値段も安く、他との味の違いもないことから、差別化が難しいといわれる「えのき」。
そんなえのきで、株式会社「加藤えのき」は10億円を超える売上げを出しているといいます。それを実現している裏側には、3つのヒミツがありました。
「えのき」で高い売上げが出せるヒミツとは
ヒミツ① 栽培用のボトルのサイズを大きくした
えのきは育てる際に、ボトルの中で栽培されます。加藤えのきでは、このときに使うボトルを大きなサイズに変更しました。それによって収穫量が増え、売上げの向上につながったそう。

この大きなサイズのボトルは、金型から作った特注のもの。
実は、全国にある一般的なえのき工場で使われているのは、規格品のボトルです。工場で使用する機械なども全てそれに合わせて作られているので、本来であればボトルの大きさを変えることはできません。

その問題を、加藤えのきは工場の設備や機械をイチから作ることでクリア。約5億円ほどの費用がかかったそうですが、売上げの伸びにプラスの働きをしています。
ヒミツ② 売り方を変えた
スーパーにあるえのきの殆どは、1パック200gです。しかしその量だと、一人暮らしなどでは一度で食べきれず、余りを出してしまうなどの難点があります。
そこで加藤えのきでは、えのきのサイズを細かく分けて販売。

すると一人暮らしや大家族など、それぞれの世帯に合ったサイズのえのきが売れるようになり、さらに売上げが伸びたそうです。
ヒミツ③ 食べ方を変えた
“味に違いがないなら新しい食べ方を提案する”という考えのもと、えのきを使った「月見ステーキ」を、居酒屋チェーン「塚田農場」と共同開発。秋冬限定ながら、6年間で累計約24万食売れた大ヒット商品になったそうです。

加藤えのきでは、「ステーキえのき」としてスーパーでも販売を始めています。

この商品のサイズ感が出せるのは、会社が大きなボトルを使っているため。規格品のボトルを使って生産する他社の商品では、真似することが難しいといいます。
2022年には、14億円の売上げを見込んでいる「加藤えのき」。通常15cmほどのえのきを30cmほどに伸ばした“パスタえのき”など、さまざまなバリエーションのえのきも出しており、今後もよりよい成長を続けていきそうです。

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