ひとり家電メーカーのコンセプト UPQ中澤社長の原点

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ひとり家電メーカーのコンセプト UPQ中澤社長の原点
ひとり家電メーカーのコンセプト UPQ中澤社長の原点

「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

木製キューブに点火してガラスのドームにセットすると、白い煙がゆらゆら落ちて、やがてドーム内のおつまみが燻製食品に――。この手軽な卓上スモーカーを開発したのは家電スタートアップのUPQ(アップ・キュー)。正社員は2015年の創業以来、中澤裕子社長ただ1人だ。同社の製品はいずれもシンプルな機能とデザインで、電動バイクは1000台売れた。カシオ計算機で携帯電話の企画に携わっていた時代に中澤社長が得た教訓とは。「ひとり家電メーカー」のモノづくりのコンセプトは。

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中澤:生ハムとキューブのチーズで燻製を作ります。スイッチが下に付いてまして、スイッチを入れるとファンが回るようになっています。

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瀧口:かすかに音が聞こえますね。

中澤:生活音の中では消えてしまうような音なので。

奥平:空気清浄機くらいですね。

中澤:ファンが回っているっていうことは火が燃えているということですね。

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瀧口:今これは何に火をつけているんですか?

中澤:香りづけの元になる木片に火をつけています。

瀧口:いい香りがしますね。

奥平:これはいわゆるスモーク用として売っている市販のチップですか?

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中澤:そうです。市販のものを使っています。

瀧口:バーベキューに来たみたいな気分になりますね。

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中澤:そうですね。バーベキューの後半の香りですね。こうして十分火がついて煙が出るようになったら、本来煙って上に立ち上るものなんですがファンの力で煙を下に向けているんですね。そうして熱だけ上に逃げて煙だけ下に貯めるということができます。

奥平:上は熱いんですか?

中澤:熱くなっても45℃程度なので、お風呂の温度くらいですね。

瀧口:ポップコーンも燻製にして食べるんですね。

中澤:そうですね。

奥平:この容器が市販とおっしゃいました?

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中澤:このドームを開発しまして、ポップコーンの入っているグラスは市販のものなんですが、要は本体がかぶせられればどんなものでもいいんです。こういったお皿の上にお料理が載ってて、お料理を一人分だけ燻製してみようということをやってみたいと思ったんです。

瀧口:これでしばらく置いておくと。

中澤:しばらく置いあげると、香りが付きます。

奥平:大体どれくらいで食べられるようになるんですか?

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中澤:もう食べていただいても十分変化は感じていただけると思いますが、ものによって、ハムよりもチーズの方が時間がかかったりしますし、ポップコーンはもう一瞬で。香りも後味も付きますね。本当に食材によって面白いので、いろいろ私も試してみて、遊んでいるところではありますね。

瀧口:これが家にあったらすごくおしゃれですよね。

中澤:プレゼントでもらうと嬉しいかもしれませんね。

瀧口:新居のお祝いとかでもらえたら嬉しいですよね。

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奥平:2015年に会社を作られたんでしたっけ。

中澤:そうですね。2015年の夏です。

奥平:当時は少人数というか一人でものすごい短い準備期間で、いきなりたくさん製品を出しましたよね。

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中澤:当時30歳の女が文系で1人で家電ベンチャーを立ち上げたといって、すごく話題になってしまって。私はそんなつもりではなくて、自分の顔すら出すつもりもなく、家電業界にどうしても戻りたいという思いでした。DMM.make AKIBAというハードウェアスタートアップが拠点にしている場所でスタートを切れるということを考えてスタートしただけだったんですけど。

瀧口:家電メーカーに戻りたいというのは。

中澤:もともとカシオ計算機というところで携帯電話の商品企画をしていたんですが、入社して5年で会社が携帯部門を切り離して、そこもスマートフォンの開発をしないという判断をしたタイミングがありまして。どうしても携帯電話が作りたくて入ったので、それ以外にやりたいことがなくて辞めてしまったのが2012年です。

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奥平:当時のプレスリリース見ますとすごいんですよ。17種24製品をいきなりローンチするという、ちょっとありえない感じで。4Kディスプレイ、スマートフォン、カメラ。このカメラはGoProみたいなものですか?

中澤:これはジンバルですね。動画などを安定して撮るためのものです。

奥平:こちらにも実物がありますね。

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瀧口:これは電球ですか?

中澤:LEDなんですが、Bluetoothで操作して色味を変えていくようなタイプのものです。10個までアプリから操作ができるので家中の電気を一気に消すということもできますね。

瀧口:しかもデザインがかっこいいですね、紺色で。

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奥平:あと電動バイクも。

中澤:第2シーズンの目玉がバイクでした。