昔話の「浦島太郎」ですが、現在の日本でよく知られている内容と、元々のストーリーは異なるものだといいます。“本来の浦島太郎”とは一体どんな話の内容なのか、解き明かしていきたいと思います。
“本来の浦島太郎”のストーリーとは
その内容を知るためのカギは、浦島太郎に関する興味深い品々が残る「浦嶋神社」にあります。
この神社の宮司さん曰く、浦島太郎のそもそもの名前は「管川の浦嶋子(つつかわの うらのしまこ)」という名前だったそう。現在の呼び名になったのは、室町時代に入ってからとのことです。

そして気になる“本来の浦島太郎”はどんな話ですが、物語の冒頭から大きな違いがあります。
その内容は、『浦嶋子は海で亀を釣り上げるものの、妖気が漂い、居眠りをしてしまう。目を覚ますと、亀は美しい乙女の姿に変わっていた。その心を打ち明けられた浦嶋子は乙女に惹かれ、一艘の小舟で長い船旅をすることになる』というもの。

現在とは違い恋愛を彷彿させるストーリーですが、これは奈良時代に編纂された日本初の正史「日本書紀」にも記されている内容だそうです。
また、この話の中で浦嶋子と乙女が向かったのは竜宮城ではなく、「蓬莱山」という“海の彼方の不老不死の世界”=神仙郷だといいます。

実は“本来の浦島太郎”は、中国の神仙思想 道教が元になって出来上がったことから、このような話の流れになっているそう(※神仙思想=中国古来の神仙を信仰し、不老不死などを願う思想)。
ちなみに現在よく知られている「浦島太郎」の話の内容は、明治時代の教科書によって広まったものとのことです。
浦嶋太郎と縁が深い場所
西暦825年頃に創建した「浦嶋神社」があるのは、京都府・伊根町。それらを含めた丹後地方には、浦島太郎にまつわるものや伝説が数多く残されています。
たとえば浦嶋神社では、古くから代々伝わる浦島太郎の掛軸があったり…

別の神社では、なんと浦島太郎を神様としている場所もあるとか。丹後地方と浦島太郎のつながり、調べてみるとまだまだ“ふしぎ”が隠されていそうな予感がしますね。

TBSで土曜よる9時から放送中の『世界ふしぎ発見!』では、このほかにも世界のあらゆるふしぎを、クイズとトークで解き明かしています。
世界ふしぎ発見!
土曜よる9:00~