毎週日曜よる9時、TBSで放送中の鈴木亮平主演の日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。最新の医療機器とオペ室を搭載した「走る手術室」で、危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、“一人も死者を出さない”ために奮闘する救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く本作。今回、渡辺良介プロデューサーにインタビューし、本作が作られたきっかけや主演・鈴木亮平の起用理由、本作に込めた思いなどを聞いた。
――本作の企画はどのように作られたのでしょうか?
去年、1回目の緊急事態宣言のあたりに企画を考えていたのですが、当時、新型コロナウイルス感染症が蔓延してきて未知のウイルスに対する脅威に医療従事者の方々が立ち向かい、感染した患者さんたちを治療する姿をニュース番組で拝見しました。その雄姿を見て、医師の使命感をしっかり表現できる医療ドラマをやりたいと思いました。そして、危険な場所に立ち向かっていく『TOKYO MER』のような救命救急チームが居たらいいなと思って考え始めました。
――主人公・喜多見に鈴木さんを起用された理由は?
企画が決まり、喜多見の人物像を作り上げていく中で、飄々としているといいますか、普段はフランクなんだけどいざというときに力を発揮し、リーダーシップを執ることができるというキャラクターが見えてきたので、鈴木亮平さんがすぐに浮かびました。『テセウスの船』でもご一緒したのですが、その時に感じた素の鈴木さんの人柄がまさに喜多見にぴったりだなと思い、真っ先にオファーしました。
――鈴木さんは、喜多見は当て書きされたような感じがすると仰っていました。
そうですね。元からイメージは近かったのですが、台本が出来る前にオファーを快く引き受けていただいたので、そこから脚本家の黒岩勉さんが当て書きしてくださいました。
――キャストが発表された当時、音羽役の賀来賢人さんが意外なキャスティングという印象があったのですが、どのように決められたのでしょうか?
喜多見と音羽という男2人の物語も本作の大切な要素の一つになってるので、重要なキャラクターの1人なのですが、『半沢直樹』で賀来さんのこれまでとは違う一面を拝見して、音羽を賀来さんが演じてくださったら面白いのではないかと思い、オファーしました。1話2話が放送された後は、視聴者の方々も含めて「賀来さんにはこんな一面もあったんだ」という驚きの声を頂戴することがあったんですけど、僕らも「こんな賀来賢人さんが見てみたい!」という思いでお願いしたので、まさにという感じで嬉しく思います。
――放送開始前に行われた制作発表では医療シーンが本格的なことに俳優陣の方々も驚いていたように感じたのですが、その点はいかがでしょうか?
救急医療のドラマなのでどうしてもオペがつきものなのですが、誰から言い出すこともなくリアリティにこだわる気持ちになっていたと思います。企画の発端が医療従事者の方に対するリスペクトからなので、出来る限りリアリティを持って描くのが誠意だろうという考えのもと、台本を作る段階から医療監修をしていただく先生と入念に打ち合わせをして書き上げ、医療シーンも丁寧にリハーサルしていました。
最初は皆さん「ここまでやるの?」と思われたはずなんですけど(笑)、「ここまでやったらこれまで見たことないようドラマになる」と声をかけたら、「この現場は全部役者がやるのね」と自から思ってくださったのかなと。鈴木さんは縫合シーンの練習をするために、キットを持ち帰って家で練習されたり、オペシーンには医療監修の先生が必ずいてくださるんですけど、率先して自分から「こういう時は何をしてるんですか」など自発的に質問しに行ったり、皆さんも真摯に医療シーンに取り組んでくださっています。
――毎話、緊迫感のある物語が展開されていて見応えがすごくあるなと感じるのですが、特に大変だったり印象に残っている撮影は?
全部大変です(笑)。3話の立てこもり事件は街を封鎖して、4話でも崩落現場となるトンネルを3日間封鎖して・・・僕はドラマを20年以上作ってきたのですが、これまでに見たことない撮影の連続だなと感じています。見たことない撮影を毎日目の当たりにしていて、見どころが沢山ある作品になっているのではないかという自信があります。
――台本を作り上げていく中で、特に意識して描いてる部分は?
医療モノで、医師が主役の物語なんですが、我々は医師だけが主役のドラマだと思ってなくて。医師がいて、看護師がいて、麻酔科医がいて、臨床工学技士がいる『TOKYO MER』というチームが団結して1人の患者さんに向き合っているという捉え方です。そして、レスキュー隊の千住(要潤)や緊急対撮室の駒場(橋本さとし)、MERチームを支え、協力する人たちもとても大事なので、医療ドラマではあるんですけど、命を救おうと頑張ってる人だけでなく、誰かのために尽くそうとしてる、頑張ってくれている人をちゃんと描きたいと思いながら黒岩さんに書いていただいてます。医師だけでなくて、みんなが主役なんだというふうに捉えていただけたら嬉しいですね。
――物語中盤以降の見どころを教えてください。
毎話、スケール感のある物語を展開していくというのは変わらないのですが、これから1話から見え隠れしている喜多見の過去、空白の1年に何があったのかというミステリーの要素が色濃くなってきます。5話、6話でMERチームの絆がどんどん強くなっていくのですが、この喜多見の過去を巡って、チームの中でもいろんなことが起きて、その試練を7人がどう乗り越えていくのか、乗り越えられるのかというのも見どころになってくるので、ご期待いただければと思います。
■番組概要
[タイトル]
日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』
[放送日時]
毎週日曜よる9:00~9:54