【ネタバレ】『生きるとか死ぬとか父親とか』変わりゆく街で親子を繋ぐものは

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【ネタバレ】『生きるとか死ぬとか父親とか』変わりゆく街で親子を繋ぐものは
【ネタバレ】『生きるとか死ぬとか父親とか』変わりゆく街で親子を繋ぐものは

吉田羊×國村隼のW主演により、自由奔放な父と、振り回される中年娘の家族の愛憎物語を描く『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京ほか)の第4回が、4月30日(金)に放送された。

毎回、トッキーこと蒲原トキコ(吉田)のラジオ番組『トッキーとヒトトキ』に寄せられたお便りと本編がリンクしてくる構成となっているが、今回のテーマは「時代とか東京とか」。冒頭ではラジオ番組の男性スタッフ二人が、こんな恐ろしい会話をしている。
「そういえばオリンピック、聞きました?」
「聞いた聞いた!」
「ヤバくないすか?」
「まさかまさか」
何を聞いたんだろうと、会話の中身を勝手に想像して鳥肌が立つが、それはさておき。

今回は、東京生まれの東京育ちである21歳の大学生からのお便りで「オリンピックに向けた再開発をきっかけに、自分が好きだった場所がどんどんなくなってしまい、喪失感を感じている」という悩みが寄せられた。

それに対してトキコはこう答える。「そもそも今の東京は外から来た人達が作った町」「変化に対して先住民は無力(中略)、無力どころか利便性も含めて相当な恩恵に預かってきた」「私は変化を楽しむようにしている」と。

おそらく同じようなモヤモヤを抱いている人は多いだろうから、発想の転換は重要だなと思いつつ、そのスカッとする答えが「我が事」となると途端に割り切れない感情に変わるのが、毎回の面白さだ。

自身のエッセイが掲載された銀座のタウン誌『銀座百点』を探すため、両親とよく訪れた銀座に、久しぶりに父と二人訪れたトキコ。しかし、タウン誌を置いてある店はなかなか見つからず、かつて常連であった高級セレクトショップなら置いてあるのでは、という父の提案を頼りに向かう二人。しかし店は移転しており、移転先に行くと"上得意"らしき客と露骨に差のある接客をされる。

見るからに裕福な老夫婦と孫の姿を見ながら、トキコの頭の中には「もし自分が結婚していたら」「もし母がまだ生きていたら」「もし父の会社が失敗していなかったら」など、様々な"もしも"がぐるぐる回るのであった。

ようやくそこでお目当ての『銀座百点』を手に入れ、早めの夕食を思い出の老舗蕎麦屋でとろうと話すが、そこも4、5年前になくなっていた。全く知らない場所に迷い込んだような心細さや喪失感は、誰しも経験したことがあるだろう。肩を落とす父を見て、気分を変えようとするトキコ。結局、近くの雰囲気のある居酒屋に入った二人だが、そこでトキコのエッセイを読み始めた父は、誤りを指摘する。それは、「(父は)銀座でデートしたその日に、母のアパートに転がり込んだそうです」の一文だ。

出版社で働いていた母と違ってバイト生活だった父は交際を反対され、実は一度、別れていたのだった。しかし、ずっと忘れられず、半年ほど経ったときに銀座で母と偶然再会。「会いたかった!好きなんだよ!」と伝えると、母は自分のハンドバッグからアパートの鍵を渡したという。

この日、変わってしまった街への喪失感を埋めてくれたのは、母の思い出だった。と同時に、母を失った後、疎遠だった時期を経て新たに築かれていく二人の関係性の真ん中にも、やっぱり「母」の存在があるように見えた。

(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)

【第5話(5月7日[金]放送)あらすじ】
父親について執筆しているエッセイがネタ切れになってきたトキコ(吉田羊)。幼いころ父と楽しく遊んだ思い出がないという話から、東(田中みな実)に「子ども時代をやり直しては」と提案され、父(國村隼)と二人で動物園に行くことに。しかし自由気ままに歩き回る父に振り回されるばかりで良いエピソードなどとても作れそうにない。ところが帰りに寄った昔なじみの店で、トキコの知らない昔の父の仕事話や、幼い頃の2人のエピソードを知らされることに・・・。

◆放送情報
番組名:ドラマ24『生きるとか死ぬとか父親とか』
放送日時:毎週金曜深夜0:12~
放送局:テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
※テレビ大阪のみ、翌週月曜深夜0:00から放送
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」でも配信