【ネタバレ】『ドラゴン桜』「走れメロス」が導く東大専科の友情

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【ネタバレ】『ドラゴン桜』「走れメロス」が導く東大専科の友情
【ネタバレ】『ドラゴン桜』「走れメロス」が導く東大専科の友情

東大専科の3日間合宿が行われた『ドラゴン桜』(TBS系)の第6話。これまでひたすら東大専科をバカにしていた藤井(鈴鹿央士)が東大専科に合流したり、かたくなに大学受験を拒否していた理由が明らかになった小杉(志田彩良)のために生徒たちが一致団結したりと、まさに"友情"がキーワードとなる回となった。

冒頭で桜木(阿部寛)が東大専科の生徒たちに出した問題は「走れメロス」を100字以内に要約すること。「走れメロス」といえば、太宰治の短編小説。ギリシャ時代、人一倍正義感の強いメロスが処刑されることを覚悟の上で友情を守る物語だ。この名作小説が、今回すべての伏線になっている。

まずは3日間の勉強合宿を行うことになったが、これに小杉と前回、勝負に負けた藤井も参加することに。しかし、1日目の予定は「自由」。2005年版の『ドラゴン桜』での合宿は10日間で1日16時間勉強だった。当時、この合宿を受けた水野(長澤まさみ)も、同じカリキュラムを組んできていたが、「お前はいつの時代を生きてんだ」と言い捨てる桜木。「お前の成功体験は時に邪魔になる。古き良き伝統の教育法も時代がたちゃ、ただのゴミだ。強制と服従だけの時代は終わったんだ。あいつらにはな、今の子どもの価値観がある。まずはそれを認めること。認めたうえで信じてやる。大人の役割はそのふたつだけだ」。なるほど・・・しかし東大に入れるには、やはり勉強時間が足りないように感じてしまうのは、筆者が古い時代の人間だからかもしれない。

合宿2日目に登場したのは特別講師、太宰府治(安田顕)。2005年版での国語の講師は芥山龍三郎(寺田農)で相変わらず文豪をもじったネーミング。しかも「走れメロス」の作者である。また阿部寛と安田顕を見て『下町ロケット』コンビを思い出した人も多いだろう。日曜劇場での再共演に胸が高まってしまう。それにしても太宰府を演じた安田の演技が面白過ぎる。ボサボサの髪で「東大受験に向けて国語を教えるなんて気が重いなぁ、荷が重いなぁ、帰りたい」と卑屈になるも、生徒たちの解答を見るなり黒板を叩き、「国語とは科学だ。そして創作とは建築学である。建築学を無視した創作物はすべてクソだ」と叫ぶ豹変ぶり。どうやら出来ない生徒を見ると熱が入るが、冷めるのも早いキャラクターらしい。この落差を表現する曲者の芝居は、さすが安田顕というほかない。

そんな合宿中、現れた小杉の両親。この父親、はっきり言ってクソである。成績優秀な小杉が大学を進学しないと言う理由は、この父親のせいだったのだ。「娘を大学に行かせるつもりはない」という父親は龍海学園も自主退学させると宣言。家に戻って卒業するまで学園に通いたいという小杉に「お前のためを思って言ってやってんだ」という父親。思わず「どこが」とつぶやく小杉を殴りつけてしまう。もうこれ、完全にDV行為、事件案件である。

翌日、退学の手続きのために小杉の両親はやってきた。「女で高学歴なんていったら、あの女(水野)のように生意気なうえに人を見下すクズみたいな人間になるのが目に見えてるんだよ。だから女に学歴は必要ないんだ」。偏見でしかない言葉に見ている人は腹も立ったであろう。普通、勉強ができる娘がいれば、喜ぶし、自慢するもの。小杉の父親はまったく逆であり、これで良く社会を生きてこれたと思ってしまう。その父親に桜木は「誰よりも学歴にこだわっているのは、あなたのほうじゃないんですか」とスバリ、父親の本心を指摘。「あんたは単に娘を自分より優位に立たせたくないだけだ」と。

学園側としても生徒を守るため、訴える覚悟もあったが、父親をかばったのは小杉であった。その前日の夜、桜木たちは電話で小杉と話し合っていたのだ。実は10年前、会社が潰れて苦労したのが原因で父親は変わってしまい、自分が我慢すればいいと言う小杉。「こんなお父さんだけど、私にとっては世界でたった1人のお父さんだから」。10年も我慢してきて父親を憎んでも仕方ない状況で、まだこんなことが言える小杉は良い子過ぎる。

「親がバカだろうとクズだろうと、幼い子どもには親を信じて生きる道しかねぇんだ。あんたがどれほど未熟で弱い人間だろうと、彼女はあのときの優しかった父親を覚えてる。あんたがどれほど彼女を傷つけようと、あの父親がいつかきっと戻ってくると信じてる。そんな娘の気持ちをあんたはいつまで裏切り続けるんだ」。

そんな桜木の言葉に心が動かされ、泣いてしまった父親。そこへ健太(細田佳央太)たち東大専科のメンバーが桜木の課題ができたと室内へ乱入。桜木は「ここで発表してみろ」と指示。それは、太宰府先生に教えられた読解法で小杉が東大へ行く理由の要約したものだった。

その後、「麻里ちゃん、東大行く?」と健太に聞かれた小杉は「私、みんなと目指したい」と初めて彼女の本音が飛び出す。父親は涙を流しながら小杉に謝るという胸のアツくなる感動のシーン。ただ、10年も抱えていた父親の闇が、こんな簡単に晴れるのか・・・!? と思ってしまうのは筆者がひねくれているからであろう。しかも、早くも小杉の両親は離婚を考えることに。展開はやっ! まぁ、桜木の言葉と東大専科が父親のわだかまりを溶かした結果である。

「走れメロス」は人間不信の暴君ディオニス王にメロスと親友セリヌンティウスが死をかけた友情を見せ、改心させる物語だ。この暴君ディオニス王は、小杉の父親とも取れるが、それよりも藤井であったと言いたい。なぜなら今回、小杉と東大専科の友情を見た藤井が初めてデレを見せたのである。「オレも東大専科に入りたい」という藤井は健太と握手をかわし「この間はごめん」と謝った。この照れたような戸惑った藤井の表情は、今までのギャップもあり、とてつもなく可愛かった。さて、まだまだ問題は山積みだが、7人になった東大専科の終盤戦に期待したい。

(文・MAIMAI/イラスト・たけだあや)

【第7話(6月6日[日]放送)あらすじ】

東大専科の7人が東大模試を受けることになった。模試で合格の見込みがないと判断された者は専科をやめなければいけない。今の学力では何人かは最低のE判定になることは明白だ。桜木(阿部寛)が出したあまりに高いハードルに、生徒たちは混乱し、水野(長澤まさみ)も不安に襲われる。

模試に備え、新たに桜木が招へいした英語の特別講師によるリスニング力強化のための驚くべき勉強法が始まる。さらに桜木は、模試に役立つ「東大模試6カ条」を授けるが、菜緒(南沙良)と天野(加藤清史郎)は、焦りから追い詰められていた。

模試当日、プレッシャーに押しつぶされそうな7人は、それぞれの思いを胸に会場に向かう。

一方、龍海学園では先代理事長・恭二郎(木場勝己)が、何やら新たな動きを見せていた・・・。

◆放送情報
『ドラゴン桜』
毎週日曜21:00からTBS系で放送中。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」で配信される。
2005年放送『ドラゴン桜』も配信中。