水族館で人気イベントの一つ「イルカショー」。トレーナーはどうやって言葉が通じないイルカに、挨拶やハイジャンプなどの演技を教えているのでしょうか?

“合図”を使って演技させる
まず、どうやってイルカに演技させているのかといえば、「合図」を出しています。実は、イルカは人間の声が聞こえにくいため、手の合図を使って演技させているそう(※イルカの種類によって異なります)。
トレーニングでは、演技が上手くできると“ホイッスル”を鳴らし、餌を与えて褒めます。(ホイッスルなど音が高い周波数帯は、イルカの耳に届くそう)

ホイッスルで“演技が上手くできている”意味の合図を出すことで、イルカは「上手くできれば褒めてくれて餌がもらえる」と理解。これを繰り返しています。
一方、間違いを教える時は、後ろに下がってイルカと距離を置きます。いつもは待ってくれるトレーナーがどこかに行ってしまう…知能の高いイルカは、これで間違っていることを理解するそうです。
ただし、集中力が続かないため1日の練習は30分だけ(約10分×3回)。あとはイルカに信頼してもらうため、トレーナーはできるだけ“遊ぶ時間”や“接する時間”を取るようにしているといいます。

ほかにも、同じトレーニングばかりだと飽きてしまうため、さまざまな練習を挟み集中力を持続させるなど、イルカの性格に合わせてトレーニングを進めているそうです。
水族館で生まれ育ったイルカのデビューに密着
今回、番組が密着したのは、東京・品川にある「しながわ水族館」のイルカトレーナー・渡邉さんと、ここで生まれ育ったイルカのミント(2歳 ※2021年8月放送時)。

イルカの繁殖はとても難しく、しながわ水族館で生まれたイルカのデビューは実に18年ぶりとのこと。
そんなミントを生まれた時から世話する渡邉さん。

「イルカが大好き」という思いから始めたトレーナーの仕事でしたが、あるイルカの死によって、トレーナーには愛情だけではなく、時には冷静に、気を配る目も必要なことに気づいたといいます。
トレーニング当初はヒレをパタパタさせ、手のひらにタッチをする程度の演技しかできなかったミントでしたが、渡邉さんとのトレーニングの結果、たった2か月後のデビューでは3m70cmのハイジャンプに見事成功するまでに!

これからも渡邉さんとミントは、パートナーとして一緒に成長していきます。
BACKSTAGE
CBCテレビ:日曜よる11:30~