今週も笑ったー！
郊外の撮影所・バイプレウッドを舞台に、視聴率戦争に巻き込まれた各ドラマ制作チームの舞台裏と俳優たちの奮闘を描いたドラマ24『バイプレイヤーズ～名脇役の森の100日間～』（テレビ東京系／毎週金曜深夜0：12～）。第2話でスポットが当たったのは、伝統の看板枠ながら視聴率最下位の屈辱を味わった6チャン日曜9時の『大合併』です。
起死回生を狙い、決め台詞でバズらせようと画策。主演の向井理さんに決め台詞が与えられるも、なぜかバズるのは周りの脇役たちで･･･というのが今回のストーリー。
名脇役たちがやりたい放題でオーバードライブを起こしてる！
とにかくこの第2話、最初から笑いがトップギア。定番の俳優紹介も向井理さんが「向井という割に向かい風に弱い」だったり、小沢仁志さんが「どんな作品も任侠物に変えてしまう強烈な個性をもつ」だったり、スタッフの遊びが効いています。なんで小沢さん、普段からドスとか持ち歩いてるんですか･･･。
そんな紹介の通り、『大合併』に出てくる小沢さんはどう見ても借金取りにしか見えなくて、これ本当に銀行モノなの？ 『ミナミの帝王』とかじゃないの？ ってなる。
大倉孝二さんの「主演を食ってやろうと虎視眈々と目の奥を光らせている」っていうのも妙に似合うし、最初は「申しワケワケゴザゴザいません！」だったのが、最後は「もももももももも申しワケワケ！」っておかずが増えてるのとか、完全にバズらせる気満々で、その抜け目のなさが"大倉孝二"さんっぽくて愛せます。あの「ひえー」とかもうコントでしかない。
レギュラーメンバーでは田口トモロヲさんが大活躍。この田口さんこそが、今回の決め台詞作戦の発案者。向井理さんを相手に「ユー、バズることになったよ」と言いながら、なぜか意気揚々と首を切るジェスチャーで、それもうほとんど死刑宣告になってるから。
不安げな向井さんに対して、「心配ないさ〜」と高らかに『ライオンキング』を歌い出したと思ったら、注目の決め台詞は「俺は獅子の子だー！！」って『ライオンキング』は伏線だったのね！！！
一方、一向にバズらず落ち込む向井さんのもとへ、草むらから顔を出す柄本時生さん。めちゃくちゃ怪しい『不思議の国のアリス』のウサギだな。
柄本さんに連れられ、光石研さんと田口さんと遭遇した向井さんは、穴に向かってバズる決め台詞の練習をすることに。ここでも田口さん、「理科の理と書いて、おさむちゃんでーす！」ともはや『大合併』とは全然関係のない決め台詞を考案。横で向井さん、完全に戸惑ってる。
この第2話、名脇役たちが暴れまくって、オーバードライブを起こしています。
壁に向かって台詞の練習をしている向井理さんに萌えを感じました
そんな感じでバズることに翻弄されまくりの向井理さんが、めちゃくちゃ面白いことになっているのが第2話の見どころ。小沢さんと大倉さんはバズっているのに、自分だけバズらなくて、壁に向かって台詞の練習をしているのとか可愛いし、そんな向井さんを見て津田寛治さんが「俺が壁になってやるからさ」って稽古の相手を申し出てくれているのに、「今は津田さんより壁の方が落ち着くんで」って遠慮してしまうのとか、完全に暗い子になってて笑ってしまう。
「ロケ弁」のことを「ロケーション弁当」って言ったり、先輩たちを見つけて猛ダッシュで駆け寄ってきたり、「バズらせてください！」って土下座がバージョンアップして土下寝になっていたり。向井理さんの吹っ切れ具合に腹筋崩壊。清潔感があって、とっても真面目そうに見える向井さんがここまでやり切るからこそ面白いんですよね。
稽古の末に自信を取り戻した向井さんがカメラ目線で「ここから倍返しです」って言ってるのも、台詞は自信満々なのに、目が死んでるし、顔が半分影になっているしで、闇が深い。この1話きりではもったいないくらいの、向井理さんの新境地。なんならこのまま『大合併』を本当につくってほしい。
しかも、肝心の撮影日はスケジュールが押してしまい、極度の緊張のあまり台詞が吹っ飛んでしまう向井さん。「向井という割に向かい風に弱い」も伏線だったのねー！
台詞が出てこない向井さんに代わって、周りのみんなが台詞を言ってあげているのとかドタバタコメディの極みだし、オンエア日に『すみっコぐらし』よりすみの方で落ち込んでいる向井理さんがもはやいとおしく見えてきた。しかも、ジャージに『ゲゲゲの女房』って書いてあるし！ 『バイプレイヤーズ』のスタッフのみなさんの向井理さんへの愛があふれていて、観終わったあと、今まで以上に向井理さんのことが好きになりました。
とりあえずもう1回、「理科の理と書いて、おさむちゃんでーす！」って言ってる向井理さんが観たいので、再登場お願いします！！
（文・横川良明／イラスト・まつもとりえこ）
【第3話（1月22日[金]放送）あらすじ】
バイプレウッドの8スタでは、8チャンが観月ありさ主演の医療ドラマ『ドクターZ・5』の撮影を行っていた。海外ドラマのような過激なテイストが話題で、視聴率も好調だったのだが、"コンプライアンス"違反を指摘する視聴者からの手紙が引き金となり、過剰な役柄の滝藤賢一は降板させられる事態に！働き方改革や、ハラスメント防止で撮り直しやキャスト同士の衝突も発生...過剰なコンプライアンスが起こす騒動の行方は！？
◆放送情報
ドラマ24『バイプレイヤーズ～名脇役の森の100日間～』
毎週金曜深夜0：12からテレビ東京ほかで放送
※テレビ大阪のみ翌週月曜深夜0：12から放送
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi」でも配信。
第1シリーズ、第2シリーズも全話配信中。
