TBSで放送中の火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』。原作は累計発行部数が280万部を超えるなどSNSを中心に話題となっている、小学館の漫画アプリ「マンガワン」に連載中の同名人気漫画だ。
物語は夫から一方的に離婚を告げられ、無一文、無職、宿無しになった人生崖っぷちアラサーバツイチ女子・桂木早梅(二階堂ふみ)が、金持ちでイケメンだが性格のすこぶる悪い男子高校生・片岡壱成(眞栄田郷敦)に目を付けられ、金と人生を掛けた“リアル人生ゲーム”を繰り広げていくラブコメディ。早梅と壱成、岩田剛典演じる旅館の若旦那で壱成の兄・片岡成吾の三角関係も見どころだ。今回はプロデューサー・橋本芙美氏をインタビュー。作品のこだわりや今後の見どころを聞いた。
――同名漫画が原作ですが、原作の魅力を出すためにこだわっていることはありますか?
早梅と壱成の関係は物語の核になる部分です。原作にはとても印象的な2人の場面がたくさんあり、それをドラマとしてどう描くか話し合いました。特に第1話は始まりなので、なるべく原作と同じシチュエーションを入れられたらなと…。例えば、早梅と壱成の出会い、2人のバトル、早梅がカレーを掛け軸にかけてしまったり、壱成の顔をケーキに押し付けるシーンなど、脚本家の古家(和尚)さんが原作を研究してその良さをいかしながらドラマとしていい形で構築してくださいました。実写だと違和感が出てしまうところは形を変える場合もあるので、打ち合わせでいろいろと相談しながら原作ファンの方にも喜んでいただけるように考えています。第2話の肝試しの話は原作だと廃墟に行くのですが、せっかく旅館があるので、廃墟での2人の会話を生かしつつ肝試しの場所を旅館に。同時に壱成が旅館嫌いであることや、早梅と成吾の再会(早梅は気付いていないですが)なども融合させて描くことができました。
ほかにも原作に忠実なところは監督の遊びで入れています。第1話で出てきた不動産屋のアメや第3話の定食屋「杉八」の名前、第3話で壱成が差し出す箱ティッシュが普通の紙質ではなく肌触りのいいふわふわティッシュであることなど、真似できるところは細かいところも再現しています。

――第1話の壱成が早梅のカレーを奪おうとするシーンでコミカルな演出がされていたりと、アクション部分が印象的です。
早梅は言いたいことをはっきり言うのに加えて、動作も激しいことが多いんですね。単純なケンカというよりはエンターテインメントとして楽しんでいただきたいなと。特にカレーのシーンは少し前の作品ですが映画「少林サッカー」のような感じにしたいと監督に相談しました。いい意味での古さや懐かしさもありつつ笑って楽しめるケンカにしたいなと(笑)。象徴的な2人のシーンなので原作にもあった2人の背景でわかりやすい炎がメラメラしている場面をあえて入れたんです。ただケンカしているだけだと見ていて辛いですし、今回はラブコメなのでケンカ自体も面白く見せられたらいいなというのがあって、見せ方の工夫はすごくしましたね。
1話は、早梅が壱成に何度も追い詰められたりするので、早梅のアクションでスカっとできるように意識しました。
――早梅を演じる二階堂さんは原作ファンですが、役作りへの思いなどは感じますか?
壱成に対する早梅の気持ちの変化のタイミングは、監督も含めて話したりしています。二階堂さんはクランクインの際に想像以上に早梅ちゃんそのものでした。初日は、バス停のシーンから始まったのですが、高校生たちに啖呵を切る二階堂さんの目つきが早梅そのもので、とてもカッコ良かったです。1話のパーティーで恵に対して放ちつつ壱成に響いている言葉が、二階堂さん演じる早梅が言うからこその刺さり方、心にグッと来る感じが本当に素晴らしくて。誰から見てもカッコいいヒロインを二階堂さんが生み出してくれたなと感じました。また、早梅という役についてや、それぞれの場面について、すごくいろいろと掘り下げてくださっていています。お話していると「感情的に早梅ってこう考えているんだ」と気づかされることがありますね。

――郷敦さんが演じる壱成の印象はいかがでしょうか?
反響がどんどん大きくなってきていてうれしいです。とにかく金髪が似合いますし、壱成の雰囲気がすごく出ていてハマっているなと思います。原作をかなり研究されていて、どう演じるかも細かく計算されているので、今の壱成を形作っているのは郷敦さんであることは間違いないです。1話の壱成はとにかく性格が悪かったのですが、どんどん早梅のことが好きになっていって、早梅へのまなざしやちょっかいの出し方がかわいくなっていきます。これからますます壱成にハマっていく方が激増していくのではないかと期待しています(笑)。壱成が今後どう変わっていくか、そして壱成のちょっとした仕草や表情も見逃さずにぜひ注目していただきたいです。

――岩田さん演じる成吾の反響はいかがでしょうか?
和服がとてもお似合いで所作も美しいのですごく反響が大きいですね。
旅館を背負う副社長としての顔は凛としていて少し緊張感が漂い、壱成を前にすると厳しい兄の目になるのですが、早梅と再会してからの成吾は笑顔のシーンも増えるので、クールな時のかっこいい成吾と笑顔の素敵なさわやかな成吾、この演じ分けがすごくいいなと思います。そして、岩田さんの笑顔の威力はものすごいなと改めて思いました。
3話の終わりから4話冒頭にかけての早梅との再会シーン、成吾の笑顔に心を鷲掴みにされる方も多いのではないでしょうか。そして、普段は冷静で自分の感情をあまり出さない成吾ですが、今後恋愛においてはムキになる一面もありますので、“ムキになる成吾”を是非楽しみにしてください!

――三田佳子さん演じる悦子や高橋克実さん演じる吉寅もSNSでは反響があります。
お2人とも原作の雰囲気や良さを生かしつつ、さらにドラマ版としてのキャラクターをプラスしてくださっています。
悦子さんが原作でイチゴ柄の着物を着ていたり着崩しているので、三田さんも着こなし方を研究されていました。さらに監督がドキュメンタリー映画にもなったアイリス・アプフェルさんという94歳の女性を参考にしたいとのことで、我々と三田さんでアプフェルさんのDVDを見たりしました。三田さんの演じられる悦子は、現役感あり遊び心あり、でも時に厳しくそしてあたたかい、女性としてとても憧れる素敵なおばあちゃんだなと思います。

克実さんは優しく穏やかな感じがありつつ、機敏でとにかく気が回る吉寅をものすごく自然に、時にはコミカルに表現してくださっています。台本にはない吉寅のうなずきや壱成へのまなざしも足してくださっていて、吉寅のあたたかさが端々に滲み出ているなと感じます。

――最後に第4話の見どころをお願いします。
2話で早梅は体調が悪かったり3話は離婚の話だったので、早梅の気持ちが沈みがちでしたが、4話は久々に早梅のスカっとする部分が見られます。早梅が初めてのお客様に接することになるけれど、それがクセの強い超VIPの常連客というところでどう対応するのか、注目していただければと思います。そして、3話の最後で早梅が初恋の相手・成吾とついに再会したので、それによる壱成を交えた三角関係が加速していく様を楽しんでいただきたいです。

■番組概要
〔タイトル〕
火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』
〔放送日時〕
毎週火曜よる10時~10時57分