高級フルーツ「シャインマスカット」は海外であまり知られていないって、ほんと?

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シャインマスカットが海外でより高値に

日本生まれのブドウ、「シャインマスカット」。実は、海外でまだあまり知られていないといいます。
そのため、需要がとても高く、高値で売れる高級フルーツであるそうです。日本で一房約2,000円のところ、海外では約4,000円で販売されることもあるとか。(※2022年1月放送時)

日本生まれのシャインマスカット日本生まれのシャインマスカット

このシャインマスカットを海外に輸出しているのが、ブドウの生産・販売を行う「アグベル(株)」。取り扱うブドウの半分以上を、台湾・香港・タイに輸出しています。

その際にアグベルでは、収穫後のブドウを冷蔵庫で保存して、“時期をずらして輸出する”という工夫も。

時期をずらして輸出時期をずらして輸出

一般的な収穫時期は8~9月ですが、中華圏の旧正月が始まる1月下旬頃にブドウを売り出すと、より高値で売れるそう。2月頃には、なんと“一房約2万円”と日本の約10倍の値がつくこともあるとのことです。

畑のレンタルも!画期的なブドウ作り

アグベルが海外に輸出できるのは、たくさんの良質なブドウを集める仕組みを作ったから。新たな方法にチェンジしたことで、販売先・販路が広がっているといいます。

仕組み① ブドウ畑をレンタル

アグベルは、高齢化や担い手不足で生産を続けられないブドウ農家から、畑をレンタル。代わりにブドウを作っています。

畑をレンタルしてブドウ生産畑をレンタルしてブドウ生産

現在、アグベルの畑は山梨県内に約40か所点在、総面積はおよそ1万4,000坪にもなるそう。畑が増えると、たくさんのブドウを効率よく生産できるといいます。

仕組み② 近隣農家のブドウもまとめて出荷

さらにアグベルは、近隣の農家で作ったブドウを高く買い取り、一緒に販売。“傷み具合のチェック・間引き・包装・梱包用の箱製作”という、手間がかかる出荷作業も引き受けています。


出荷作業をアグベルがまとめて担当

出荷作業は人を雇って大規模にすると、コスパが良いそう。農家のなかには「ある程度歳とってくると、出荷までがキツくなる。アグベルのおかげで、すごく楽」と話す人もいます。

仕組み③ 消費者に直接販売

また、アグベルはブドウを直接、小売店・消費者へ販売。一般的な農協に納める方法と異なり、手数料がかからず、高値で売ることができます。

直接、小売店や消費者に販売直接、小売店や消費者に販売

アグベルは、元リクルート社員だった社長が2017年に実家の農家を継ぎ、広い畑を耕すために立ち上げた会社です。
近隣を巻き込むビジネスで順調に売上げを伸ばし、2021年の年間売上げは約1億5,000万円と絶好調。まだまだ成長が期待できそうです。