その花は、山火事を待ち望む…
南アフリカ共和国・ケープ半島は山火事の多い地域。その場所に、“山火事で咲く花”があるといいます。
花の名前は「Sugarbush」。ピンクと白の花弁を持つ可憐な花です。

こちらの花、受粉後に種ができると、固い殻を閉じて種を包んでしまいます。そうして待つのは、なんと山火事。ときには何年も待ち続けるといいます。

やがて乾燥した夏、落雷により山火事が起きると…殻は熱に刺激されて開きます。その姿は、まるで“山火事で咲く花”のよう。

意外にも、山火事のあとは植物の生育に適した環境が作られます。殻から飛び出した種は風で遠くまで運ばれ、その大地で芽吹いて命をつないでいます。
奇岩の大地に6000種!驚異の“植物王国”
Sugarbushが咲く場所は、南アフリカの南西部に広がる「ケープ植物区」にあります。(※植物区:植物の共通する特徴から世界を6つの区域に分けたもの)
ほかにも、ユニークな形の「ストレリチア(極楽鳥花)」など個性豊かな花々は、世界中の人々を魅了し、日本でも親しまれています。

実は、ケープ植物区のほとんどは砂岩の大地です。砂岩はもろく長い年月で削られ、山や谷、
その中にある13の保護地域は植物の貴重な進化の過程が見られることから、「ケープ植物区保護地域群」として2004年、世界遺産に登録。

厳しい環境に適応し、山火事さえも利用する、たくましい植物たちの姿を見ることができます。
世界遺産
日曜よる6:00~