日経電子版、日経産業新聞と連動してイノベーティブな技術やベンチャーを深掘りする、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」オリジナル番組の「日経TechLiveX」。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
スタートアップのShowcase GigがPOSシステム最大手の東芝テックと組んで利便性を高めたモバイルオーダーシステム。こうした技術にとどまらず、飲食業や小売業の店舗システムは急速に進化している。商品の画像認識、AI(人工知能)による販促・・・。米国や中国で先行する無人店舗も夢ではなくなった。実現が近づく未来のお店の姿を紹介する。
瀧口:こんにちは。日経産業新聞、日経電子版と連動して、革新的なテクノロジーや今後成長が見込まれるスタートアップ企業に迫る「日経TechLiveX」。こちらはParaviのオリジナルコンテンツとしてお届けしています。日経CNBCキャスターの瀧口友里奈です。そして、私と一緒に司会進行を務めていただくのは日本経済新聞編集委員の奥平和行さんです。奥平さん、よろしくお願いします。
奥平:よろしくお願いします。
瀧口:さて、今回は前回に引き続き、広がるモバイルオーダーペイの現状と未来について掘り下げます。テーマは『注文、決済・・・お店の人手不足、デジタルで解決』です。では今回のゲストをご紹介します。小売りや飲食業界にスマートフォンを活用した事前注文、無人決済などのシステムを提供するShowcase Gig代表取締役の新田剛史さんです。新田さん、よろしくお願いします。
新田:よろしくお願いします。
瀧口:そしてもうお一方ゲストがいらっしゃいます。Showcase Gigとの連携を去年3月に発表した東芝テックの平等弘二さんにもお越しいただきました。平等さん、よろしくお願いします。
平等:よろしくお願いします。
奥平:前回、新田さんから東芝テックさんとの連携について伺いましたので、今回は反対側の当事者の平等さんにもいろいろお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
瀧口:それでは早速平等さんのプロフィールをご紹介させていただきます。平等さんは1987年現在の東芝テックの前身である東京電気株式会社に入社されました。2002年からリテール・ソリューション部門の管理職を歴任。2016年からリテール・ソリューション事業本部の商品・マーケティング統括部統括責任者を務めていらっしゃいます。
奥平:平等さん、東芝テックさんというと、POSレジのナンバーワン企業ですよね。シェアナンバーワンというのはどれくらい続いているんですか?
平等:日本国内では15年連続ですね。
奥平:15年ですか。圧倒的強者、横綱ですね。新田さんのところは起業してから何年ですか?
新田:6年ですね。
奥平:結構経っていますね。でも(ナンバーワン企業が)スタートアップ企業と組むというのは驚きの組み合わせだと思いますが、どういう経緯で始まったんですか?
平等:背景としては、弊社リテール部門ではレジスターからPOSを中心とした事業を何十年も続けてきましたが、そこだけに頼ってはいけないということで新しい事業の開発をここ数年進めていました。その中で、ある会社さんからShowcase Gigの新田社長を紹介していただき、今回のモバイルオーダーの説明を受けて、これは先々必ず日本も来るなと思ったことがきっかけです。
瀧口:その連携の内容というのは具体的にどういうものなのでしょうか。
平等:Showcase Gigさんが開発しているO:derのスマホアプリケーションとサーバーがあるのですが、スマホでオーダーした内容がShowcase Gigさんのサーバーを経由して弊社が開発している店舗のポストオーダリングシステムと連動するというシステムです。
奥平:前回、O:derを作ったのはいいけど大規模なシステムがあるお店に入れないというお話があったのですが、その扉を開いてあげたという位置付けでしょうか。
平等:扉を開いてあげたというよりは、それまで東芝テックとして新しいスマホを使ったソリューションというものを、ほとんど手掛けていなかった状況でした。一部電子レシート「スマレシ」という事業があるのですが、スマホを使った新規サービスというものはなかったので、弊社としてもお客様のためになるようなソリューションをShowcase Gigさんと一緒にやってみたいと思ったことが第一です。
奥平:提携から1年ちょっとですよね。具体的に形になったものがあると伺いましたが。
平等:まだたくさんあるわけではないのですが、いくつかの企業、店舗で実績も出てきております。