ゼロからわかるブロックチェーン 間違えないAIが誕生?

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ゼロからわかるブロックチェーン 間違えないAIが誕生?
ゼロからわかるブロックチェーン 間違えないAIが誕生?

日経電子版、日経産業新聞と連動してイノベーティブな技術やベンチャーを深掘りする、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」オリジナル番組の「日経TechLiveX」。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

ブロックチェーンの新たな可能性を模索するスタートアップ、クーガー。AIのデータ管理に応用し、ロボティクスなどを絡めた新たなプロダクトの開発を進めている。ブロックチェーン関連ビジネスの今後の可能性とは。新技術が抱える課題や、日本の官民が取り組むべきこととは。プレーヤーたちの最新動向を紹介しつつ、未来図を描く。

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瀧口:こんにちは。日経CNBCキャスターの瀧口友里奈です。そして、私と一緒に司会進行していただくのは、日本経済新聞編集委員の奥平和行さんです。奥平さん、よろしくお願いします。

奥平:よろしくお願いします。

瀧口:この番組は日経産業新聞、日経電子版と連動して、革新的なテクノロジーや今後成長が見込まれるスタートアップ企業に迫る「日経TechLiveX」です。Paraviのオリジナルコンテンツとしてお届けしています。さて、今回のテーマですが、「仮想通貨だけじゃない?ゼロからわかるブロックチェーン」。今日は後編となります。

奥平:前回は仮想通貨から始まってブロックチェーンとは何ぞや、という話を基礎から教えていただいて。今日は更にそれを使ってイノベーションを起こすスタートアップの話も聞けるということで楽しみにしています。

瀧口:前回もいろいろな応用の仕方を伺いましたけど、更に使えるということでどんなお話が出るのか。早速ゲストをご紹介します。前回に引き続き日経フィンテック編集長の原隆さんです。原さんよろしくお願いします。

原:よろしくお願いします。

瀧口:そしてもう一方です。クーガー株式会社CEOの石井敦さんです。石井さん、どうぞよろしくお願いします。

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石井:よろしくお願いします。

瀧口:石井さんのクーガーはブロックチェーンを意外なものと連携させようとして、異色のアプローチで注目されているんですよね。

石井:はい。

奥平:石井さんは元々キャリアの振り出しは発電所のシステムを作っていらっしゃったと伺いましたが。

石井:そうですね。発電所の制御をするシステムの設計をしていました。

奥平:それからシリコンバレーの名だたる企業からお声がかかったんでしょうか。

石井:そうですね。検索エンジンの開発をしていたので。

奥平:検索エンジンといえば、Gで始まる会社が。

石井:Gで始まる会社とかYで始まる会社とか(笑)。

奥平:伏せる意味がないですが(笑)。

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瀧口:伏せなくて大丈夫です(笑)。今日はいろいろなお話を伺っていきたいと思います。では早速今日のインデックスを見てみましょう。こちらです。『間違えないAIが誕生する!?』ということですが。

奥平:AIが間違えるというのはどういうことですか?

石井:AIというのは、よく言われるディープラーニングがありますけど、簡単に言うと統計です。ですので、データに従って動くわけです。極端に言えばAIはデータの奴隷なんです。例えば僕がもしAIに間違えさせようとした場合、AI自体を攻撃する必要はなく、AIが学習する元データを改ざんしてしまえば、そういう(間違った)AIになっていきます。

奥平:(AIが)間違ったデータに基づいて学習すると。それがブロックチェーンを使うと防止できるんですか?

石井:もし僕がハッキングするのであれば、データを狙うなと思いました。そして僕みたいな人を食い止めるにはどうすればいいかと考えた時に、データに信頼性を持たせる方法はないだろうかといろいろ調べたのですが、その時に出てきたオプションとして、ブロックチェーンに可能性があるのではないかと思いました。

AIの学習履歴や実行履歴にブロックチェーンを入れることで、どういうデータで賢くなったAIなのか、どういった実行をしてきたのかということが改ざんできずに残りますから、それによってデータの信頼性を担保できるのではないかと思い、やり始めました。