TBSで放送中の平野紫耀主演の金曜ドラマ『クロサギ』。詐欺によって家族を失った主人公・黒崎高志郎(平野)が、「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」として家族の仇を探し出し、立ち向かう物語だ。
これまで父親の仇である、大物詐欺師・御木本(坂東彌十郎)を追ってきた黒崎。御木本を喰うことを目的としながら、様々な「詐欺師=シロサギ」を罠に嵌めてきた黒崎が、遂に御木本と直接対決を果たす。だが、御木本は「お前の仇は俺だけじゃない」と言い残し、命を断ってしまう。さらなる敵を探すため奮闘する黒崎の姿が描かれた『クロサギ』後半戦がスタートする前に、これまでの物語を振り返っていく。
普通の青年からクロサギへ…黒崎が抱える壮絶な過去
事件は、黒崎が高校生の頃に起こった。黒崎が帰宅すると、そこには包丁を手にした父親とその側で血塗れになって死んでいる母親と姉の姿が…。黒崎の父・浩司(前川泰之)は黒崎を切りつけて自分も後を追うように自殺。なんとか一命を取り留めた黒崎は、父親が凶行に及んだ原因が自分も一度だけ会ったことのある詐欺師・御木本の起こした「起業セミナー詐欺」にあると知る。御木本に復讐するため、黒崎はクロサギとして生きていく決意をする。
次々にシロサギを喰っていくクロサギ
黒崎は御木本に辿り着くため、桂木敏夫(三浦友和)からシロサギの情報を買っている。桂木は甘味処「かつら」を営む一方で、詐欺師業界のフィクサーという裏の顔を持っていた。ある日、桂木からシロサギ・春日(高橋光臣)の情報を買った黒崎。被害者の吉川辰樹(船越英一郎)に接触した黒崎は、春日の手口が「起業セミナー詐欺」であると知り、父の事件を思い出す。春日が御木本への突破口だと睨み、春日に罠を仕掛けるために動き出す。春日を追い詰め、御木本の情報を吐かせようとするが、あと一歩のところで御木本との繋がりは絶たれてしまう。
黒崎が「親爺」と呼ぶ桂木との関係とは…!?

黒崎は、春日の状況を御木本に流したのは桂木だと確信していた。桂木は“業界のルールを破るか自分に刃向かったシロサギ”しか黒崎には喰わせないと言い放つ。だが御木本がまだこの業界にいることが分かり、黒崎の復讐心はさらに燃え上がるのだった。
黒崎に情報を売る桂木だが、実は黒崎の仇でもある。御木本がやっていた起業セミナー詐欺の設計図を描いたのは、他でもない桂木自身だった。それを知った黒崎は過去に桂木を殺そうとしたこともあったが、やがて桂木から詐欺の教えを乞うようになる。
黒崎は桂木を“親爺”と呼び、一方の桂木は黒崎を“クロ”と呼ぶ。一見仲が良さそうに見える2人だが、黒崎は桂木から出される一切の飲食物に手を付けないし、桂木は黒崎の身辺調査は怠らない。そんないびつな2人の関係に今後、変化はあるのか?
黒崎を心配する氷柱との丁々発止のやり取り

黒崎と吉川氷柱(黒島結菜)の出会いは、外国人に扮した黒崎がたまたま道案内を頼んだことに始まる。しかも、起業セミナー詐欺の被害者・辰樹(船越英一郎)は氷柱の父で、2人は偶然にも再会。黒崎が詐欺師で、しかも自分の住む家の大家だと知った氷柱は複雑な感情を抱く。検事を目指す氷柱としては、黒崎のやっていることに反発しかない。
法律で被害者を救いたい氷柱と、法律に守られずに命を落とす被害者がいるという現実を知る黒崎。2人の考え方は平行線のままだったが、黒崎の過去を知った氷柱は、黒崎に別の感情を抱き始める。詐欺師を許せないという気持ちは同じだと悟った氷柱は、黒崎の行為については肯定も否定もしないと、涙ながらに告げる。そして黒崎は、自分のために涙を流す氷柱を前に、戸惑いを隠せずにいた。
それまで拒絶の態度だった黒崎にも思うところがあったのか、氷柱への態度に変化の兆しが表れる。
黒崎の復讐に手を貸すシロサギ・白石の存在
知的財産詐欺を働くシロサギを罠へ嵌めようと画策する黒崎の前に、立ちはだかったのは腐った大企業をターゲットにするシロサギ・白石陽一(山本耕史)。最初、白石は別の目的のための足掛かりとして黒崎と同じシロサギをターゲットとし、黒崎の計画の邪魔をする。だが、腹心の部下を黒崎に捕らえられた白石は、知的財産詐欺を働く詐欺師の向こう側にいる大企業がターゲットであることを話し、共闘しようと黒崎に持ちかけるのだった。
結果、2人でシロサギを喰うことに成功したが、白石は当初の目的を諦める。白石が狙っていた会社は、上海に本社を持つ桂木のマネーロンダリング先だったのだ――。
全てが桂木の手のひらの上で転がされていたと知りながら、それでも桂木の怒りは買うべきではないと主張する白石。だが、白石は黒崎に御木本の居場所を教え、黒崎の復讐に手を貸すのだった。
父親の仇・御木本との直接対決!
白石からもたらされた情報は、御木本が「スペイシー・パートナーズ」という外資系ファンドの日本代理人を名乗っているというものだった。
御木本を調べる一方で、桂木から買った情報で、黒崎はヘッドハンティング詐欺師を罠に嵌める。だが、その詐欺師のボスが御木本であると知り、黒崎は桂木に黙って御木本に罠を仕掛ける。M&Aを利用した手口で、黒崎は御木本に巨額の損失を負わせることに成功し、御木本の身柄は警察に捕らえられるが、わずかな期間で保釈されてしまうのだった。
50億円という巨額の利子の支払いを迫られた御木本は、桂木の金に手を出し上海へ逃亡。それは黒崎の策略でもあった。桂木に許可を得て堂々と御木本を喰うために――黒崎もまた、上海へと飛び立っていった。
最終決戦の舞台は――上海!

御木本は当初、M&A詐欺を仕掛けるための資金を、金のためなら人殺しも厭わない上海マフィア“レッド・ドラゴン”から借りていた。黒崎に喰われたことで利息の50億が払えなくなり、桂木の名を使って上海の有力者たちから20億円を騙し取っていたのだ。黒崎は20億円を取り戻すべく御木本の取引相手を抱き込むも、その詐欺の過程で御木本の部下・垣根(金井勇太)は、無情にもレッド・ドラゴンに命を奪われてしまった。
窮地に追い込まれた御木本
追い込まれた御木本は、レッド・ドラゴンと敵対するマフィア“キング・タイガー”に逃げ込む。しかし桂木はそのことをも視野に入れており、御木本と同じタイミングで、黒崎は投資家を装ってキング・タイガーのボス、マーセン(水間ロン)に接触。黒崎が桂木の手先だとすぐにバレてしまい、絶体絶命のピンチに陥る。だが、御木本こそがマーセンたちを罠に嵌めようとしていると訴える黒崎。黒崎の策略により御木本と警察が接触しているように見せかけたことで、マーセンは御木本を裏切り者と見放す。
上海マフィア2組から追われることになった御木本は、遂に自分の目の前に現れた黒崎に対し、「お前の仇は、俺で終わりじゃない」と最期の言葉を言い残し、自ら命を絶った。
上海で御木本が最後に連絡を取ったのは、ひまわり銀行の役員・宝条兼人(佐々木蔵之介)だった。氷柱の大学で助教を務める鷹宮輝(時任勇気)の叔父でもある。そんな宝条は裏では桂木と繋がっており、御木本の全財産を回収し最終的に御木本を絶望の淵へと誘った張本人だった。
第6話で黒崎は御木本の最期の言葉をきっかけに、父親の事件を調べ直すことに。そして真の敵の正体にたどり着き、クロサギとしてどう生き続けていくべきか、選択を迫られる――。
■番組概要
〔タイトル〕
金曜ドラマ『クロサギ』
〔放送日時〕
毎週金曜 よる10時~10時54分