山田涼介と田中圭が池袋を舞台に、凸凹バディの刑事を演じる『キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木』の第2話が、9月18日に放送された。
この作品の最大の魅力は、サクサク観られるテンポの良さと、役者たちの掛け合いの楽しさ。1時間が不思議と短く感じられる内容となっている。
山田涼介が演じる人情派で生真面目なキャリア刑事・神崎隆一と、田中圭演じる破天荒でキレ者の刑事・黒木賢司のバディ感は、二話目にしてかなりしっくりきている。これは前回のラスト、神崎が黒木から「俺たちは腹違いの兄弟だ」という衝撃的な事実を告げられ、さらに家に押しかけられて強制的共同生活が始まったことによる影響も大きいだろう。
共同生活の中でそれぞれの個性がさらに見えてくる中、美容室オーナーの池田(キンタカオ)が遺体で発見される強盗殺人事件が発生。防犯カメラの映像から、美容室の従業員でカリスマ美容師として人気の芳村敏生(神尾楓珠)が重要参考人として浮上する。
しかし、芳村は犯行を頑なに否認。神崎もまた、そんな芳村のことを黒だとはどうしても思えず、誰かにハメられたのではないかと考える。そこで、強引な手段を使い、神崎が自身の推論を芳村に伝えた途端、今度は芳村が態度を急変させて、犯行を自白してしまう。
それにしても、心憎いのは、芳村のキャスティングである。なぜかというと、神尾はジャニーズの中山優馬――山田と知念侑李との3人からなり、NHK紅白歌合戦にも出場しているが、活動が自然消滅してしまったユニット「NYC」のメンバー――に似ていると、以前から度々ネット上で指摘されているからだ。
SNSには「吉村さん(原文ママ)、中山優馬かと思った」「予告で中山優馬出ると思ったら、神尾楓珠だった」などというつぶやきが多数見られたように、現在は共演する姿をほとんど見る機会がない「NYC」を再現したかのようなサービス。「ハジメ」という猫が出てきて神崎が抱っこするのも、かつて山田が演じた『金田一少年の事件簿N』(2001年)の金田一一を連想させて、細かいサービスのように感じた。
さらに、本来、ルールを厳守する生真面目タイプの神崎が、感情に流されて掟破りをしてしまったこと。それに対して、本来破天荒な黒木のほうが「感情に流されて捜査するやつなんて、使いもんにならねえんだよ」と叱責、コンビ解消を告げつつも、見守ってくれていたのは、バディとしての深まりとともに、「兄弟」っぽさも見えてきて、なかなかに味わい深い。
そして、今回の一番の見どころは、犯人をあぶりだすために黒木が考えた刑事課総出の「モンキーブラッドプロジェクト」。演技の達者な田中圭が繰り出す「下手すぎる芝居」の茶番や、それにつっこむ弟、そんな二人を見守る刑事課の面々は、早くもファミリー的。
その一方で、兄弟の過去にまつわる謎は意外とヘビーに見える。この明るく楽しいやりとりから、どう展開させていくのかはますます気になるところだ。
(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)
【第3話(9月25日[金]放送)あらすじ】
池袋署管内で老人を狙ったアポ電強盗が発生した。犯人から暴行を受けた被害者が、薄れゆく意識の中で聞いていた次の犯行予告を手掛かりに、神崎隆一(山田涼介)や黒木賢司(田中圭)らは捜査を開始する。すると、被害者全員が同じ社交ダンスクラブに通っていたことが判明。そこで、神崎らは犯人の手がかりを探るべく、社交ダンスクラブに潜入することに・・・。
一方、黒木と神崎が兄弟だという衝撃の事実を耳にしてしまった末長光一(八嶋智人)は、2人が関わったという22年前の事件を調べ始めるのだが・・・。
◆番組情報
『キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木』
毎週金曜22:00からTBSで放送、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で地上波放送後より配信中。
ジェシー演じる諸星が主人公のParaviオリジナルストーリー『キワドくなりたい男』も独占配信中。