【海上保安官】通称“地獄のゴールデンウィーク”!精鋭部隊に入るための卒業検定が超過酷だった

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「特殊救難隊(通称:特救隊)」は、海難救助のスペシャリスト。約1万4千人の海上保安官の中から選抜された、37名の隊員が配属されている精鋭部隊です(※2022年3月放送時点)

5日間にわたる、過酷な卒業検定

新人隊員が正式に特救隊に配属されるためには、研修隊での訓練の後「地獄のゴールデンウィーク」と呼ばれる、5日間連続の卒業検定に合格しなければなりません。

1日目・2日目:体力検定・レンジャー検定

1日目の「体力検定」では、腹筋や懸垂・1500m走など8種目を実施。

1日目の「体力検定」1日目の「体力検定」

特救隊に必要な基礎体力が備わっているかどうか、体力診断と運動能力を計測します。そして2日目には、ロープやサーキットを使用した「レンジャー検定」を実施。

2日目の「レンジャー検定」2日目の「レンジャー検定」

海難事故を想定してロープ登りやサーキットなど4つの項目を行い、実践的な能力を計測します。

3日目:潜水検定

3日目の「潜水検定」では、全ての種目を水中で実施。海難救助の現場で最低限必要とされる潜水技術が問われ、水中の障害物を速く安全に突破する「障害突破」をはじめ、10種目が行われます。

水中で障害突破水中で障害突破

中でも最も過酷だとされているのが、酸素ボンベなど20kg以上のフル装備をつけて25mプールを7往復する「350m障害ドルフィン」。1往復ごとに重いボンベを背負ったままプールからよじ登り、シュノーケルや足ヒレなど、指定された装備を外して350mを泳ぎきらねばいけません。

350m障害ドルフィン350m障害ドルフィン

体力がどんどん奪われていく中、装備を外すごとに推進力が低下するため過酷ですが、生きて帰ってくるためには必要。この検定種目をクリアする能力がないと、特救隊として出動させることはできないといいます。

4~5日目:100km行軍

4日目から5日目にかけて行われるのは、スタートから3ヵ所のチェックポイントを経由して、24時間以内にゴールを目指す「100km行軍」。特救隊伝統の最終検定です。

最終検定の「100km行軍」最終検定の「100km行軍」

持参できる食料は水と塩のみで、途中食事などの補給は一切禁止。万が一の遭難時でも生きて帰って来られるかを判断する検定で、新人隊員は足の痛みと闘いながら気力を振り絞ってゴールを目指します。

特殊救難隊は、世界的にも稀な組織

高度な知識と技術が必要なうえ、体力的にも過酷な特救隊。全国で発生する海難事故を24時間態勢で警戒し、行方不明者の捜索をはじめ、船の消火活動・有毒ガスが充満した船内での人命救助などに携わっています。

海上保安庁の特殊救難隊海上保安庁の特殊救難隊

1人の隊員が、潜水・救急・火災・テロ対応など複数の役割を担っている組織は、世界的に見ても海上保安庁の特殊救難隊しかないのだとか。過酷な任務に備えて、厳しい卒業検定が行われているのも納得です。

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