9月26日(土)に放送された『キングオブコント2020』(TBS系)で、ジャルジャルが13代目王者の座を勝ち取った。どぶろっくは2003年結成で今大会芸歴最長、後藤淳平、福徳秀介によるコンビ。これまで2009年、2010年、2019年と決勝に進出し4回目となる今回、念願の優勝を果たした。
決勝のファーストステージでは、新人歌手(後藤)と事務所の社長(福徳)による「ヤジワクチン」というネタを披露し、審査員の設楽統が95点、日村勇紀が97点、三村マサカズが96点、大竹一樹が94点、松本人志が95点をつけ、合計477点でトップ通過。三村は「家に帰ってもう一回見たいと思える」と評し、松本が「ジャルジャルは今回完全に獲りに来てます」というほど分かりやすく面白いネタで好評価を得た。
そしてファイナルステージでは空き巣の師弟コンビによる「空き巣タンバリン」というネタで、設楽が93点、日村が94点、三村が90点、大竹が92点、松本が95点で、ファイナルステージでもトップの得点をたたき出し、総合得点941点で見事に優勝を果たした。福徳の目には涙が浮かび、後藤が福徳の肩に腕を回し喜びを分かち合っているところへ優勝カップなどを渡しに笑福亭鶴瓶が登場し、13代目王者を祝った。大竹は「福徳が泣くと思わなかったので、僕も少し泣いてます」ともらい泣きし、松本は「よく頑張ってくれた。とっくに優勝しててもおかしくない実力のあるコンビ。ただタンバリンがうるさいなと思った」とボケつつもジャルジャルの実力を認めた。
放送直後には、リモートにて優勝者会見が行われることに。会場にハイテンションでやってきた2人。優勝直後の今の気持ちを聞かれると、福徳は「13回目の挑戦ということで、同じくらいの芸歴の芸人さん達が辞退したりする中、僕らが出続けていいのかという不安がありました。芸歴も17、18年になってきて、若手が輝くべき大会に出て良いのかな・・・と。でもどうしても(キングオブコントで)優勝したかった。諦めずしつこく挑み続けて良かったなと心の底から思います」としみじみ喜びの声を漏らした。
また、「去年は僕が足の指を骨折してしまい、プライベートでラグビーをやっていまして、それで足の小指を・・・」と去年について語り始めると後藤から「実家の椅子蹴っただけやろ。プライベートでラグビーやってないやろ」とツッコミが。福徳はさらに「本当に、格好悪い話で・・・それもあったので、もしかしたら折るかもしれないと思って、今年は決勝決まってからは実家には帰らなかったです(笑)」と明かした。
一方、後藤も「第1回から挑戦して12回悔しい思いをしていて、決勝にすら行けない時期も長くて、本当に気が狂いそうなくらいへこむこともあったんですが、優勝してそういう悔しい思いとかは吹き飛びましたね! 『これが優勝か、これがチャンピオンなんや』と今まさに実感してる最中です」と喜んでいた。
毎年"ネタ選びが悪い"という声も多かったジャルジャル。今大会で披露したネタを選んだ理由について福徳が「(1ネタ目は)2019年の年末の単独ライブでできたネタでして、お客さんの反応がちょうど良いくらいのウケ具合で、マニアックに行き過ぎず、大衆向けだなという感覚が二人の中であったので選びました」と明かした。また後藤は「ネタをしていて自分たちでも笑ってしまうネタがたまにあるんですが、『野次ワクチン』はまさにそれでしたね。そういうネタは良いネタというバロメーターにもなっているので、文句なしのチョイスだったなと思います!」と自信を持っていたようだ。
2ネタ目の「空き巣タンバリン」については、福徳が「これは10年くらい前にあったネタで、単独ライブでもやらずに自分の中もボツネタにしていたネタだったんですけど、僕らのYouTubeで『ネタのタネ』といって、ほとんど練習せずにアップしているネタがあるんです。そこで、久しぶりにYouTubeにアップするために撮影したら周囲の反応も良くて。YouTubeで観てくれてる方の反応も参考にさせてもらったので、一緒に戦った気分です」とコメント。さらに後藤が「YouTubeではネタと言わず『ネタのタネ』と言っているんですが、まさにネタが花開いたという感じです。お客さんの前でやることを想定していなかったネタが、まさか『キングオブコント』の2本目に持っていくまでに成長してくれたことがうれしいですね」と、ファンの思いも載せて披露したネタについて感慨深げに語った。
今回ジャルジャルは"13代目王者"の称号と共に優勝賞金1000万を獲得。使い道について聞かれると福徳は「僕は家族に、人間ドックをプレゼントします!」と明かし、後藤は「優勝してから『賞金もらえんねや!』って思ったくらい、賞金を意識しなかったのは初めてだったので、まだ決めきれてないです」とまさかの事態に困惑している一面も見せた。
そして最後に、今後の目標について聞かれると福徳は「次の目標はめちゃくちゃあるんですけど、すごい大きな目標は後藤に言ってもらうとして・・・(笑)。たくさん全国ツアーをして、ジャルジャルに興味がある方々に僕らのネタを見てほしくて、たくさんライブもしたいです。とにかくコントをやり続けるのが僕の目標です」と"コント王者"らしい意気込みを。
一方、後藤は「そうですね・・・宇宙空間でコントをしたいです」と応え一瞬会場を静かにさせるも、「ひたむきにコントをやった結果、コントの神様が微笑んでくれたので、コントの可能性という意味で、初めて無重力空間でコントをやる芸人になりたいというのが大きな目標です!」と大きな野望を明かした。
なお、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では、『キングオブコント2020』とバイきんぐがMCを務め、ファイナリスト10組が出演する『キングオブコント生・大反省会』が独占配信中。『キングオブコント』の過去大会も配信されている。
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