる「メルちゃん人形」

会社としては初めてのおもちゃ作りでしたが、お風呂で遊べるお人形として日本中の子どもたちに大ヒット。色が変わるインクの研究も続き、フリクションボールの開発にもつながったそうです。

2022年10月には新商品として“文字をこすると色が変わるペン”「ILMILY Color two color」も発売しており、手帳を汚さずキレイにTODOリストを書くことができることから、女性に好評とのことです。

“文字をこすると色が変わるペン”「ILMILY Color two color」“文字をこすると色が変わるペン”「ILMILY Color two color」

一度開発した技術を捨てず、まわり道をしたことで生まれた「メルちゃん人形」や「フリクションシリーズ」。パイロットコーポレーションの大ヒット商品たちにこのような裏側があったとは驚きですね。

TBSで毎週日曜日に放送されている『がっちりマンデー‼』では、このほかにもさまざまな企業や業界など経済に関する情報が紹介されています。

 

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