TBSで放送中の平野紫耀主演の金曜ドラマ『クロサギ』。詐欺によって家族を失った主人公・黒崎高志郎(平野)が、「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」となって、本当の敵を探し出し、立ち向かう物語だ。
今回は、検事志望の大学生・吉川氷柱を演じる黒島結菜をインタビュー。人生すべてをかけて詐欺師に立ち向かっていく黒崎と出会い、様々な葛藤に直面していくことになるヒロインについて、また今後の見どころについて聞いた。
氷柱の葛藤に注目してほしい
――演じる役どころを教えてください。
演じる氷柱は、検事を目指す家族想いで正義感が強い女性です。船越英一郎さんが演じるお人好しでだまされやすい父がいるので、自分がしっかりしなくてはと思っています。そして真面目なので、黒崎にも正面からまっすぐに自分の考えをぶつけていく強い人間です。
現場に入って、監督と話をしたり演じたりしているうちに気づいたのは、氷柱がすごくピュアだということ。感情が抑えきれなくて爆発してしまう、ときに子どもっぽく見えるような、大人になり切れていない部分を大事に演じたいと思っています。
――共感できる部分、素敵だなと思う部分はありますか。
氷柱は正義感が強く自分を持っていますが、私にも譲れないところがあったり、ちょっと頑固な部分があったりするので、そういう部分は似ているかもしれません。ただ氷柱は、きちんと言葉に出して相手に伝えることができますが、私は我慢したり言わなかったりすることもあって。まっすぐでピュアなところは素敵だと思います。
そんな氷柱が黒崎と出会ったことで、自分の中に無かったような考え方に直面します。自分は何のために検事を目指しているのかと悩んだり、もともとの自分の中の正義が揺らいだり。そんな氷柱の悩んでいる姿や揺れる姿にも、注目していただけたらなと思います。

――氷柱にとって黒崎はどういう存在だと思いますか?
黒崎と氷柱の最初の出会いは、黒崎が外国人に変装しているとき。楽しくて不思議な出会いでした。その後、お父さんがセミナー詐欺にあったときに、黒崎が家に来るのですが、勝手にご飯を食べるし、お父さんを詐欺に巻き込むし、印象はよくないですよね(苦笑)。
それでなくても氷柱は詐欺を許せないと思っているので、最初は黒崎に感情をぶつけていきます。ただ、今後は彼の過去や考えを知っていくうちに、理解できる部分も出てきて、100%完全に彼のことを否定できなくなる。氷柱としては、つらいところだと思います。
――黒崎と氷柱のぶつかり合いは見どころです。
「いけないことはいけない」と正論をぶつける氷柱に対して、黒崎は一言言うだけ。でもそれが、氷柱には言い返せない一言なんです。大学で法律の勉強をしているけれど、黒崎に比べると知識も経験も足りなくて、何もできないし、言い返すことができないので自分に腹が立つばかりで。黒崎にはかなわないと自覚したくないけれど、実際問題、1個も2個も上なんですよね。逆に氷柱はまだ子どもです。それでも子どもなりに一生懸命真っすぐにぶつかって、戦おうとしているのだと思います。

――黒崎の存在に葛藤が生まれる?
そうですね。ぶつかり合いながらも、ふとした瞬間に相手の気持ちを理解できてしまうことがあって、それが氷柱の葛藤となります。回を追うごとに、黒崎との心の距離が近づいて、気にしていないようで気になる存在になってしまい、放っておくこともできない。でもそれが、同情なのか恋心なのかはっきりしないので、そこもまた葛藤するんです。そんな2人のつながり、関係性にも注目していただきたいです。
――現場の雰囲気はいかがですか?
主演の平野紫耀さんは、スタッフの皆さんと楽しそうにお話しされていて、「頼れる座長」という感じで心強いです。私にも、「どんな音楽を聴くんですか?」とか質問してくださって。きっと私が皆さんと話ができるような雰囲気を自然に作ってくださったんだろうなと思います。
――今後の見どころをお願いします。
詐欺問題を黒崎が気持ち良く解決してくれるので、毎回スカッとしていただけたらと思います。そして回を追うごとに、登場人物それぞれのキャラクターが出てきて、よりリアルな人間ドラマが見られるようになっていきます。特に第2話では、人間の弱さに付け込んだ詐欺がテーマになっているので、黒崎の人間らしい部分にも触れられます。
氷柱としては、黒崎の過去を知る回。黒崎と出会って距離が縮まることで、氷柱自身も自分自身と向き合って、悩んで成長していく。そんな変化も見ていただけたらうれしいです。
■番組概要
〔タイトル〕
金曜ドラマ『クロサギ』
〔放送日時〕
毎週金曜 よる10時~10時54分