田中哲司&佐藤隆太が役を共有する楽しさを実感!『SPEC』新シリーズ

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田中哲司&佐藤隆太が役を共有する楽しさを実感!『SPEC』新シリーズ
田中哲司&佐藤隆太が役を共有する楽しさを実感!『SPEC』新シリーズ

2010年10月期に放送されたTBS金曜ドラマ『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』の放送10年超えの記念作品として、『SPEC サーガ黎明篇「Knockin'on 冷泉's SPEC Door」~絶対預言者 冷泉俊明が守りたかった幸福の欠片~』が、2月18日(木)から動画配信サービス「Paravi」にて独占配信されている。田中哲司演じる『SPEC』のキーマンであった、未来が見える能力を持つ冷泉俊明がSPECを発現するまでの物語を描く本作には、冷泉の若かりし頃=鈴木俊明役で佐藤隆太も出演している。"冷泉"の現在と過去をそれぞれ演じる田中と佐藤が、出演への想いや作品の見どころを語ってくれた。

――田中さんは久しぶりに『SPEC』シリーズに戻ってきていかがでしたか?

田中:『久々に帰ってきたなぁ』という感じでした。(連ドラ放送から)10年経っていても全然違和感なくスッと役に入れるというか・・・やっぱり変わらないんですよね。演技スタイルも、セリフの間も、スピードとかも、「あ、一緒なんだ」と思って。無理せず役に取り組めて、楽しかったです。

――佐藤さんは、初めて『SPEC』シリーズ作品に出演されてみていかがでしたか?

佐藤:僕も好きで見ていたんですけど、うちの奥さんがめちゃくちゃ好きなんですよ。今でも毎日、寝る前に見ているんです。毎日ですよ!

田中:え~!(驚)

佐藤:好き過ぎて、「あれを見ないと、眠れない」みたいな睡眠導入的な役割で見ているようで(笑)。しかも、こだわりがあって。ドラマも映画も全部見たけど、特に連ドラ版の1、2話がよいと。連ドラの3話目からは「物語がハードになっていくから、寝る前にそれは見られない」と、1、2話だけ見ていて。寝る前にリビングにいると、(初回ゲストだった)上川隆也さんと金子賢さんがいつも映っていて。「本当、何回見るのよ!?」ってぐらい見てますね(笑)。

田中:すごいなぁ(笑)。

佐藤:だから、僕も出演が決まってうれしかったですけど、奥さんの方が驚いていましたね。

――今回、佐藤さんは冷泉の若かりし頃を演じたわけですが、演じる際にされたことはありますか?

佐藤:改めて『SPEC』を見直して。意識しすぎてキャラクターとしてのスケールが小さくなってしまったら勿体ないよなぁと思っていた所に、堤幸彦監督も植田(博樹)プロデューサーが『そこはそんなに気にしなくてもいい』と言ってくださったのでありがたかったですね。でもだからこそ、ファンの方が見た時に、(現在の)冷泉とハッキリとリンクするポイントは作りたくて。現場で自分から言ってやらせてもらいました。例えば、プールに入るシーンがあったのですが、ドラマ版で、哲司さん演じる冷泉がレモンと水の入ったシンクに足につけて「♪サンタモニカ~」と歌っていたのでそれを思い出して「ここで歌っちゃダメですか?」と言ってやらせてもらったり、(連ドラで)冷泉はお寿司に醤油つけない派だったので、餃子を食べるシーンは醤油をつけずに食べたりとか。そういう部分は繋がることができればと思ってやっていました。

田中:それは佐藤くんのアイデア? すごいね。

佐藤:でも、完成した餃子のシーンを見たら、醤油をつける/つけないのところがカットされてて、口元の映像になっていたので、「これは伝わらなかったな」と思いましたけど(苦笑)。

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――田中さんは、佐藤さんが演じた冷泉をご覧になって、どう感じられましたか?

田中:うれしかったですね。冷泉を演じたのは、この2人しかいないですから・・・って、普通は1人か(笑)。

佐藤:(笑)。2人でやるっていうのが、スゴイですよね。

田中:1つの役を共有する楽しさを初めて知りましたね。

――ちなみに冷泉はSPECを発動させる時にレモンをかじりますが、撮影でたくさんレモンを食べて何か変化はありましたか? 例えば「ビタミンCを取って美肌になった」とか。

田中:・・・多分、悪くなってるんじゃないですか(苦笑)。いっぱい食べてるから。

佐藤:ちょっと、胃が・・・(苦笑)。

田中:潰瘍ぐらいできてるかも(笑)。

佐藤:とにかく僕は歯茎が痛かったですね。どちらかといえば、やっぱりダメージのほうが・・・あんまり恩恵は受けてないです(苦笑)。

田中:そういえば・・・連ドラ版を見た時、酸っぱさがめちゃくちゃ顔に出てました。

佐藤:僕もやってた気がします。

田中:「多分これ演技じゃないな。素だな。出しちゃってんじゃん!」って、自分で思ってました(笑)。

――(笑)。お2人とも酸っぱさに耐えて無事撮了されましたが、改めて、本作で皆さんにぜひ見ていただきたいおすすめのシーンはありますか?

田中:僕は、鈴木(=冷泉)がSPECを初めて発現しかけるところかな。くだらなくて面白い(笑)。駐車場みたいなところでバナナを投げて、そのバナナも本当は客先に持っていくはずだったもので、そのバナナの房を直で持っていて(笑)。その・・・ちょっと雑な感じが面白かったです。「もっとドラマチックな展開で、SPECが生まれたんじゃないのか!?」っていう(笑)。

佐藤:いろいろ、雑なんですよね(笑)。

田中:そうそう。そういうB級感が大好きです(笑)。

佐藤:僕は、本作の後半で哲司さんと僕が演じた冷泉がオーバーラップしていって、盛り上がっていくところですね。本当に哲司さんと一緒にこのキャラクターを完成させていってるんだな、というのを感じられてうれしかったですね。

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――ちなみに、お2人とも2月生まれ(田中/2月18日、佐藤/2月27日)でもうすぐ誕生日を迎えられますが、冷泉がSPECの扉を開けたように、誕生日を迎えるにあたって新たに"扉を開けたい"ことはありますか?

佐藤:僕は今40歳なんですけど、哲司さんは、40歳を超えて、新しく始めたことってあります?

田中:ないと思う(苦笑)。40歳ぐらいかぁ・・・。何か、今、悲しくなった(苦笑)。

佐藤:僕もはっきり言って、20歳ぐらいから新しく挑戦したことってないですよ(笑)。

――役者さんにとっては、毎作品が新しい挑戦でもありますよね。

田中:そうですね! 役者は、毎回オーディションです。毎回、緊張しますし、その現場その現場でスゴイですから。

佐藤:確かに。やっぱり「あ~、面白いなぁ」っていう作品のドアを開けられて、出た時が結局、一番うれしいんですよね。

――お2人が新たな扉を開いた本作をご覧になる視聴者の皆さんへ、メッセージをお願いします。

田中:『SPEC』ファンの方には、たまらない作品だと思います。楽しく観れるんですよ。それってドラマの本質だと思います。そして切なさもあり、ラストのほうでは、連ドラの『SPEC』の当麻や瀬文(加瀬亮)のことも言っていて。「つながっているんだな」と思って、勝手にじ~んとしましたね。本当に楽しみにしてください。

佐藤:僕はやっぱり、正直まだ怖いんですよ。『SPEC』ファンの方って、本当に好きで何回も見ている方が多いので。だから、哲司さんが演じた冷泉の若い頃を僕がやるということを、受け入れてもらえるかな、と。賛否両論あるかもしれませんが、堤監督や植田Pのお2人から「好きなようにやってくれ」って言われてますので、もし何かありましたら、植田さんにご意見を(苦笑)・・・ということで、何とか受け入れてください(笑)。楽しんでほしいです!

(文/齊藤恵)

◆配信情報
『SPEC サーガ黎明篇「Knockin'on 冷泉's SPEC Door」~絶対預言者 冷泉俊明が守りたかった幸福の欠片~』
動画配信サービス「Paravi」にて2月18日(木)深夜0:00配信開始。
毎週木曜深夜0:00より独占配信。

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