全社員が経営情報にアクセス、SmartHRが成長にアクセル

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「スタートアップ」が未来を創る――。話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

SmartHRを起業した宮田昇始CEOは学生時代からネットに親しんでいたわけではなく、起業を志したのも20代後半と遅咲きだ。10代に培った反骨心を抱え、大病を乗り越え、数々の事業からの撤退を経て、ブルーオーシャンにたどり着いた経緯とは。急成長しながらも一貫したカルチャーを維持する秘訣とは。

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瀧口:この5年でNEXTユニコーンと目されるほどの急成長をしていらっしゃる会社ということでそのヒストリーを伺っていきたいと思いますが、まず宮田さんの人生について伺いたいと思います。

原:実はあまり昔の話を伺ったことがないんですよね。

宮田:あまり良い人生じゃないかもしれません(笑)。

瀧口:熊本のご出身でいらっしゃるとお伺いしましたが。

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宮田:熊本の、町に信号機が一つしかないような田舎で、「今日信号機集合ね」って言って集まれるような田舎です。

瀧口:それくらい信号機がないんですね。

原:夜に点滅する系の信号機ですね。

宮田:点滅する系です。

原:私も隣の宮崎なので分かります。

瀧口:ご出身が近いんですね。九州男児のお二人ということで。こちらの情報ですと反骨精神を中高生時代に培われたということですが。

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宮田:中学高校と一貫教育の進学校に通っていまして、田舎からはだいぶ遠い熊本市内の学校だったんです。男子寮に入っていて、寮には中学1年生から高校3年生まで何十人も一緒に暮らしている環境だったんですが、かなり時代錯誤な昔ながらの風習が残る寮でして。夜になると電気が消されるだけではなくてコンセントの電源も使えなくなるんです。6時半が門限で、それを過ぎると怒られるという環境で。中学校1年生はお風呂場の椅子を使っちゃダメなど、謎のルールがたくさんあるんです。

そういうのに当時からすごくムカついていて、夜に電源を落とされてもトイレの換気扇から電源を引っ張ってきてみんなで夜遊んだり、カーテンを結んで雨どいからスルスルって抜け出したりとか、そんなことをしていました。

瀧口:すごいですね(笑)。当時からハックしている感じですね。

宮田:いけないことかもしれないですけどね(笑)。

原:中学1年生から高校3年生まで同じ寮にいるんですか。

宮田:そうですね。

原:そのくらいの年齢って親子くらい違いますよね。

宮田:そうですね。体の大きさも全然違いますし、高校生は怖かった記憶がありますね。

原:縦社会ですね。

宮田:はい。そういうものに対しての反骨精神がすごくありました。

瀧口:それが今につながっていらっしゃると。

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宮田:そうですね。我々の会社は「社会の非合理を、ハックする。」というミッションをうたっているんですけど、簡単な言い方をすると「古くて形骸化した制度をテクノロジーの力でより良く変えていきましょう」みたいなもので、これもその反骨精神というか。「なぜこれはこのままなんだろう」「なぜ2020年でもこんなにアナログなんだろう」というものを変えていきたいと思っています。

よく使う例えなんですけど、我々のジャンルだとFAXがまだ現役だったりするんですよね。例えばある飲食チェーン店で、店舗でアルバイトを採用します。その方の雇用契約書は郵送でやり取りして、免許証のコピーをFAXで本社に送ったりするのが現役だったりするんです。一方アメリカではFAXは博物館の中に入っていたりして、「日本ではまだ動いてますよ」ってアメリカの投資家に言うと笑われるんです。そういう社会の非合理と言いますか、なぜこの時代にそのままなのかということを変えていきたいと思っています。

瀧口:IT企業を立ち上げられたということで、もともとパソコンが好きだったりプログラミングが好きだったりする方が多いと思うんですが、宮田さんはどうなんでしょうか? 中高時代はパソコンが使える環境だったんでしょうか。

宮田:ではなかったですね。中学高校は携帯も禁止みたいな所だったので。

原:そもそも電気が止められちゃうような所ですからね。

瀧口:充電もできないですしね。

宮田:そんな環境で、大学でもあまりパソコンに触れてこなかったんです。ですがインターンであるITベンチャーに入る機会があって、そこの仕事がすごく面白くて「インターネットってめちゃくちゃ面白いぞ」と。働くならこういう会社で働きたいということで、そこからITやインターネットの道を歩み始めた感じです。なので芽生えはすごく遅かったです。