日曜よる9時から放送中の山﨑賢人が主演する『アトムの童(こ)』。ゲーム業界を舞台に、若き天才ゲーム開発者・安積那由他(山﨑)が大資本の企業に立ち向かう姿と、周囲の人たちとのかかわりによって成長していく姿を描く完全オリジナルストーリーだ。
かつて一緒にゲームを作っていた那由他と隼人(松下洸平)に、過去に何があったのか明らかになった第2話。2人で作ったゲームを盗んだSAGASで、隼人が新しいゲームを作ろうとしたのは、那由他を裏切ったわけでなく2人のゲームを取り戻すためだった。結局、隼人はSAGASとの契約を止めて、那由他と一緒にアトム玩具でゲームを作ることに。
今回は那由他の相棒ともいえる存在、菅生隼人を演じる松下洸平にインタビュー。役への向き合い方や、演じるうえで大切なこと、山﨑の印象などを聞いた。
自分の性格は隼人よりも那由他っぽい
——第2話で隼人は那由他を裏切っていなかったことが明らかになりました。それまで本心を隠す隼人を演じるうえで、意識したことがあれば教えてください。
視聴者の方たちには、隼人の何を考えているかわからない、裏を読むような面白さが伝わればいいなと思っていました。ただ、隼人は感情的に喜怒哀楽を表現するタイプではないので、意識して影を出すようなことはしませんでした。大切なのは那由他と再会し、思いを共有してから隼人がどう変わって、どう成長していくか。これから、アトム玩具の人たちと触れ合い、少し角が取れて丸くなっていく隼人の姿を見ていただきたいと思っています。

——ご自身はこれまであまりゲームをしてこなかったと伺いました。
そうですね。ゲームはあまりしたことがなかったので、作る側の役だと聞いたときは、少し不安もありました。ゲームについてしっかり勉強するつもりで意気込んでいたのですが、台本を読んだとき、ものづくりに対する思いに共感できる部分がたくさんあったので、いい意味で気持ちが楽になりました。もちろん、ゲームの基礎を学ぶことは大事なのですが、それ以上に大切なのはものづくりに対するアツい思いなんだと。那由他や隼人、そしてアトム玩具の職人さんたちのものをづくりを愛する気持ちが深く心に突き刺さりました。
——撮影に入る前、プロデューサーや監督とは、どのような話をされたのでしょうか?
隼人の基本的な性格のほか、ビジュアルに関して話しました。岡本(伸吾)監督から「隼人にメガネをかけさせたい」と提案をいただいてから、メガネは演じるうえで、とても大きなアイテムとなっています。メガネをかけることで、僕の中で“隼人スイッチ”が入るというか。これまでも役中のオンオフを表現するためにメガネを使ったことはありますが、今回は僕自身のオンオフになっています。スタジオやロケ現場に入る前、メガネをかけることで隼人になることができています。

——那由他を演じる山﨑賢人さんの印象を教えてください。
オープンで壁のない人というのが第一印象です。実際、撮影を重ねて深く関わるうち、まっすぐでピュアで、思い立ったら迷わないで行動する信念を持っている…本当に那由他とリンクしている人柄だと思いました。本番前は2人で打ち合わせをしています。子どものころから一緒にいる幼なじみという設定なので「なるべくわかりあっている空気を出したいね」「大事なことを言うとき、全部言わなくてもいいよね」と、よく2人で話し合っています。
——那由他と和解したゲームセンターでのシーンはとても印象的でした。
セリフに書かれている情報だけでなく、那由他と隼人がそれまでどういう道を歩んできたかを表現するとても大切なシーンでした。またゲームセンターのシーンだけでなく、「お前じゃなきゃダメなんだ!」と那由他から言われたときの表情からも、隼人の思いを読み取ってほしくて。隼人は那由他のことが大好きで、幼なじみの2人がずっと仲良くしてきたことが伝わればいいなと思っていましたし、僕も常に那由他のことを頭に浮かべながら演じていました。

——直感型の那由他と冷静で理論派の隼人、どちらの性格がご自身に近いと思われますか?
基本的な性格は那由他っぽいと思います。僕も周りの人の意見が聞こえなくなって、突っ走る気持ちを抑えられないときがあって。そんなときに、「やりたいことはわかったから、落ち着いて整理しようか」と言ってくれる人がいて、初めてやりたいことが成り立つことが多いんです。だからひらめきや勢いを持つ那由他のほうが自分に似ているのかな、と思います。でも、この仕事をしている人たちは、みんな那由他っぽい気が(笑)。ものづくりをするうえで自分の直観を信じて突き進めるかどうかは、とても大切だと感じています。
——アトム玩具のセットの印象を教えてください。
とてもワクワクします。僕の実家が美術の仕事をしている家だったので、アトム玩具に置いてある絵の具を見ると、まるで実家にいるように感じられて落ち着くというか。セットの中の小物を見ていると「あ、これうちにある」「俺も持っている」と思わず心が高揚してしまいます(笑)。
——最後に3話に向け、視聴者にメッセージをお願いします。
ようやく那由他と隼人が力を合わせものづくりに挑んでいきます。アトム玩具のみなさんの力を借り、さらにキラキラしていく姿を見ていただきたいです。また、初めてゲームにふれるアトム玩具の愛らしい職人さんたちの姿も楽しみしていただければと思います。今後、これでもかというぐらいいろいろなことが起き、那由他や隼人たちを翻弄していきます。それでも負けず、前に進んでいこうとするアトム玩具の人たちの一生懸命な姿を見て、少しでも視聴者の方にパワーを届けられたらうれしいです。
■番組概要
[タイトル]
日曜劇場『アトムの童(こ)』
[放送日時]
毎週日曜よる9時~9時54分