まるでレントゲン写真のような岩壁画が、世界遺産の国立公園に残っていた

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約5万年前に、レントゲンのような絵が描かれたワケ

オーストラリアの世界遺産「カカドゥ国立公園」の、平原にそびえる岩山。約5万年前からカカドゥに住むという先住民・アボリジニの聖地でもあるこの場所には、岩壁画が残されています。

カカドゥ国立公園

その中でも最も有名だと言われるのが、“X線画法”で描かれた絵。身体が透けたように、骨や内臓が描かれており、まるでレントゲン写真を彷彿させます

“X線画法”で描かれた絵“X線画法”で描かれた絵

実はこれは、文字を持たなかった彼らが、動物の食べられる部位を仲間や子孫に伝えるために生まれたものだといいます。

動物の食べられる部位を伝えるために生み出されたもの動物の食べられる部位を伝えるために生み出されたもの

絵は主に、雨風がしのげる岩陰にあり、アボリジニの当時の生活の様子が描かれています。

岩壁画には、『カンガルーを狩る人』や…

カンガルーを狩る人カンガルーを狩る人

1930年代に絶滅した『フクロオオカミ』を描いたものなど、カカドゥの歴史を記録したものも存在しています。

岩壁画は今も続く伝統

X線画法で描かれた岩壁画が存在する「カカドゥ国立公園」は、自然の美しさや岩壁画の価値が認められ、1981年 世界遺産に登録されました。

ちなみにアボリジニの人々は、今もカカドゥ周辺に住み、絵の意味を子どもたちに伝えています。中には、“アボリジニの伝統を守るため”という理由から、伝統的な絵の描き方を教えている人もいるそう。

アボリジニの人の中には、伝統的な絵の描き方を子どもに教えている人もアボリジニの人の中には、伝統的な絵の描き方を子どもに教えている人も

代を超えて伝えられるカカドゥの絵は、まさに“生きた伝統”と言えるものです。

TBSで毎週日曜よる6時から放送中の『世界遺産』では、このほかにも世界に登録されている文化遺産、自然遺産などの貴重な映像が見られます。

世界遺産

日曜よる6:00~

 

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