オリックス・バファローズで活躍するT-岡田選手をはじめ、1200人以上のOB・OGを輩出してきた大阪の少年野球団「山田西リトルウルフ」。創部以来51年指導にあたり、“おばちゃん”の愛称で慕われる棚原安子さん(82歳)に番組が密着しました(※2022年11月放送時)。
子どもを自立させる育成術
棚原さんは野球の技術だけでなく、将来を見据え、“自主性を重んじ、社会で生きる力を育むこと”を大切に指導にあたっています。
育成術① 体を動かす大切さを覚えてほしい
野球団では月に2度、近所の団地で資源ゴミを回収。得た金額で、交通費など活動資金の4分の1ほどをまかなっています。

今の子どもたちには金銭感覚がない、と感じているという棚原さん。
活動を通して金銭感覚を身に着け、「体を動かすことの大事さを覚えてほしい」という思いを持っているそうです。

子どもたちには目的を伝え、「ここで働くことを、感謝を込めて一生懸命やってほしい」と声をかけています。
育成術② 自分のことは、自分でやる
「家で何も用事していない子は、“誰かがやってくれるだろう”と自主性がなくなる」という考えから、日常生活において自分のことは自分で行うよう指導しています。
その一つが、汚れたユニフォームを洗うこと。先に泥を落としてから洗濯機で洗うというように、手順・手間の大切さを体感させるのが狙いです。

また、練習用の飲み物は子どもが用意。保護者によるお茶当番はありません。

さらに練習時間や場所は、子どもが棚原さんに直接電話をかけて確認します。棚原さんは毎週約50人の連絡に一人で対応し、電話のルールも伝えています。
子どもの成長には、大人の根気が大事
指導において、子どもたちには折に触れて“なぜしなくてはいけないのか、どうやったらいいか”を教え、“創意・工夫・発想”を持って取り組むよう伝えているという棚原さん。
「子どもは夢と希望を持てば、前に進みます。(それまでに)どれだけの根気を持って指導するかが大人の役目で一番大事」と強い信念で、子どもと向き合っています。

2022年9月には長年にわたる活動を称えられ、オリックス・バファローズの本拠地・京セラドーム大阪で始球式を任されました。

「(私と接することで)その子の心が豊かになっていかないと、私の生きている意味がない」と子どもたちの成長を願い、精力的な指導を続けています。
TBSで毎週土曜日に放送されている『バース・デイ』では、さまざまな“人生に刻まれた 忘れられない大切な一日”に注目し、紹介をしています。
バース・デイ
土曜ごご5:00~