スイーツ開発×ラブストーリーが展開される森七菜主演のTBS系火曜ドラマ『この恋あたためますか』の第4話が、11月10日に放送された。
樹木(森)は、会社で好意を寄せる浅羽(中村倫也)と先輩の里保(石橋静河)が抱き合っているところを見てしまい、動揺。新たなプロジェクトが立ち上がり、里保がリーダーに抜擢され、樹木と新谷(仲野太賀)の3人でリンゴを使ったスイーツを開発することに。だが、樹木は浅羽と里保のことが気になり、仕事に身が入らず・・・。一方、樹木に恋する新谷は、里保から浅羽に抱きしめられたことを聞き、樹木の様子がおかしくなった理由を察していた。
浅羽と里保が元恋人同士だったことが明確になった第4話。出会いは新谷がきっかけ。それゆえに、新谷は樹木の浅羽に対する気持ちに気づきつつも、浅羽と里保が別れたことが気になっていて、2人には幸せになってほしいと思っていた。事情をあれこれ"知っている"新谷の心情は計り知れないものがある。
一方、樹木も自分の心の中のようにグチャグチャなバッグの中身を見られた浅羽に、「整理しろ、整理」と言われ、複雑な気持ちに。ロッカールームで里保にも遭遇し、もやっとした気持ちを無理に切り替えようとする樹木に、新谷の心配モードが加速。そんな中、3人でランチを出ようとしたところ、本社で樹木の元バイト仲間と遭遇し、樹木が企画したシュークリームの売り上げ日本一店舗となり表彰された樹木の古巣・上目黒店の店長(飯塚悟志)のおごりで、中華店にランチへ。
昼から豪勢に北京ダックも並ぶ円卓を囲みながら、里保を褒めちぎる樹木・・・そんな樹木を見つめる新谷の心配具合もMAXに。和やかながら切なさを感じる場面の中で、里保を持ち上げ、「井上(樹木)さんはユニーク」と称した店長に、わざと北京ダックを食べさせないようにする樹木の小さな抵抗がかわいらしくて、思わずクスっとさせられる。おごっているのにも関わらず振り回される"通常運転"の店長の明るさもあって、樹木と新谷、それぞれの複雑な心情がより際立ってみえた。
相変わらず本調子ではない樹木を元気づけようとしてか、新谷が有名店に食事に誘おうとするも、樹木に彼女がいると勘違いされ玉砕。その予約を浅羽に譲り、浅羽が里保を誘うように仕向けるも、誘ったのがまさかの樹木だったことを知って愕然とする新谷。シュークリームがヒットしたお祝いに「好きなだけ食べろ」と言う浅羽に、樹木はいつもの元気な笑顔を取り戻す。あれだけの樹木のモヤモヤを晴らす、恋のパワーがすごすぎるでしょ!
翌日、試作品がうまくいかず、樹木が自分を責めてプロジェクトを抜けると言い出すと「がっかりした」と珍しく厳しい言葉を吐く新谷。樹木が思わず「何も知らないくせに・・・」と言い、その言葉に食い気味で発した新谷の「知ってるよ」は、ここまでの物語を見ていると、とてつもなく重い。その場を収めきれない里保が「頭を冷やしてくる」とキッチンを離れ、樹木と新谷は2人きりに。
新谷は浅羽と里保が付き合っていたことをようやく明かし、その2人が再会したことを「運命だよ。そう思わない?」と樹木に伝える。目に涙をためながら「そう思う」と言ってキッチンを出て、外に駆け出す樹木。恋する気持ちを断ち切ろうと浅羽と2人で写った画像をスマホから消そうとするも消せない、樹木のためらいがあまりにも切なかった。
一方、浅羽と里保の関係は明かしても、樹木が浅羽を好きなことも"知っている"とは言わなかった(言えなかったのかもしれない・・・)新谷は、自己嫌悪に陥り、駆け込んだのは、なぜか「ココエブリィ」の上目黒店。店長&店員・碓井(一ノ瀬颯)の男子コンビに、自分の恋心を知られた新谷は事情を打ち明けることに。落ち込む新谷とその恋バナにノリノリな店長とのテンションの差がすごくて、思わず笑わずにはいられない。
「何でこうなっちゃうんだろう」と叫ぶ新谷に、「人を好きになるってそういうことでしょ」(碓井)、「恋愛はきれいなだけじゃない。(中略)。自分が自分でなくなっちゃうものなんだよ」(店長)と2人が助言を。それを聞く新谷の真剣な表情が印象的だった。そして、Paraviオリジナルストーリー『その恋もう少しあたためますか』を見ていると、男子3人の会話をより深く感じられるシーンでもあった。
樹木と比較して"私には才能がないから自分を磨く"と里保が浅羽に決意を伝える一方で、家に帰ってきた樹木はルームメイトのスー(古川琴音)に、里保と浅羽の関係を伝え、里保の良さを挙げて「そもそも、(社長と)私なんて釣り合うわけないじゃん」と"どうせ私なんか"モードに。「諦めるんだ、まだ何も始まっていないうちから」というスーの言葉で、一気に感情があふれ出す樹木の姿に心を締め付けられる。
「社長が私のことをそんなふうに思ってないもん。そんなの分かってるよ。社長との関係が崩れるくらいなら、今のままの方がいい。毎日会える方がいい。そばにいられるぐらいのほうがいい」と、自分に言い聞かせるかように泣きながら答える樹木の浅羽への想いの強さと純粋さたるや・・・。スーにうながされ、浅羽の写真を消しても涙が止まらない樹木。そんな樹木を慰めるスーが、何とも温かく優しい。新谷をアシスト、樹木をフォローする、上目黒店の仲間たちの存在が本当に尊いと思ってしまった。
次の日、樹木は誰よりも早くキッチンに入り調理道具をピカピカにして、新谷や里保に謝罪する。新谷に「仲直りしてくんないかな?」と指きりの小指を差し出す感じが、いつもの樹木っぽくてホッとさせられる。そして関係を修復させ、りんごスイーツを作り上げた3人は、開発に使っていたりんごの提供元である山梨に浅羽と共に出張。まだまだ浅羽への想いが残る樹木だが、「(里保と)お似合いだね」と浅羽に伝える。関係を知ってもなお、「そばにいたい」とあんなに泣いていた樹木の気持ちが思い出されて、樹木の笑顔が余計切ないシーンだった。それと、これだけ里保と浅羽の関係を内緒にしていた新谷が、浅羽に"口が軽い"扱いされるのが、ちょっとかわいそうだなとも思ってしまった。
第4話は、恋のブロックが外れた回に。恋をして"自分が自分じゃなくなっちゃう"樹木と新谷の姿が胸に迫る。そして、2人を癒したり、力をくれたりする周囲の仲間の存在も光っていた。樹木は浅羽の想いを断ち切ろうとし、新谷は樹木への恋に積極的になり、里保は元カレ・浅羽に歩み寄るという新展開へ。里保と浅羽の恋は再燃しそうだが、里保が浅羽とつなごうとした手が行き場を失ったあの展開から、どうなってしまうのか!?
そして、自分の恋をようやく周囲に知られ、何かと恋にゴーサインが出ている新谷は、ノーブレーキで樹木にまっしぐら。家まで送った樹木にキスをしたラストの衝撃たるや! 次回は「新谷がスイーツのリサーチと称して樹木を遊園地に誘う」って・・・ど、どんな展開!? ドキドキの余韻が残る第5話が楽しみすぎる!
(文・小松加奈/イラスト・まつもとりえこ)
【第5話(11月17日[火]放送)あらすじ】
新谷(仲野太賀)からの突然のキスに戸惑う樹木(森七菜)は、里保(石橋静河)と一岡(市川実日子)に"友達の話"として相談を持ちかける。だが、話の流れで里保が浅羽(中村倫也)と復縁を望んでいることを知り、複雑な気持ちになってしまう。
そんな中、ココエブリィ本社に経済誌とテレビから密着取材が申し込まれる。社長の浅羽と一緒に取材を受けることになり、慌てふためく樹木は・・・。
一方、樹木への恋心を自覚した新谷は、スイーツのリサーチと称して樹木を遊園地に誘う。そして同じ頃、里保も浅羽の携帯にメッセージを送り・・・。
◆番組情報
『この恋あたためますか』
毎週(火)22:00よりTBS系にて放送中
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi」でも配信中。
Paraviオリジナルストーリー『その恋もう少しあたためますか』も独占配信中。