『ビューティー・インサイド』123人1役で紡ぐ優しく切ない愛の物語

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『ビューティー・インサイド』123人1役で紡ぐ優しく切ない愛の物語
『ビューティー・インサイド』123人1役で紡ぐ優しく切ない愛の物語

動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では"パラビでキュン補給"をテーマに、6月の毎週土曜に"胸キュン作品"を配信中。第1弾として、6月6日(土)は「セツナイ胸キュン作品」を特集している。

今注目の韓国エンタメからは、寝て起きるたびに姿が変わる主人公と、彼が恋した女性とのファンタジック・ラブストーリー『ビューティー・インサイド』を見放題配信。ありえない設定ながらも、見た人からは「とんでもない名作に出会った」と絶賛される作品だけに、この機会にぜひ見てほしい。

主人公ウジンは18歳のときに、目覚めるたびに姿が変わるようになってしまう。その秘密を知るのは母親と、親友サンベクだけ。人と会うことができないウジンは、家具デザイナーとして成功し、それなりに平穏な日々を送っていたが、ある日、アンティーク家具店で働くイスに一目ぼれしてしまう。

のっけから、ぽっちゃり男子で登場したかと思うと、次のシーンでは輝くビジュアルの男子に変身。老若男女、国籍さえも関係なしに姿が変わるため、さまざまな服や靴を取り揃え、視力も調整しなくてはならないウジン。どう考えても悲劇なのだか、どこか喜劇にも見えて「ありえないけど、なんだかおもしろそうだな」と惹きこまれる。

実はこの映画の原案は、2013年カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルで3 冠を受賞したソーシャル・フィルム「The Beauty Inside」。"目覚める度に姿が変わる主人公"という設定をもとに、韓国のCM界で活躍する最高のビジュアル・アーティストのペク監督が映画化したもので、卓越したセンスが生み出す映像や演出が常識ではない物語に説得力を持たせている。

ウジンを演じるのは、一瞬映るだけの人も含めて総勢123名。そのうちストーリーの流れにおいて重要なキャラクターを21人の俳優が務めているが、実力派から旬のイケメンまで顔ぶれが実に豪華だ。さらに、彼らをそれぞれに似合うシーンに印象的に登場させることで、ウジンに感情移入し、その恋を応援したくなる。俳優たちはみな、ウジンを1人の人物として表現しようと努力したそうで、123人1役が見事なまでに成り立っている。一方のヒロイン、ハン・ヒョジュは、透明感とナチュラルな雰囲気を持った女優で、イスには彼女しか考えられないといっても過言でないほどハマり役だ。

毎日のように違う姿で家具店に通いつめ、家具の説明をしてくれるイスを知れば知るほど好きになり、デートに誘うことを決意したウジン。「それならばイケメンのときに!!」とウジンが選んだ顏は、今話題のドラマ『梨泰院クラス』の主人公セロイ役で日本でも人気急上昇中のパク・ソジュンだ。イスは初対面にも関わらず、自分に似た感性を持ったウジンに惹かれ、ウジンはこの顔をキープするために徹夜して翌日のデートにのぞむのが涙ぐましい。

また、イスがウジンの秘密を知って悩み、それでも彼について知りたいと家を尋ねるシーンでは、日本の女優、上野樹里が登場。2人が日本語と韓国語でお互いについて語りあい、眠りにつき、翌朝、イ・ジェジュンに変わるシーンは、あまりにも美しく幻想的で鳥肌がたってしまう。

この日以降、姿が変わるウジンを楽しむようにデートを重ねてゆくイス。イ・ジヌクソ・ガンジュンイ・ドンウクといったイケメン俳優が続々と登場しての日替わりデートに胸が躍る。また中年のおじさんや子どもの姿になってもイスが見つめているのは間違いなくウジンであることから、この物語が"愛の本質はなにか?"を問いかけていることがわかる。

しかし、次第に現実的な問題が2人に襲い掛かり、イスの心は少しずつ蝕まれてゆく。せつない展開の結末を飾る相手は、繊細でソフトなイメージを持つユ・ヨンソク。チェコのおとぎ話のような風景が一層、物語を美しく際立たせる。愛に外見は関係するのか。常識や周囲の雑音に惑わされずに大切なものを守れるのかを考えさせられ、見終わった後に、心地よい感動が残る作品。エンドロールにも、ステキな物語が隠されているので、どうか最後まで見てほしい。

【著者プロフィール】
All About「韓国ドラマ」ガイド 安部裕子(アベ ユウコ)
https://allabout.co.jp/gm/gp/1193/

韓国エンターテインメントライター。97年に韓国ドラマの面白さに目覚め、これまでに約1100作品もの韓国ドラマを視聴。執筆業を中心にコメンテーター、韓流ロケ地ツアーのアドバイザーなども行う。

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