火曜よる10時から放送中の永野芽郁主演『ユニコーンに乗って』。教育系アプリを手掛ける会社「ドリームポニー」の若きCEOである成川佐奈(永野)が、共同創設者の須崎功(杉野遥亮)や、年上の部下・小鳥智志(西島秀俊)とともに、仕事に恋に日々奮闘する大人の青春物語だ。今回はそんな「ドリームポニー」のセットに焦点を当て、美術デザイナーの一條学氏に話を聞いた。
従来型のオフィスにとらわれないカラフルな空間
セットを作るにあたり、一條氏は実際スタートアップ企業のエドテック系の会社(※エドテック…テクノロジーを用いて教育を支援する仕組みやサービスのこと)に、プロデューサー、監督とともに取材に行ったそう。「会議室やミーティング室は、オフィスっぽく仕切られた空間ではなく、基本的にはワンフロアであまり隔たりがないものがよいかなと。取材先ではフロアに芝生が敷いてあったり、寝転んで仕事ができるような場所があり、そのあたりも参考にしました」。
デスク以外でも仕事ができる空間は、とてもユニークで、従来型のオフィスではない形だ。

一條氏がもっともこだわったのは全体の色味だという。「最初はとにかくカラフルにしようといろいろと強い色を入れていったのですが、テーマパークっぽくなってしまい、会社としては少し幼く見えてしまいました」。
そこで、フロアの3Dデータを作り、データ上で色のバランスや質感などを確認しながら、色味を抑えて統一感を出すなどの工夫を重ねたという。「セットの模型を作ってバランスを確認するやり方は、カメラのアングルによってどこが見切れるかなどの相談をするには便利なのですが、細かい色味の確認はできないので、CGを作るところから取りかかりました」。

ドリームポニーのロゴにもあるレインボーカラーなどを取り入れつつ、デスクや椅子はキャスター付きのオフィスメーカーの物を入れて、きちんとした会社感も出しているそう。

キャストのお気に入りは休憩室だそうだが、ポイントは「床を芝にして、天井や全体の色味を暗くして、リラックスできる空間にしています」とのこと。

また、最新のテクノロジーを駆使するエドテック系の会社ということで、パソコン周りのセパレートされたキーボードなど、印象に残った人もいるのではないだろうか。
「ゲーム会社の方などは実際にセパレートしているキーボードを使っているみたいです。話を聞くと肩が凝らなくていいみたいで(笑)。ドリームポニーのメンバーのキーボードはさらに色味を加えたりして、カスタマイズしました」。

社長である佐奈のデスクはメンバーから少し離れたところに位置する。「社長ですが、社名を背負ってみたいな感じもちょっと違うよねと。実用的に使っているようにしないとすごく偉そうに見えるので、監督やプロデューサーと相談しながら作っていきました」。ちなみに、佐奈のデスクの前にはガラスがあり、それをスライドさせて部屋を区切ることもできる。

ドリームポニーの他のメンバーの机もそれぞれ個性に溢れている。




会社の入り口に込められたメッセージ
「会社を入ってすぐのスペースは、最初のプランとしてはグッズをディスプレイしたり、開発したアプリを紹介するというものでしたが、ショップっぽく見えたり、単純に普通の会社のようになってしまうので、つまらないなと。そこで手作りっぽいクリエイティブな要素を入れました」と一條氏。こちらは美術プロデューサーの高橋宏明氏が紙に描いたものを、プロジェクターで投影させて清書したそう。「この会社が成長していくヒストリー的なものと、アプリのコンセプト、これからの未来の展望などが描かれています」と語ってくれた。

この先ドリームポニーがどう成長していくのか。セットにも注目して見てみると楽しみが増えそうだ。
■番組概要
[タイトル]
火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』
[放送日時]
毎週火曜よる10時~10時57分